さよなら運転が終わり所沢駅に戻ってきた

客車の返却回送がこの機関車の最後の運用となって我々の前から姿を消した

 今回は私鉄最大の電気機関車、西武鉄道E851型電気機関車のさよなら運転の写真を公開しました。この機関車は1969年の秩父線開業と同時に4両が製作され、秩父線の横瀬から西武池袋線を経由してJR武蔵野線の新秋津駅までセメントを輸送する運用に専任しました。1996年春にこの貨物輸送が道路輸送に切り替えられて廃止となり、同時にこの機関車も引退となったわけです。
 登場から20年以上に渡り黙々と貨物輸送を続けた彼に客車牽引という仕事が与えられるわけもなく、その美しい姿に魅了されたファンたちは「一度でいいから客車を牽いている姿を見てみたい」という叶わぬ夢を見ていました。ところが西武鉄道が企画したさよなら運転の内容は、JRから12系客車を借用してこの夢を実現させるものでした。そしてこの客車牽引はE851型最後の晴れ姿となりました。
 「客車を牽く姿を見てみたい」という夢が叶うことが分かると、今度は「E851型が牽引する列車に乗ってみたい」という夢に変わりました。ところが乗車受付は抽選となったため、私と妻とで計4通の葉書を出したところ、妻の分1通が異常に高かったといわれた倍率をくぐり抜けて見事当選。奇跡的に乗車させていただくことになりました。西武鉄道のレールの上をJRの客車で通ったという自慢とともに、E851型の走りを身体で感じ取ることが出来たのは今でも自慢のひとつです。
 E851型は、現在1両が横瀬車両管理所に旧型レッドアロー5000系や昭和29年製造の351系などとともに保存され、「鉄道の日」前後の週末に一般公開されています。機会がありましたら一度ご見学をお勧めします。

おまけ写真

我が家でも撮影会

 


撮影データ

撮影日 1996年5月25日〜5月26日
1991年10月某日
撮影場所 西武池袋線・秩父線
撮影者 栗原 明(通称・はいじま)
撮影機材 OLYMPUS L-3
Canon Autoboy-JET

 

出口展示室の最初に戻る

9ページ目(全9ページ)