2010年4月29日 東北本線白坂駅付近

 2010年のゴールデンウイーク、寝台特急「北斗星」「カシオペア」の撮影を絡めたために変則的な旅程となった。しかも雨でろくに外にも出られず、昼間は未走の国道を手当たり次第に踏破するという旅行しか出来なかった。そして夜になれば「道の駅」等を探して車中泊し、夜明け頃に線路際でカメラを構えるという繰り返しの生活も3日目、いよいよこの旅行も最終日である。
 この日の撮影は東北本線でも有名なデッキトラス橋梁である通称「豊原の大鉄橋」で撮影の予定だった。だが朝になって目をさますと、付近の風景は白い霧の中に沈んでいた。今回はとことんお天道様に嫌われてしまったようだ、4月18日に季節外れの残雪という奇跡を作ったのに、そこで撮影に失敗なんかするからいけなかったのだ。
 だが気を取り直してこのような場合に第二候補として考えていた白坂駅付近の撮影地に向かう。白河市付近には「道の駅」はないので、国道4号沿いのチェーン着脱所で車中泊していた私は、途中のコンビニで朝食を買い込んでから白坂駅に向かった。
 撮影地に着くと前日までと違うことがひとつあった、それは「同業者」と思われる撮影者が数組いたことである。やはり同じゴールデンウイークでも祝日になると違う。その方達から今日の「北斗星」牽引は「北斗星」塗装機だと情報を得て、霧という悪条件で撮影地の変更までさせられていたが、私は前向きな気持ちで撮影が出来た。

 郡山以南では「カシオペア」より先に朝一番の普通列車がやってくる。
 霧の中から現れたのは719系の普通列車。国鉄設計とJR化後以降の設計の過渡的車両。外観は国鉄時代末期特有の「211系顔」だが、内装構造の多くは209系以降の設計思想が垣間見られる。
 この「211系顔」はデザイン的に「締まり」が良くて好きだ。
 そして霧の中から「カシアペア」が登場。霧で視界が悪く構図も限られる。線路から離れたら、肝心な列車が見えなくなるので望遠に頼る構図はアウト。だからこういう「ありきたり」な写真にならざるを得なかった。
 撮影後に車内を覗いたら、結構乗ってたなー。

 交流区間ではあるが、電源切り替えの黒磯駅を通過するので直流区間で使用する前側のパンタグラフが既に上がっている。
 「カシオペア」と「北斗星」の合間に来たのは701系の2両編成。この車両がもっともローカル列車らしい側面を見せてくれる。
 こうして見るとなんの飾りのないデザインは嫌味が無くていい。
 さらに霧が濃くなってきた…。
 よりによって「北斗星」通過時が最も霧が濃かった。「北斗星」塗装機だったとは言え、この日の満足なものとはならなかった。リベンジの日程と予算取れるかな?
 とは言え昨日よりはまともな写真になったと思う。悪天候の緊張感がよく表現された写真になった。
 「北斗星」に続きE721系4連のローカル列車。ヘッドライトが小さいせいか、これだけの霧の中から現れても緊張感に欠ける。
 こいつが雪の中を走っているのを見てみたい。
 少し霧が晴れてきたところで「金太郎」がやってきた。貨物列車は黒磯駅に停車するので前側のパンタグラフは下がったまま。
 この機関車、今までまともに見たこと無かったけどこうして見るとカコイイなぁ。一度で良いから客車引っ張ってくれないかな?
 霧が晴れたところで701系6両編成がやってきた。編成が長いと飾りのない無骨な顔も引き締まる。

 飾り気のなさは旧型国電に通ずるところがあると思うのだが。ヘッドライトやテールライトの形が「丸」なのはこの電車が作られた時代に似つかわしくない「古さくささ」を持っていて、私は大好きだ。良い被写体だと思うけどなー。
 霧も晴れた来た事もあって、次の貨物列車では構図を変えてみた。てーかこの構図で「カシオペア」や「北斗星」を撮りたかった。前掲の写真は全て、前に見える畦道から撮ったもの、そう考えるとこれまでどれだけ霧が濃かったかご理解頂けるだろう。
 この日最後の貨物列車はまた違う角度で撮ってみた。この構図は電気機関車の迫力が再現できて良いなー、リベンジが可能ならば今度はここで撮ろう。
 帰ろうと撮影地を後にすると、先ほどまで近くで撮影していた人が下り線にカメラを向けていたので、聞くと「すぐ貨物が来る」と教えてくれたので私も待った。
 程なくやってきたのは「金太郎」がこれ。ここの下り線もこんな良い構図で撮れるんだと感心、だがこちらには日がある時間に「カシオペア」や「北斗星」は来ない。残念。
 以上、このGWに「カシオペア」「北斗星」のEF81を追った記録だ。
 返す返す残念なのは、4月27日以降は天候に恵まれず、満足な写真を残せなかったことだろう。それでも27日の写真はなんとか納得できるものにはなったが、「北斗星」塗装のEF81が来なかったという不運により「被写体」に満足できなかった。28日は逆にロイヤルエンジンEfF81-81号機が来るという幸運に恵まれながらも、分厚い雲により明るさが足りずに満足な写真にならなかった。29日も濃い霧の中での撮影となり、ため息が出るばかりであった。
 これはリベンジが必至と言いたいところであるが、予算と日程が撮れるかどうか不透明であるだけでなく、未だJR側からEF81の置き換えがいつになるのか発表されていないという状況である。もし7月頃になってもEF81が引っ張っているようだったら、リベンジ撮影の行程が組めるかも知れない。
 まだ続くかも知れないが、今回はひとまずここでまとめておこう。
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