・Shanghai Maglev Route
 上海磁気浮上式鉄道実証運転線:竜陽路~浦東国際空港

上海市郊外、竜陽路駅を出発するマグレブ。
これが現在の世界最速列車の姿だ。

・収録車両
 上海マグレブ用トランスラピッド車両

・経由地
 竜陽路~浦東国際空港



 現在、営業運転中の常設鉄道の中で世界最速を誇るのは、上海市郊外を走る上海マグレブだ。上海市郊外の竜陽路駅と浦東国際空港駅の間約30kmを、最高速度430km/hで結んでいる。
 この世界最速の鉄道が、2016年2月に「Train Simulator 2016」のアドオンにラインナップされたので、早速紹介してみたい。

 上海マグレブはドイツの「トランスラピッド」と呼ばれるシステムを用いて開業した。「トランスラピッド」は磁気吸引浮上式のリニアモーターカーで、その基本理論は第二次大戦前には考案されていて、特許もこの時代に取得している。ドイツでの本格研究開始は1960年代からで、1969年から走行実験を開始した。1980年にドイツの磁気浮上式鉄道実験線である「エムスランド実験線」での実験が始まり、1988年に412.6km/h、1989年に436km/h、1993年には450km/hに達した。
 2000年に上海での採用が決定するが、2006年9月にエムスランド実験線で試験走行中の列車が保守用車両と衝突する大惨事が発生、2008年にはドイツでの路線建設中止が決定され、2011年に開発は終了して後にエムスランド実験線も撤去された。
 採用が決定した上海では2001年に路線建設着工、2002年夏には車両が完成して年末には路線が完成した。そして2003年12月29日に営業運転を開始した。

 路線は大都市郊外の宅地や工業地帯の中を走る光景だ。竜陽路駅を出た列車は大きくカーブしながら上海の副都心と離れ、やがて直線に入ると制限速度が解除されて超高速走行となる。やがて上空を飛行機が行き交うようになり、空港の敷地へ入って行くと終点の浦東国際空港だ。
 実物は7~8分でこの間を結んでいるようだが、本ゲームではどう走っても9分以上掛かる。車両性能が少し違うのかな?
 運転は手動運転も可能だが、ゲーム上でもATOが完備されていてボタンを押すだけで目的駅まで自動運転してくれる。もちろん最高速度は430km/hだ。

 以下のアルバムで、世界最速の鉄道のバーチャル旅情を楽しんで戴きたい。


・世界の車窓から
竜陽路駅ホームで発車を待つマグレブ車両。この位置。この角度の写真は報道写真で見た方も多いだろう。
ホームから扉が開いた列車の様子を見る。竜陽路駅ホームはホーム柵も再現されていて、ATO運転ではこの柵に合わせて自動的に停止してくれる。
ここから乗り込んでみる。
車内の様子はこんな感じ、方向固定の3人がけシートが並ぶ。あまり乗り心地は良くなさそうだけど、短時間だから…。
座席に着席した視点から車内を見る。妻面のLED電光掲示にも速度が表示されるという懲りようだ。
竜陽路駅を出た列車の様子、上海郊外のこの駅周囲は副都心らしいビル街だ。
竜陽路駅からしばらくは大きなカーブで上海市街から離れるコースを取る。この辺りは若干の速度制限がある。
途中では高速道路が複雑なインターチェンジを描いている。この辺りカーブは逆向きに。
カーブを行くマグレブ、速度制限と言ってもこの辺りは300km/hで走行する。
対向列車視点でマグレブ車両を見る。ゲーム上でのこの車両の特徴は、ヘッドライトもテールライトもとても眩しいことだ。
路線の中間付近、この辺りは最高速度の430km/hでぶっ飛ばす。しかし、景色に変化がないので、ゲーム向きの路線ではないかも知れない。
浦東国際空港駅が近付くと、上空を飛行機が通過するようになる。ちなみに「Train Simulator 2016」シリーズのアドオンの中には、このように上空を航空機が通るマップがいくつかある。
上空を通過する航空機をズームして見る。驚いたことに機首はMD-11だ。
MD-11を反対側から見る、「中国東部航空」のエアライン名がハッキリ読み取れる。
浦東国際空港駅手前で、こんな感じの水路を渡る。進行左側が空港ターミナル、それらしい光景が広がっている。
浦東国際空港駅に到着、空港と直結した小さな駅だ。空港列車の雰囲気満点だ。
浦東国際空港駅に到着した列車の運転台を見てみる。広い部屋の隅っこにデスクタイプの運転席がポツンとある。
これが「Train Simulator 2016」上の世界最速列車の旅だ。実物より2分位余計に時間が掛かっているようだが…。
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