・Portsmouth Direct Line Route
 ポーツマス線:Woking(ウォーキング)~Portsmouth Harbour(ポーツマス港)

南西本線(South Western Main Line)との分岐駅、ウォーキング駅に並ぶ Class444 と Class450 。

・収録車両
 South West Trains Class 450 'Desiro' EMU(通勤用電車)

・購入済みアドオン車両
 South West Trains Class 444 EMU(都市間急行用電車)

・経由地
 Woking(ウォーキング)~Guildford(ギルフォード)~Haslemere(ハスルミア)~Petersfield(ピーターズフィールド)~Havant(ハバント)~Fratton(フラットン)~Portsmouth & Southsea(ポーツマス アンド サウスシー)~Portsmouth Harbour(ポーツマス ハーヴァー)



 イギリスの首都ロンドン・ウォータールー駅から南西方向、イギリス南部の港町を目指す主要本線が「南西本線(South Western Main Line)」。この路線はイギリス南西部の港町、サザンプトンやウェィマスを目指している。この路線の途中、ロンドンから約40kmのウォーキング駅で分岐し、イギリス南部の軍港都市ポーツマスを結ぶ79.8kmの路線が、今回紹介するポーツマス線(Portsmouth Direct Line)だ。
 ロンドン・ウォータールー駅からポーツマスを目指す列車は、ウォーキング駅で南西本線から分岐する本路線に入る。この町はF1のマクラーレンのチーム本拠地があることで知られる、市街地人口約62000人の町である。駅は幹線から亜幹線が分岐する大きな構内を持っている。
 ここで分岐した列車は、丘陵地の小さな峠を越える。この峠越えは林の中に続く直線的なルートで時速90マイルの高速走行が可能だ。峠を越えると再び大きな駅に飛び込む、ここは本路線で最も大きな駅であるギルフォード。サリー州の州都であり、市街地人口は71000人、駅周辺には賑やかな市街地が広がるだけでなく、サリー州各地へ向かう鉄道の分岐点になっている。
 ギルフォードの市街地をトンネルで抜けると、沿線風景は風光明媚な農村へ変化し、じきに森の中の丘陵へ登り上げる形になって行く。そして二つ目の峠のサミットがハスルミア駅、ここは山中の小駅で周囲は丘陵地の小さな町だ。ここからは下り勾配に変わり、丘陵地に続く農地や森林の中を時速90マイルで突っ走る。下り坂が終わったところがピーターズフィールド駅。ここも丘陵地の小さな町であるが、次の丘陵が目前に迫る風景だ。路線は再び登り坂になり、峠の小さなトンネルをくぐり抜けると路線は海へ向かって一気に落ちて行くような下り坂になる。下り勾配が終わり平原の中を突き進むと、左側からやってくる路線と合流するとハベント駅。海辺の入り江沿いに広がる小さな町だ。ここからは先ほど合流してきた西海岸線(West Coastway Line)の路線となる。ここからは海辺に広がる工業地帯や住宅地を走り、車両基地があるフラットン駅の辺りからポーツマス市街地に入り、ポーツマス アンド サウスシー駅に到着する。ここが人口約20万の軍港都市、ポーツマスの中心駅だ。
 路線はさらにポーツマス市街に伸びる、車窓にグラウンドやショッピングセンターを眺めると、右前方に帆船が、左前方にはポーツマス港のランドマークである「スピンネーカー・タワー(Spinnaker Tower)」が見えてくる。このタワーの根元が海に面したポーツマスハーヴァー駅だ。帆船はイギリス最初の鉄製船艦である「ウォーリア号」、タワーは2005年秋に完成した展望塔である。
 駅に隣接した桟橋からは、ワイト島のライドへ向かうフェリーが連絡している。前回紹介のワイト島鉄道のライド ピア ヘッド駅に接続するフェリーだ。ライドまで22分の船旅は、ワイト島鉄道を紹介した際に書いた「Ship Simulator Extremes」で操船体験が可能だ。

 この路線は景色は単調だが、地形が起伏に富んでいて運転していて飽きない路線である。最高速度は時速90マイルと低めだが、制限速度も多く、勾配との絡みで運転はちょっと難しい所もある。全体的に主要幹線という感じでなく、1級下の亜幹線の雰囲気が強い。
 「Train Simulator 2016」をお持ちの日本人には、一度プレイして欲しい路線だ。


・世界の車窓から

本路線の車両 Class444(左)と Class450(右)だ
Class444はデッキ付きの長距離対応の電車、Class450は一般的な通勤電車。
どちらも第三軌条集電の直流電車だ。
ちなみに本ゲームで標準装備はClass450のみ、Class444はアドオンとなる。
まず、本マップに標準で入っているClass450より紹介しよう。
車体は標準的なイギリスの通勤電車だ。
峠の小駅であるハスルミア駅に並ぶ電車たち、バンパーと正面貫通路、それにサウスウェストトレインズ(SWT)の大胆な塗装が印象的だ。
路線中最大規模のギルフォード駅でHSTと並べてみた。
Class450は2003年に製造され、2006年までに4両×127編成がSWTに投入された。
HSTを出したついでに、本路線にHSTを走らせた場合の画像を出しておこう。
早朝のポーツマス アンド サウスシー駅で発車を待つ。この駅は地平駅だが、ポーツマスハーヴァー駅方面のホームのみ高架となっている。
ハスルミア駅に停車中のHST、勾配がきつくて坂を上るのが大変だった…。
続いてアドオンとして別売のClas444だ。
このキャブ画を見ての通り、車端に出入り口を寄せたデッキ付きの長距離仕様となっている。
ここはポーツマスハーヴァー駅だ。
ハベント駅に停車中のClass444、この駅もジャンクションだが駅は小さい。
前面スタイルはClass450も共通だ。
ハスルミア駅からの下り勾配を爆走するClass444、本路線は総じてこんな感じの景色が続くが、地形の変化が多く運転していて飽きない。
ハスルミア駅に停車。
Class444は2004年から5両×45編成が製造され、SWTに投入された。
当初はロンドン・ウォータールー駅からポーツマスへの速達列車に使用されていたが、現在はウェイマス方面の列車に使用されている。
5両編成を2本繋いで10両編成での運用も多いようだ。
ウォーキング駅でClass450と並ぶ。
似たような時代に立て続けに製作された兄弟車だけあって、相似点はとても多い。
ポーツマスを出発した電車がウォーキング駅に到着。
本当はこのままウォータールーまで運転できれば良いんだけどなーと、プレイするたびいつも思う。
Class444の車内、日本で言えば特急電車そのものだ。
ちなみにこの車両は二等車(普通車)、2-2の固定クロスシートが「集団見合い」の配置で並ぶ。
こちらはClass444の一等車、座席配置やシートピッチは同じだが、1-2り3列シートだ。
こんな貨物列車を走らせてみた。雨が降ると上り勾配で空転して、走らせるだけでも一苦労。
これはピーターズフィールド駅からハベント駅に掛けての峠のトンネル付近。こんな感じの森が続く。
上の写真から少しピーターズフィールド駅方向へ向かったところ。
この雨の雰囲気が好き。
貨物列車がギルフォード駅に到着。この駅はホームに沢山の人がいて、ゲーム上でも活気があって良い。
ギルフォード駅の全景、本路線を含めて4路線が乗り入れる一大ジャンクション。
周囲も賑わいのある街で、途中下車してみたいと思わせてくれる。
終着駅、ポーツマスハーヴァー駅の夜景。海に半分突き出した2面4線の連絡船接続駅。
実物では向かって左側にワイト島行きのフェリー乗り場があるようだ。
ポーツマスハーヴァー駅を海から見てみる。隣に立つタワーがポーツマスのランドマーク「スピンネーカー・タワー」だ。
これは「Ship Simulator Extremes」のソレント海峡のマップで、上キャブ画と同じ場所をキャブってみた。
よく見たら…駅も線路もないっ。線路の位置だけ地面の色が変えてあるだけだ。
やっぱり船シムに鉄道を期待しちゃダメか…。



ちなみに、私が本ゲーム概要紹介のページで使ったこの画像は、本路線のものである。
これはポーツマス アンド サウスシー駅とポーツマスハーヴァー駅の間、
ポーツマス市街を行く列車の姿だ。

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