世界名作劇場「小公女セーラ」追加考察2 アーメンガードファンによるアーメンガードファンのためのページ アーメンガードの「可愛さ」的には第14話や第25話などダイジェスト化した話には及ばないものの、出番が多くアーメンガードファンの印象に残りやすいのが第26話「年少組の小さな先生」でもある。だがそういうこととは別に、この話のアーメンガードについて、本放映時からどうしても気になることがあるので追加した(今までネタとして残しておいた)。今話にある「アーメンガード最大の謎」をとくとご覧あれ。
…さて、この話のアーメンガードをご覧になって、皆さん気になるところはないだろうか? 最初の方でクリステルと仲良く会話していることではない、確かにアーメンガードがセーラとロッティ以外の生徒と仲良く語り合っているシーンは非常に少なく、全体を通してみれば非常に珍しいシーンであるのは確かだ。 だが、今回取り上げたいのは、そんな問題ではない。 では、問題のシーンの考察に入ろう。 今話の転換点は、セーラによる年少組授業が順調に進んだあとだ。ロッティがセーラに「お話」をせがみ、これを受けてセーラが「アルフレッド大王の話」をする。では何故「アルフレッド大王の話」になったかと言えば、その本がそこにあったからでセーラは本を読み聞かせる形で「アルフレッド大王の話」の話を語ることになる。 では、その「アルフレッド大王」の本は何処から出てきたのか? なんと、本の出所はアーメンガードである。ロッティがお話をせがみ、セーラが「何の話がよいかしら?」と悩んでいると、下記のシーンとなる。
…つまり、この「アルフレッド大王」の本は、アーメンガードが「父から贈られた本」として膝元から突然出したのである。 気になる点としたのはこれなのだ。上記ダイジェストで今話でのアーメンガードを見ていると、何処にもこの緑色の本を持っているような様子はない。授業にも教科書を持たず、石板を机の上に置いていただけだ。最初にいた教室でもアーメンガードがこの緑色の本を持っていた様子はない。もちろんセーラの授業を受けるために遊戯室へ移動した後ももこの緑色の本を持っている様子はないことが上記のダイジェストをみれば誰もが理解出来るだろう。 さらに言えば、アーメンガードはこの本を膝元から突然出している。すると遊戯室シーンではアーメンガードはこの本をずっと膝元に抱えていたことになるが、上記ダイジェストで単語の暗唱シーンをみれば、膝元に本を置いていないのは明白だ。さらに机には引き出しもなく、隠し持つことも不可能である。 アーメンガードがこの緑色の本を本当に持ち歩いていたかどうか、検証出来るシーンがひとつだけある。これは年少組生徒とアーメンガードが教室から遊戯室へ移動するシーンだ。こういう検証が出来るようになったのは、まさに現在だからこそで本放映時なら不可能であっただろう。
左が該当のシーン、右はそれを拡大したものである。ミンチンとロッティの動きにより、このシーンでアーメンガードが手に持っている物が見えるシーンは非常に短い。ここではアーメンガードが手に持っているのは2つ、ひとつは薄茶色で板状の物体、もうひとつは茶色い本状の物体である。前者は同じと思われるものをロッティが持っているのを確認出来るので石板とみていいだろう。だがそれより一回り大きい茶色いものは本と思われるが、後のシーンで出てくる「アルフレッド大王の話」の本とは色が違う。アーメンガードが本を出したときのシーンを思えば、包みに入っていたともカバーが掛かっていたとも思えない。つまりこれが本であるなら、これは「アルフレッド大王の話」の本とは別物である上、アーメンガードが遊戯室に入ると忽然と消えた別の本だということになる。 この画面通りに受け取るならば、アーメンガードは何もないところから突然この本を出したことになる。まるで「魔法」のようだ。または服の中など、誰にも気付かれないように本を持っていたのかも知れない。あ、後者の説ならあり得るかも知れない、あんな本を持ち歩いているところをミンチンにでも見つかったら、酷く叱られることは明白だ。だからアーメンガードはこの本を服の中に隠すなどして持ち歩いていたという説は説得力はある。これでは「魔法」というより「手品」みたいになってくるが。 だがまた別の問題が発生する。アーメンガードが何でこの「アルフレッド大王の話」の本を、自室から教室へ、教室から遊戯室へと持ち歩く必要があったのか?という点だ。セーラの授業が終わった後もまた教室経由で自室へ回送する必要があり、アーメンガードがどんなに本を隠し持ち歩くのが上手だとしても見つかるリスクが高すぎる(発見者がガートルードなら「また太ったのね」で終わりそうだが)。しかもこの日はアーメンガードがセーラの授業を受けられると最初から決まっていたわけではないし、そうだったとしても「ご褒美にお話」という展開に行く事の予測は困難であっただろう。自称「ぼんやり」のアーメンガードならなおさらだ。 アーメンガードが本が好きで時間があるときに読もうと思っていたから…それは設定上あり得ないのは、「小公女セーラ」のファンに方なら言うまでもないことだろう。設定上アーメンガードは本が嫌いだから、このように持ち歩くこと自体が考えられないのだ。逆に必要なときに持ち出し忘れるのが、彼女のキャラクターのはずである。 これは全46話中、アーメンガード最大の謎と言えよう。 この本にまつわる謎はまだ他にもある。この本が最初に出てきた上記シーンでは、本と引き替えにアーメンガードの石板が画面から消える。続いてセーラが本を読みながら「アルフレッド大王の話」をしている間は、今度はセーラの石板が姿を消す。石板と本が引き替えになったようにも見えるシーンで、まるで狸に騙されたような感じだ。 そしてこの本の「最期」も発見している。セーラがミンチンに殴られてロッティが「セーラママを叩くのはやめて」と懇願するシーンまでは机の上にセーラが読んだままの形で置いてあったのだが、その直後に「おやめなさい、ミンチン先生」と言ってデュファルジュ先生が出てくるシーンで、この本はセーラの石板を残して忽然と姿を消しているのである。その後、この「アルフレッド大王の話」の本は二度と画面に出てきていない。
まさにセーラがみんなに「お話」をしたいがネタがないと困ったときに魔法のように突然現れて、セーラの「お話」がミンチンに見つかり用が無くなると魔法のように忽然と姿を消した本当に摩訶不思議な本だ。この摩訶不思議な本がアーメンガードが出したということでずっと私の印象に残っていたし、初視聴から何年も気にし続けてきたのだ。そして何でアーメンガードがこの本を持ち歩いていたのか、何処から出したのか、どうやって隠し持っていたのか、本がある間なくなった石板はどうなったのか、そしてこのアーメンガードの本は何処へ消えたのか、考えれば考えるほど謎は深まるばかりだ。 |