沖へ急ぐ
彼女は横浜港へ向けてその足を速めた。
私は後ろ髪を引かれるように、その姿を何時までも目で追った。

この翌日、横浜港で彼女を出迎えたが、それが今のところ「現役の船」として動いている元青函連絡船の車両渡船を見た最後である。
写真は残っているがネガが発見できないのと、悪天候でまともな写真が残っていないので公表に耐えられるものではない。


JAPANESE DREAM
航路廃止のため引退した青函連絡船「十和田丸」を改造して作られた豪華客船。
神戸港を母港とし、神戸港〜横浜港間に定期便として就航した。
また一時期は定期航路を運休、日本一周クルーズ等にも使用されたこともある。
しかし神戸〜横浜間定期航路の利用者は低迷を続け、1992年1月にこの航路から引退。
後にフィリピンの観光業者に売却され、現在はセブ島に停泊しカジノ付きシップホテル「PHILLIPIN DREAM」として使用されている。
船として動く事はないが、エンジンも発電機も生きていて自力航行が可能とのことである。


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