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3.550番台
 国鉄が最後に北海道に投入した気動車特急がキハ183系500番台、この500番台は将来の130km/h運転の準備工事がされているだけでなく、貫通型先頭車に連続窓の新しい車体と、目玉としてハイデッカーグリーン車を連結するというモデルチェンジタイプだ。
 そして分割民営後の1988年、青函トンネル開通により函館特急「北斗」を充実するために増備されたのが、ここで紹介する550番台だ。500番台の車体を基本に、足回りはいつでも130km/h運転が可能なように強化されていた。車内では洗面台やトイレなどがグレードアップされていたが、外見は500番台とほぼ変わらなかった。なお550番台では製造されたのは普通車だけで、グリーン車は増備されていない。
 550番台車は登場当時は「北斗」に投入された。ただ編成丸ごと550番台という模型のような編成は見たことがなく、500番台の中に何両か混じっているという使われ方がされていた。だからこの模型写真のようなきれいな編成はなかったといって差し支え無いと思う。
 模型では1991年頃に550番台車ばかりのセットがトミックスから出ている。私は当時これを買ったが、ハイデッカーグリーン車を箱から抜くと、後は余った車両を今回は紹介を見送っている「スーパーとかち」に組み込んだりして使用していた。2000年代後半にトミックスが一部仕様を変更して再販、この時に散り散りになった旧セットの車両を集め(グリーン車を除く)、新製品と旧製品の混成で1991年頃の「北斗」多客時増結をイメージした編成を組んでいる。
 2016年、トミックスから500番台車販売予定がアナウンスされた。これの「おおぞら」編成が欲しいなー。500番台が最も輝いていた「おおぞら」編成は、模型で再現するのが困難だったから…。
青函トンネル開業と同時に、「北斗」スピードアップ対策として導入された550番台。この車両には都市間列車のイメージが強いんだよなー。
550番台を編成で撮影してみた。旧製品の550番台と混成で、繁忙期の増結編成を再現している。
500番台/550番台の華、ダブルデッカーグリーンのキロ182の500番台。
ハイデッキと大きな窓が特徴だが、雄大な北海道の景色が相手だと実感が…
我が家ではキロ182の500番台を2両持っている。もう1両は写真のように、0番台の国鉄特急色編成や国鉄新塗装編成に混ぜて楽しんでいる。ちなみにこれは、元々は1991年頃に購入した旧セットのもの。

4.5200番台「はこだてエクスプレス」
0番台と並ぶ5200番台「はこだてエクスプレス」
 国鉄時代から北海道では様々なリゾートトレインがあったが、1989年登場の「ニセコエクスプレス」からはこれらリゾートトレインもキハ183系として製造された。リゾートトレインはキハ183系でも5000番台の番号を名乗り、一般のキハ183系とは違う装いで活躍している。
 1992年に登場したのが、キハ183系5200番台である。当時はハイデッキ構造の車体を持つ3両編成として登場し、「北斗」を補完する臨時特急「はこだてエクスプレス」として運用された。その後1993年にダブルデッカー車を含む中間車2両が増備され、5両編成となっただけでなく「ノースレインボーエクスプレス」という名前をもらった。
 私はこの5200番台が登場した直後、1992年夏に「はこだてエクスプレス」としてこの車両に乗った。3両編成モノクラスの素朴な編成の特急が、北海道の最重要路線である函館本線をかっ飛ばすアンバランスさに驚いたものだ。ハイデッカーが大きな窓のリゾート列車なのに、走行路線が函館〜札幌ということもありビジネス客が多かった車内光景も不思議な光景だった。このアンバランスさが妙に印象に残っている。
 模型では2000年代にマイクロエースから販売している。2仕様が同時に発売され、ひとつは5両フル編成の「ノースレインボーエクスプレス」、もうひとつは登場時の3両編成「はこだてエクスプレス」であった。私は「ノースレインボーエクスプレス」には目もくれず、「はこだてエクスプレス」の方を購入。「はこだてエクスプレス」の方だけがしばらく売れ残っていたから予約までして買うことはなかったなーと思った。
 この模型も青春時代のあの頃を思い出す重要なアイテムとなっていて、たまに貸しレへ持って行っては走らせてニヤニヤしている。実は「ノースレインボーエクスプレス」とは先頭車の塗装が違うんだよね。私はこっちの3両編成の方が好きです。
橋梁を行く「はこだてエクスプレス」、事実上「北斗」の増発列車で、観光客があまり乗っていなかったのを思い出す。
3両編成というコンパクトな編成は素朴で好き、その後この車両にダブルデッカー車などが追加され、5両編成になった。
でも私は、このコンパクトな3両編成が好き。都市間特急としていささか物足りず、すぐ満席という列車だったが。
ローカルな景色を行く。こういう景色にもよく似合う列車だ。JR北海道が本当の意味で元気だったのは、この車両が出るまでだったなぁ。

4.1000番台「オランダ村特急」
九州のキハ183系 門司港と佐世保を結んでいた
 これまで北海道の特急列車を紹介していた、キハ183系が北海道の主力気動車特急だったから当たり前と言えば当たり前だが、今回最後に紹介するキハ183系は九州の地で活躍するキハ183系だ。その形式番台は1000番台、列車名は「オランダ村特急」だ。
 「オランダ村特急」は、長崎県にオープンしたテーマパーク「オランダ村」へのアクセス列車として1988年3月に運行開始した。当初は小倉〜佐世保間、後に始発駅を門司港に改めている。1989年には日本初の電車と気動車の協調運転システムを搭載し、門司港〜鳥栖間で485系で運行される電車特急「有明」と連結運行した。だが1992年にハウステンボスが開園すると、この観光輸送は485系による特急「ハウステンボス」に委ねられることとなり、「オランダ村」特急は廃止されてキハ183系は他路線に転用されることとなる。
 私がこのキハ183系1000番台に乗車したのは、「オランダ村特急」廃止の話を聞いた1992年1月だ。だがここでひとつアホな話をしなきゃならないのは、当時「キハ183系は北海道旅行で乗る」というルールを自分で自分に課していたため、北海道から飛行機と「ムーンライト九州」で九州入りして「オランダ村特急」のキハ183系に乗るというアホな行程を組んだ。若かったんだなー…だから私は、「北海道旅行」でしかキハ183系に乗っていないという記録と「キハ183系1000番台に乗った」という記録の双方を持っている。バカだ。
 模型では2000年代に破竹の勢いのマイクロエースから発売されている。記憶に間違いなければ登場時の「オランダ村特急」と「ゆふDX」の2仕様同時販売だったと思う。もちろん私が購入したのは乗車経験のある「オランダ村特急」て、その後「ゆふいんの森U」や「シーボルト」の仕様が出ても、実物以上に数が揃ってしまうという理由で見送り続けている。もうキハ183系1000番台の模型は買えないのだ。
 本当は真っ赤な485系を用意して「有明」との連結運転も再現したいんだけど、さすがにそれは実現していないなー。連結のさせ方は分かっているんだけど、赤い485系が販売されたときは予算的に購入が困難だったから…。
橋梁を渡る「オランダ村特急」、JRでは珍しい前面展望スタイルはバブルの申し子だ。
前面スタイルは「パノラマエクスプレスアルプス」にも準ずるところがある。
ローカル線な景色を行く。「オランダ村特急」は時代が過ぎると「ゆふいんの森U」「シーボルト」「ゆふDX」「あそぼ〜い」と姿を変え、現在はこの模型と全く違う姿で活躍している。

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