地球防衛事業部 4

・国連宇宙軍・恒星間航行用超弩級宇宙戦艦・識別番号 BBY−01「ヤマト」
・大ガミラス軍航宙艦隊・メルトリア級航宙巡洋戦艦・識別番号 EX−178

(バンダイ・「宇宙戦艦ヤマト2199」シリーズ プラモデル)

感動のあのシーンをもう一度!

(「石神井急行旅客鉄道」「あにめの記憶」共通企画)


1.はじめに
・「宇宙戦艦ヤマト2199」
 当サイトの「あにめの記憶」でも紹介したが、今年の4月から9月に掛けての半年間、1970年代を代表するアニメのひとつ「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク版である「宇宙戦艦ヤマト2199」が放映された。当サイトでもリアルタイム視聴で考察や感想を書いてきたことは「あにめの記憶」から来た方はご存じの通りだろう。
 そして旧作同様、本作でも様々な印象的な艦艇が登場し、これらの戦いが物語を作っていたのは確かだ。そしてこの物語の余韻を楽しむべく「プラモデル」という形で模型も発売された。
 もちろん、この「宇宙戦艦ヤマト2199」を全話通して見た私としては、この物語の模型で再現したいと考えていた。というか艦艇シーンでとても気に入ったシーンがあったので、プラモデルを買ってきて組み立ててその余韻を再現した。今回はその紹介である。

今回買ってきて組み立てたプラモデルの外箱

・「宇宙戦艦ヤマト2199」第10話
 本作の艦艇シーンで私が気に入り、模型として再現したシーンは第10話にある。
 敵艦との遭遇もなく、順調にイスカンダルへ向けてワープを繰り返していた「ヤマト」だったが、ある時のワープで「ヤマト」はワープに失敗して次元断層に落ち込んでしまう。その落ち込んだ先で「ヤマト」は敵であるガミラス艦に遭遇、敵艦は戦闘態勢に入ったので艦橋に緊張が走るが、敵艦は無線で「ヤマト」に呼びかけていた。そのガミラス艦の識別記号は「EX−178」、「ヤマト」と同じように次元断層に落ち込んでしまっていたのだ。「EX−178」から連絡員として赤い戦闘機で「ヤマト」を訪れたメルダ・ディッツ少尉は、「ヤマト」戦闘班長の古代に次元断層脱出のための提案を伝える。それは「ヤマト」の波動砲で次元断層を撃つという提案だった。
 だがこの状況では「ヤマト」はエネルギーの充填が出来ず、波動砲を使用することで「ヤマト」はエネルギーをほぼ使い果たし動けなくなることを意味していた。古代のこの指摘に対するメルダの返答に、物語を見ていた私は驚いた。「その心配はない。その後は我が艦が責任を持ってヤマトを曳航する」…。「EX−178」にとっては次元断層に突破口を作るために波動砲が、「ヤマト」にとっては波動砲発射後の推進力が必要であり、双方が協力しないと脱出出来ないという展開に驚き、その先の展開を手に汗握って視聴した。
 旧作にはなかった「ヤマト」とガミラス艦の協力シーンに、胸を高鳴らせて見入っていた。

2.2199版「ヤマト」
 シーン再現にどうしても必要なのは、主役艦である地球の「ヤマト」であることは言うまでも無いだろう。本作では「地球防衛軍」が国際連合に属する軍隊であることが明確に設定され、「国連宇宙軍」という軍隊に書き直されている。よって本ページのタイトルもこれに合わせてある。
 以前に旧作のヤマトについて模型を紹介しているので、今回は旧作と「2199版」の違いについて述べたい。全長が伸びるなど設定上の変更点はあるが、外観については大きな変化は無い。敢えて違いを捜すと、主甲板前方の自動航法室周辺の配置に若干の違いがある点だろう。「2199版」では主甲板上にロケットアンカーの揚錨設備を再現したために自動航法室が後方に寄り、自動航法室と第一主砲塔の間隔が狭くなっている。同時に「2199版」ではこの部分には甲板の手すりが設置されている点も目立つ違いだ。細かいところでは艦橋周辺に機銃類が追加されたことだろう。
 今回は絶賛発売中の1/1000スケールの「2199版ヤマト」を購入して組み立てた。基本的に艦隊などの塗装はしていないが、自分の解釈に沿った色差しはしている。艦橋回りの機銃類については銃身の先端と、後部のカタパルトに黒鉄色を差した程度だが…。それと今回は、第10話シーン再現用であり、該当のシーンでは「ヤマト」は主機も補機も停止しているため、この部分を黒鉄色に塗装して「機関停止」を表現した。波動砲発射口についても発射直後なので内部を黒鉄色に、奥のシャッター部分に銀色を差した。
 「2199版ヤマト」の1/1000プラモデルでは艦内の戦闘機格納スペースを再現しているが、今回はこの部分は組み立てていない。ただし艦内装飾の波動エンジン部分はちゃんと製作しており、「エンジンは艦艇の生命」と言うことで開けて見ることはない前提だがちゃんと塗装した。劇中シーンと比較して波動エンジンの色は「銅色」と解釈しているため、その通りに塗った。
完成した「2199版ヤマト」
全体的なディティールは旧作版と変わらないが、旧作との違いはちゃんと再現されている。
艦橋回りを見る
旧作になかった機銃はどれでしょう?
波動砲発射口の内部が解るカット
あれだけの強エネルギーが放出された直後だから、焼けているのが自然かと。
正面より見る
「2199」ではオープニングとガミラス星でこのシーンがあった。
 いやぁ、前に作った旧作のモデルもそうだったけど、外板なんか部品の継ぎ目が解らないくらいきれいだもんね。もうあまりにも美しすぎて我慢出来ず波動砲を撃っちゃったよ…(「2199版ヤマト」プラモのCM見てた人にしかわからないか…)。機銃類の所はややこしくて、作るのに時間掛かったなぁ。邪魔する奴を波動砲で撃ちkro(以下略)
 しかし、うちみたいにある意味「ジオラマ」的な使い方をするなら、艦内装飾なんかいらないからその分安くして欲しいなぁ。「オマケ」についてきた計34機の戦闘機も全く使い道がないし…。おまけの三段空母(旧作版)なんかどうすりゃいいの?
3.「メルトリア」級巡洋艦 EX−178
 シーン再現に必要なもう一隻は、「ヤマト」が異次元断層で出会ったガミラス艦「EX−178」である。この「EX−178」は識別番号で、最後まで艦名が解らなかったのでここではこう呼称したい。
 敵であるガミラスは地球と違い、「ヤマト」のような超光速恒星間航行用艦艇を数多く保有していて、様々なタイプが量産されている設定となっている。この「EX−178」はそれらのガミラス艦の中でも「メルトリア級」という形式の巡洋艦に分類される。劇中に出てくるガミラス艦の中でも、尖った艦首形状と「ヤマト」に似た三連装タイプの主砲が特徴の艦体だ。このタイプの巡洋艦は10月下旬に1/1000スケールのプラモデル発売が予告されていたので、今回のテーマである第10話シーン再現を計画したというのが正しいところだ。
 予約注文したら発売予定日よりも前に我が家に届いて驚いたのなんの…すぐに建造に取りかかった。こちらも「ヤマト」と同じで基本的に艦隊は未塗装で組み立てているが、艦首部だけは塗り分けを行った。各部の機銃部だけでなく、主砲の砲身についても個人的な解釈で塗り分けを行った。これは劇中に描かれた「EX−178」に見られないが、「ヤマト」より古くてここが焼けていてもおかしくないという独自の解釈を優先した。主砲身の根本の可動部についても、潤滑油などで汚れが早くても良いだろうという判断で色を差した。
 「EX−178」も「ヤマト」と同じように、後部に主機1台と補機2台が設置されている。本来はこの補機だけを稼働状態に再現すべきだが、あのピンク色が上手く再現出来る自身がなかったのでこちらでも停止状態を再現してしまった。よって機関はすべて黒鉄色に塗りつぶしている。
完成した「EX−178」艦
劇中ではもっと丸っこい形に見えたんだけどなー。
「EX−178」を後方から見る
意外に安定翼がでかいのね。
艦橋回りを後部から
ちょっとボケたけど、色差しに結構手をかけているのがお分かり頂けると…。
 気のせいか、こちらの方が出来が「ヤマト」以上だと思う。やはり後発の強みかな?
 ちなみにこれにも要らない「オマケ」がついて来る。ガミラス戦闘機が2機、一般塗装とメルダ専用機なのはいいけど、どうせなら艦艇と同じスケールにしてくれれば使い道があるのになぁ。だがもうひとつの「オマケ」は、フラーケンが繰る次元潜航艦「UX−01」というのは嬉しかった。「UX−01」って意外に小さかったのね。こちらも独自の解釈で色差しなどしているので、機会があれば紹介したい。
3.曳航シーン
 この2隻を用意して再現したかったのは、何と言っても「ヤマト」とガミラス艦の協力シーンである、「EX−178」が「ヤマト」を曳航するシーンである。このシーンは乗り物を他の私としては、「2199」全話の艦艇シーン中で最も「萌え〜」なシーンだった。
 ここでは、第10話の再現をして見たのでとくと見て欲しい。なお、各画像にカーソルを合わせると「牽引ビーム」が発射されるのでこれも見て頂きたい。「ビーム」の再現に散々悩んだ上に結論は出ず、このような再現法になったことをお許し頂きたい。
曳航シーンを前から見る
劇中ではもっと正面気味のカットが多かったと思う。しかし「牽引ビーム」という設定は凄いなぁ、光線でどうやって重量物を引っ張るんだろう?
斜め後ろ上方から見てみよう
こういう劇中ではなかった角度で見るのも模型での楽しみ。2隻の間隔はもっと長いのだけど、そうすると写真撮っても見えなくなっちゃうから。
後方から見る 右のシーンは劇中でもあったね
やっぱり「EX−178」の補機はピンク色に塗りたかったな。「ヤマト」のエンジンは停止状態。しかし「ヤマト」の中を見るために、開閉出来る部分の継ぎ目が痛い。
最後は真横から
うん、劇中ではもっと長いね。この距離だと「EX−178」は波動砲を避けきれない…。。
 やっぱり牽引シーンはいいね、そう思うのは鉄ヲタだからかな?
 本当は背景を「異次元」にして見たかったけど、背景を置くエリアがとてつもなく広くなるのでこれは諦めた。また飾り台を使わないと飾れないのも辛いなぁ。かと言って宙に浮かせておく訳にもいかないし。
 前述したが、もっとも悩んだのは「牽引ビーム」という光線の再現法である。蛍光色のプラ棒で再現などを想定したが、その長さがかなりあるのでどうしてもたわんでしまう。また着脱出来ないと飾らないときの対応出来ないので、色々と困っている。現在はこのように脳内補正してやるしかないのだ。
4.終わりに
 実はアニメ系の模型で、あるワンシーンを再現という試みはこれが初めてである。印象に残ったメカシーンをその通りに再現する面白さというのを身をもって体験し、ガンプラなどでジオラマ作成を楽しんでいる人の楽しさを少しだけ理解出来た。でもこのシーン、詳細なジオラマにするにしても背景画だけで済んでしまうんだよな。
 こうなってしまうと次は別のもやってみたいなー。今度は第15話の「ヤマト」と「ドメラーズ」の激突シーンかな? 七色星団の戦いへ向けてガミラスを出帆するドメル機動部隊というのもいいなー、でもこれをやろうとすると空母だけで3隻揃えなきゃならないのか。その前に「メルトリア級」のオマケである次元潜航艦の使い道を考えよう。ああ、ゲールの乗艦が欲しくなる…こうしてバンダイの思うつぼになるんだろうな。
国連宇宙軍・恒星間航行用超弩級宇宙戦艦・識別番号 BBY−01「ヤマト」
全長:333メートル
艦首波動砲:次元波動爆縮放射機(200サンチ口径)
主砲:48サンチ三連装陽電子衝撃砲塔×3
副砲:20サンチ三連装陽電子衝撃砲塔×2
その他:魚雷・ミサイル・対空機銃(パルスレーザー)
大ガミラス軍航宙艦隊・メルトリア級航宙巡洋戦艦・識別番号 EX−178
全長:283メートル
主砲(甲板上):330ミリ三連装陽電子カノン砲塔×2
主砲(両舷部):280ミリ三連装陽電子カノン砲×4
副砲:280ミリ三連装陽電子ビーム砲×2
その他:魚雷発射管×6・ミサイル・機銃類等
 
 
♪あーあー あーあーあ  ♪あーあー あーあーあー

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