最後の0系がいよいよ最後の旅へと出ようとする
はいじまの新幹線コーナー
走れ!超特急
さらば「夢の超特急」
〜夢と憧れをありがとう〜
ついに「その日」は来た。いつか来ることは分かっていたが、やはり「その日」が来たことを知ったときはショックであった。
思えば東海道新幹線から0系が姿を消して9年と3ヶ月もの月日が流れようとしていた。その間にも山陽新幹線の0系は少しずつ数を減らしていた、700系の投入で「ひかり」運用をあっという間に失い、さらに山陽新幹線の「こだま」運用も700系に追われた100系に変わり、少しずつ運用を減らしていたのだ。さらに東海道新幹線の高速化で0系そのものが大阪の車両基地への出入りが出来なくなり、いつしか新大阪駅でも0系の姿を見ることは少なくなっていた。
そして2007年、東海道・山陽新幹線の技術のの集大成とも言うべきN700系が満を持してのデビューを迎える。この最新型新幹線車両こそが0系の歴史の最後のページを開くことになったのだ。N700系投入によって余剰となったのはこれまで「世界最速」の地位をフランスTGVと分け合っていた500系であった。余った500系を「こだま」用に改造され、老朽化が進む0系を置き換えることに決まったのだ。皮肉にもTGV開業まで「世界最速」の名を欲しいままにしていた0系は、TGVから世界最速を取り戻した500系に最後の仕事を譲ることになったのだ。
2008年11月30日、0系は定期列車として「現役引退」となったが、最後まで0系を運行していたJR西日本の計らいでその後も臨時の「ひかり」に投入された。そして12月14日、ついにその最後まで運行された臨時「ひかり」の運用からも撤退することとなった。
0系最後の花道を飾る列車は新大阪駅14時56分発の9347A列車「ひかり」347号。0系最後の列車が「こだま」でなく「ひかり」にしてくれた事はJR西日本に心から御礼申し上げたい。
0系引退の報せを聞き、私は居ても立ってもいられずN700系を飛ばして新大阪駅へ向かった。今回はその報告としたい。