新幹線300系量産車惜別記事
 
2013年末、東海道新幹線の歴史の立役者がひっそりと人前から消えた
~さらば 私が最も愛した新幹線車両~

 1992年3月、東海道新幹線の速達列車として設定された「のぞみ」の運転開始と同時に、華々しくデビューしたのが300系であった。
 それからちょうど20年の時を経て、2012年3月に東海道・山陽新幹線という檜舞台から去った300系。その300系のうち、量産車がついに我々の前から姿を消すことになった。
 ついに私がこれまでに最も大好きだった新幹線車両が姿を消すのである。

 このサイトをご覧の方は、なぜ引退から1年半以上経った今頃になって、当サイトが300系惜別企画を組んだのか悩むところだろう。

 実は昨年3月の300系引退について、私も最終日に最終列車を追いかけるなどの行動を予定し、当サイトでもその結果を特集記事としてまとめる予定だった(あわよくば300系最終列車に乗ろうと、駅でマルスを叩いてもらったり、ネット予約などもしてみたがこれは全滅)。ところが300系最終日直前に親類に不幸があり、当日はどうしても動けなくなってしまうという不運に見舞われる。300系の最後を追うことができなくなり、当サイトでも300系引退時の記事は中止とすることにした。

 自分が最も大好きだった新幹線車両の最期を見ることはできなかったが、そんな私の心を慰める事実がひとつあった。これがJR東海が運営する鉄道博物館「リニア・鉄道館」に300系量産車のうち323-20号車が保存・展示されている事実であった。「名古屋まで足を伸ばせば走ることはないものの、いつでも300系量産車に逢える」…これを心の拠り所として300系の最期に立ち会えなかったことに納得し続けていた。
 だが、なかなか名古屋を訪れる機会にも恵まれず、「リニア・鉄道館」での300系との再会はずっと伸び伸びになっていた。

 ところが今年の初冬を迎え、今年最初の冷え込みが訪れた頃、そんな私を打ちのめすニュースが舞い込んできた。
 2014年1月に「リニア・鉄道館」の展示内容が一部変更されることになり、300系量産車323-20号車が展示品から除外されることになったのだ。しかも収蔵車両として残るのでなく、完全に博物館から撤去されるという、300系ファンにとってまさに「最悪の事態」を迎えることとなったのだ。

 このニュースに接し、私は「年内に大至急」という条件で名古屋へ行くこととし、「リニア・鉄道館」を訪れて300系量産車と最後の別れをすることとしたのだ。

 300系、この新幹線車両は私にとって最も思い出深く、今のところ最も乗った回数も乗った距離も多く、最も走りっぷりもよく、最も美しく、最も大好きな新幹線車両であった。
 東海道・山陽新幹線で最初の純粋な「非ボンネット流線型」スタイル。このスタイルは東海道・山陽新幹線では300系と500系だけのものであり、その後はエアロストリームスタイルという悪く言えば「下ぶくれ」の顔に変化してしまった。中でも300系量産車はスカート先端から両側面と屋根に向けて3面の曲線だけで構成されていて、単純で飾り気のないデザインと相まってとても美しい顔をしている(このスタイルとデザインは500系の対極にあると言って良い)。同じ300系でも試作車は台枠部分が膨らんでいて、このようなシャープな美しさはない。
 また個人的にも、ちょうど東京~大阪間で遠距離恋愛をしていた頃に毎月乗っていたため、乗った回数の多さや思い入れの強さでは他の車両を圧倒している。私にとってこれほどまで強く印象に残る新幹線車両は、もう現れないはずだ。
 こんな思い入れのある新幹線車両が、「博物館に置き場がない」というそれだけの理由で我々の前から姿を消すことになったのだ。しかも、現地で話を聞けば323-20号車の運命は「解体」だという。一度は博物館展示という安住の地を得ながらも、やはり解体されるという悲しい目をこの車両が受けることになったのだ。

 当サイトでは300系の「二度目の引退」を期に、「リニア・鉄道館」に展示されている323-20号車の最後の姿を紹介しよう。
 ・今回の企画では通常の写真展の他、3D写真展を用意しています。3D写真展をご覧になるためにはアナグリフ方式の3Dメガネ(いわゆる赤青メガネ)が必要です。

 ※アナグリフ式3Dメガネについては、下記サイトをご覧下さい。
 ・作り方
 アナグリフ用3Dメガネ(赤青メガネ)の作り方 FMV 3D Park - 富士通
 3Dメガネの作り方【青赤メガネ】アナグリフ方式|3Dニュース
 
 ・販売サイト
 Amazon.co.jp: アナグリフ 3Dメガネ
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 楽天市場:アナグリフ 3Dメガネ

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