2013年12月7日 「リニア・鉄道館」

 私が「リニア・鉄道館」を初めて訪れたのは、12月に入って最初の土曜日であった。旅行シーズンのオフではあるが、館内は多くの家族連れで賑わい、館内のあちこちで子供のはしゃぐ声が聞こえていた。私は午前9時に現地入りし、時間があったので「あおなみ線」に1往復乗ってから館内に立ち入った。
 メインホールに入ると、目の前に私の目当てである323-20号車がその身を横たえていた。
 館内のメインホールに「新幹線側」から入ると、本当に目の前に300系量産車が身を横たえている。
その迫力に感動したが、この感動は今回が最初で最後だ。
 323-20号車をじっくり見てみる。この前面をこの角度から見たのは、20年近く前に行った浜松工場のイベント以来だ。
 続いて反対側に回ってみた。スカートの先端から3面の曲線を描いて側面と屋根へと続くスタイルは、どの角度から見ても美しい。飾り気のないデザインも魅力的だ。
 先頭部のクローズアップ!
 左右ライトを結ぶ部分は、装飾ではなく塗装であることがこれを見るとよくわかる。
 一歩下がってみる。
 270km/hで空気を切り裂き続けたその姿は、どこから見ても美しい。0系や100系と言ったボンネットスタイルとはまた違う魅力がある。
 300系量産車のサイドビュー。運転席側面のガラスの形状が独特。前照灯は真横から見ると思ったより小さい。
 前頭部を斜め後ろから見てみる。ボンネットでない流線型は、東海道では300系と500系だけ。そして500系とは違うシンプルさがこの車両の美しさを作っていた。
 1号車のデッキと運転席入り口の編成番号。323-20号車はJ21編成の博多方先頭車であった。
 運転席窓の編成番号が、この車両の目印と言っても過言ではないだろう。
 車号と1号車後ろ側の客扉。一つ残念なのは座席表記が「自由席」であったこと。300系「のぞみ」はやっぱり「全車指定ののぞみ号」の記憶が…。
 車号は300系までは切り抜き文字だったけど、500系以降はやめちゃったんだよな…。
 車端部の表記、所属表記はJ21編成最後のものなのかな?
 19−11は最後の定期検査だろうか? 他の表記は現役時代は変わらないだけでなく、300系博多方先頭車共通だったはずだ。
 上記の反対側には所有者銘板と製造者銘板が。
 「東海旅客鉄道」は言うまでもないとして、製造者銘板にはJ21編成の「生まれ」の記録が記されている。この車両が誕生した頃、遠距離恋愛で300系「のぞみ」に毎月乗っていた。
 側面行き先表示、実は「リニア・鉄道館」から300系の側面行き先表示も見られなくなる。
 J1が残るとはいえ、保存されているのは東京方先頭車、側面の行き先表示が付いていないのだ。
 ちなみにJ1が博多方先頭車を保存とした理由を私は知っている。公表はできないけど。

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