2010年4月18日 東北本線金谷川〜南福島間
2010年春、新型の電気機関車が発表された。 その電気機関車はある意味「JRの歴史を変えた」ともいえるし、「ようやく出たか…」と出てきたのが遅かったと感じた人もあるかも知れない。ニュースを聞いた私の率直な感想は「長かった…」であった。 その電気機関車とはJR東日本のEF510-500型である。どれほど歴史的かというと、1987年の国鉄分割民営から23年にしてはじめて誕生した「JR旅客会社」が製造した電気機関車である。JRになってからも新型の電気機関車は何形式か出ているが、それらは全てJR貨物のものであり旅客列車を引っ張るために作られたものではなかった。 この新型機関車は2010年夏以降、上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」「カシオペア」の牽引にあてられるという。もちろんこの新型の電気機関車がこれらの寝台特急の先頭に立つ姿を早く見てみたいが、それと引き替えにここまで頑張ってきた国鉄以来の電気機関車は姿を消すことになる。もちろんこう聞くと黙っていられないのが鉄ヲタってやつだ。 こうして私はまず、新幹線400系最終運転の撮影で福島県まで行ったついでに、この国鉄時代の電気機関車EF81が牽引する寝台特急の姿を撮影しておこうと考えた。当初はこの1回だけで終わる予定だったが、いろいろあってその後3回ほ撮影をすることになった。このページではそのEF81の追いかけた記録を紹介したい。 まずは2010年4月18日、新幹線400系「つばさ」最終日の朝に撮影した記録から始める。 |
夜が明ける少し前に福島周辺でも有名な撮影地のひとつである南福島駅近くの上り線のカーブに来た。ここは東北本線が「たすき掛け」(※)による増線方式を採用し、上り線と下り線が大きく離れる地点である。その離れた上下線の間を新幹線の高架がぶち抜いているという日本でも珍しい場所だ。 この日は季節外れの大雪が降った翌日、まさかこの季節に雪景色の写真が撮れるなんて考えてもいなかった。 ※「たすき掛け」による増線…急勾配区間の単線区間を複線化する場合、後から新設する線を大回りさせる等して勾配を緩くして上り勾配方向の路線として使う増線方法。この時の線路を真横から見ると「たすきを掛けた」ように見えることから、こう呼ばれている。
その姿がいよいよカーブの向こうに見えるはずだ。私はデジカメの液晶画面の中にその赤いEF81の車体が現れるのを待った。 ところが…
ショックだった、やって来たEF81が私が大好きな「北斗星」塗装でなく「カシオペア」塗装だったのもショックだったが、それ以上にわざわざ福島県までやってきて、(ついでだったとは言え)標的だった列車で撮影の失敗をしたショックの方が強かった。しかもお天道様が「季節外れの大雪」という奇跡を前の日にくれたというのに、それを有効活用できんかった…。 これはリベンジをしなければならない。こうしてこの日だけのつもりだった「北斗星」「カシオペア」のEF81撮影は、今後複数日に渡ることになる。 もちろん、これだけではなくて他の列車も撮影しているからそれも紹介しよう。
以下2点は2010年4月28日、コレまでの写真と同じ場所で撮影。
そしてこんな悪条件、失敗しかあり得ない日にこんなことになったショックと、雨が酷かったこともあってこの日はこれだけ撮ったらすぐに愛車の中に飛び込んだ。
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