2010年4月27日 東北本線松川〜金谷川間

 2010年のゴールデンウイークがやってきた。私の会社は4月24日から12連休という、「アホか…」と言いたくなるような大盤振る舞いをしてきた。
 もちろん4月18日の「北斗星」撮影の悔しさから日が浅いこともあり、このリベンジをゴールデンウイーク恒例東北旅行に急遽組み込むことにした。連休後半は祝日が続くので高速道路等の混雑が予想され往復だけでたいへんな思いをすることは確実なのと、予算の都合から旅行日程は4日程度が限界であることを考えると、「北斗星」「カシオペア」撮影に使える朝は4月27・28・29日の3日間。うち「カシオペア」の運行がない28日朝を4月18日のリベンジに使うことにし、残りの2日は他の撮影地での撮影とした。
 そして4月26日に東京を出発、高速を使わずに福島県までやってきた。毎度お馴染みとなりつつある「道の駅安達」で車中泊し、これまた有名な高架橋の撮影ポイントまで来た。ちなみにここ、20年前に485系「つばさ」の撮影に訪れた場所だ。

 やはり朝一番は練習無しぶっつけ本番の「カシオペア」から始まる。本当は背後にきれいな山が見える場所なのだが、今回は天気が悪くてそれは見えない。従って遠景重視ではなく周辺の景色を強調した構図にした。
 「カシオペア」客車の大きさが分かるが、反対側から見たら「窓だらけ」でもっと迫力があったかも?
 4月18日と同じように、「カシオペア」を追うようにE721系の普通列車がやってくる。この高架橋に4両編成はちょっと短いかなぁ。
 4月18日はお目当ての「北斗星」塗装のEF81ではなかった上、しかもそのショックもあってシャッターチャンスでシャッターボタンを押せず、大失敗になったわけだが、今回はどうなるかと緊張した。
 でも嫌な予感はしてたんだよなー…
…やっぱり…

 今日も「北斗星」塗装ではなく、「カシオペア」塗装機による牽引だった。流石に一度これによるショックを経験すると、二度目は慣れてしまい冷静にシャッターを押せた。
 「カシオペア」塗装機が嫌いな訳じゃない、「北斗星」塗装機の方が好きなだけなんだ。それにこの青い客車には渋い赤が似合うのであって、この派手な電気機関車は似合わない。「カシオペア」機は「カシオペア」を牽くから美しいのだ。
 E721系がもう1本来るというのは4月18日の経験で分かっていたので、2枚目はちょっと構図を変えて車両中心にしてみた。
 最近の電車デザインの共通点なのだが、ヘッドライトやテールライトを上へ、しかもフロントガラスの内側に持ってくるのでどうも下側がスカスカした感じになってしまう。
 この電車もヘッドライトかテールライトがフロントガラスの下にあれば、もうちょっとかっこよくなったと思うのに…。
 4月18日と同じパターンで「金太郎」牽引の貨物列車がやってくる。今回はEH500でも初期型で、ライト周りの塗り分けが違う。
 以前は流行った「ブラックフェイス」デザインはもう流行らないようだ。
 「金太郎」の貨物列車も2本立て続けに来ることが分かっていたので、2本目は構図を変えた。
 こうして長大な貨物列車が編成丸ごと直線区間にきれいに収まる撮影地って実は少ない。私はどっちかというとカーブを上手く使った写真が好きなのだが、こういうのもたまにはいいと思う。
 同じ「金太郎」でも、前掲写真との違いは分かるだろうか?
 この日も1時間ほどこの場所で粘ってこの電車を待った。
 この701系という車両はロングシートと言うだけで多くの鉄ヲタの人たちから愛されないのだから可哀想だ。いや、だからといって哀れみの情で「この電車が好き」と声を大にして言っている訳じゃないのだが。
 2両でトコトコと走る姿も、ラッシュ時に6両編成で走る姿も、どっちも似合う電車なんだよね。
 この日は最後の701系を撮影したところで切り上げとなった。
 列車待ちしている間に怖かったのは、この撮影地の脇にある藪の中から、突然携帯電話の着メロの音が響いてきたことだ。正直冷や汗が出るほど驚き、誰かいるのかと思って耳を澄ませてみたが人がいる気配を感じない。静寂の藪中から携帯電話の着メロの音だけが響いてきたのだ。もちろん自分の携帯の音ではないことは言うまでもない。
 人の気配がないのに他人の携帯がすぐ近くで鳴っている…これはどういう事だろう? まさか魂が抜けた人がそこで寝ているんじゃないだろうなと頭に浮かんできてかなり不気味だった。あの着メロの音は何だったのか、その謎を解明しないまま目的の列車を全て撮影しこの地を後にしたけど、思い出すだけで不気味だ。
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