「はこね」7号の撮影は残念であったが、そのままそこにいてもどうしようもないので予定通り移動することにした。だがここでの移動はほんの数百メートル渋沢方向に動いただけである。そこは狭い峡谷を抜けた峠の近くに拡がる耕地を築堤で結んでいる区間である。峠に向かうほど人家が増えるという、普通とは逆の光景が広がるところだ。ここには先着の鉄道好きの方3名がいて、いろいろ語り合いながらの撮影となった。
 カメラを構えて何枚か撮ったけど、しばらくは大雨のせいでレンズが曇ったり水滴が付いたりでうまく写真が撮れなかった。やっと安定して撮れるようになった時には、LSE車で運行の「はこね」6号の時刻が迫っていた。
 ここでも4000形から始まる。この写真によって、この構図でロマンスカーの編成全体がファインダーに収まることが解った。
 続いて1000形の急行が峠へ登って行く。この頃になると雨も弱くなってきたが、まだ後の山には低い雲が垂れ込めてスッキリしない。
 「はこね」6号通過。
 やっぱり小田急ロマンスカーはこの色、と思える良い写真になった。編成全体がカーブに掛かって、連接車独特の曲がり具合がよくわかる。
 上記のLSE車を後追い撮影してみた。
 編成としては切れてしまったが、LSE車の特徴が良く出たとは思う。のっぺりした愛称板回りや、平板となっている展望室屋根など。
 この日、8000形も何度か来ているかどうも上手く撮れなかった。もう小田急では少数派になっているこの白い通勤電車も、今のうちに記録した方が良いかな?
 そして「はこね」8号HiSE車がやってきた。この写真も前と同じように前面が白く飛んでしまった。
 なんかHiSE車の写真、上手くいかないなー。次は失敗しないようにしなきゃ。
 直後に来たのはMSE車による「メトロはこね」、しかも10両フル編成なので新宿方も流線型だった。こっち側が流線型になる4両編成は1本しかないので、これも運が良かったのか?
 その後、峠から下りてきた急行電車を見て私は「あっ」と声が出そうだった。1000形の後に、二段窓の白い通勤電車がぶら下がっていたのだ。
 もう残り最後の1編成にまで数を減らし、今回の撮影行でも会えるかどうかは運次第であった。今回の撮影行は「運」には見放されていない、そう確信した。

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