2013年6月15日 東急電鉄 東横線 多摩川駅ほか 2013年3月16日、東京の鉄道網が大きく変化した。東急東横線渋谷駅が地下に移転し、2008年に池袋から渋谷まで開通していた地下鉄副都心線のレールと結ばれたのである。 これは地下鉄を介して西武池袋線や東武東上線と、東急東横線の線路がひとつに繋がったことを意味する。開業のその日からまるで堰を切ったかのように、西武や東武の車両が渋谷を超えて東横線の線路へと乗り入れ、東横線の車両も池袋を超えて西武池袋・東武東上の各線へ乗り入れを始めた。ここでも一昔前まで全く想像することができなかった列車の乗り入れ運転が実現したのである。 私としては、この計画段階から信じられない思いで一杯だった。少年の頃、山手線や渋谷までいってやっと乗れた東横線、その路線は親しい西武線とは雰囲気からして違い、たまにしか乗らない私にとっては「よそ行きの路線」のひとつであった。そして終着駅では西武線では絶対に味わうことのできない海の香りが漂い、短い路線とはいえ「旅」を感じさせてくれたものだ。そんな路線と、西武池袋線が繋がるという実感がどう考えても湧かなかったのだ。 そして6月半ば、仕事の都合で東横線沿線に出かけた私は、その乗り入れを目の当たりにしても全く実感が湧かなかった。目黒区のちょっとお洒落な住宅街を行く西武や東武の電車を見て、もう正直言って「何じゃこりゃ?」と言うしかなかったのである。武蔵小杉やら自由が丘といった駅で、上り電車の行き先が「小手指」「保谷」「川越市」などと聞かされた時はにわかに信じがたい気持ちだっった。そしてその帰り、自由が丘から乗った電車は「特急 飯能」ゆき、しかも西武6000系。黙ってそれに乗っていたら…本当に所沢まで連れて行かれてやっとその乗り入れが本当だと実感した。 そしてこの乗り入れを写真に収めようとずっと考えていたが、このたびカメラを買い換えた事もあって6月中旬以降にやっと実現の運びとなった。 今回の撮り鉄の目標は、「東横線を行く西武電車」。西武線の鉄路で見慣れた6000系、できれば初期のステンレス車が東横線を走る光景を是非とも写真に撮りたいと思っていたのだ。さらに被写体となる車両が、副都心線開業前に新宿線に所属していた6000系だったら…できれば新宿線での活躍が長い6107編成とか来てくれたら、新宿線派の私としては大万歳だ。 梅雨の合間の晴れ間が拡がる土曜日の午前、私は東急東横線の鉄路を目指した。
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