撮影地に到着したのは朝の8時40分頃、既に先着が1名いて三脚だけが置いてあった。私が愛車を停めたところには遠くの地名のナンバーをつけた自動車が停めてあって、車内には三脚の主と思われる人の姿があることも解った。私は撮影地点に立って構図を考えていると、その三脚の持ち主も現れて371系通過までの時間はいろいろ語り合いながら過ごすことになる。
 この日は秋の終わりを告げる雨に叩かれた。朝のうちは所々に雲の切れ目もあって、何度か空に掛かる虹を見ることも出来た。だが天候回復の兆しは全く無く、雨に叩かれながらの撮影を覚悟した。なんかここ数年、私かこの辺りで撮り鉄をすると必ずと言っていいほど雨だなぁ。
 構図をどうするか悩んでいる間に、御殿場から2両編成を二つつないだ4両編成の普通列車が降りてきた。現在、御殿場線のローカルはこの313系だが、2両とか3両とかパンタグラフの数とか細かい違いもあるようだ。
 こんなカットでどうでしょうか…?と頭の中で自問自答している間に、御殿場へ向けて下り普通列車が駆け上がって行く。今度は313系でも3両編成だ。
 この場所は紅葉もあって景色が素晴らしく、車両をアップで撮るのでなく風景全体を撮るような構図とした。模型的な写真になってくれると良いのだが…。
 下り普通列車が去るとすぐにMSE車の「あさぎり2号」が現れる。「あさぎり2号」の通過に合わせるかのように、雨が酷くなったのは「日頃の行い」のせいか?
 写真を見て頂くとどれだけ雨が酷かったかおわかり頂けると思う。小さいながらも強力な前照灯の光がレールを照らし出しているのも見える。
 地下鉄にも乗り入れる最も都会的なロマンスカーだが、こんな秘境的な光景にもよくなじんでいるから不思議。これが小田急のセンスなんだと思う。
 上写真の車両部分をアップして抜き出した。雨粒が沢山写っている。
 本当はこういう写真を撮ろうと思ったけど、ここからの風景の迫力に負けた。
 どっちかというと、MSE車はこっちの顔の方が好き。
 皮肉な事に「あさぎり2号」が通過してしばらくすると雨は小雨となり、雲の隙間から陽も差し込んできた。後ろ側に虹が架かっていた頃、次の上り列車が御殿場から降りてきた。
 よく見るとまた3両編成。この電車もけっこう絵になるなぁ。
 そしてこの頃にグループで撮影に来た人たちが加わって、周囲は急に賑やかになった。2グループほどいたようだ。
 ローカル線の割にはよく列車が来るなー。続いての下り列車は2両編成、しかもクモハ車はパンタグラフ2台を振りかざしている。
 山の中をのんびりとステンレスの短編成が行くのが、現在のローカル線の旅情なのかも知れない。
 115系だった頃が懐かしいなぁ。

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