2015年4月28日 津軽海峡線での「撮り鉄」(1)

 北海道に上陸した私は、海岸沿いの駐車帯に愛車を停めて津軽海峡の波音を聞きながらの睡眠となった。そして28日朝6時半に目を覚まし、この日の行動のために動き出した。
 上磯のコンビニで朝食につけるコーヒーを買い込んだだけで、そのまま最初の撮影地に向かった。
 目を覚まして最初に見たのが、朝の津軽海峡の景色だ。海の向こうにうっすらと函館山が見えるのが解るだろう。
 この海で青函連絡船が海峡の歴史を作ってきたんだ。その連絡船がなくなってから27年が経過し、来年は新たな歴史が刻まれることになる。
 最初の撮影地は江差線渡島当別駅のちょっと先にある「箱崎道踏切」、江差線の「定番」とも言える撮影地だ。
 踏切で撮影地はどっちだ?と辺りを見回していると、踏切が鳴動して函館へ向かう貨物列車が通過していった。
 朝の海峡を見下ろしながら長〜い貨物列車が江差線を行く。この景色は新幹線開業後も変わらない、津軽海峡の物流シーンとしてこれからも引き継がれる。
 踏切から平原を歩くこと約5分で有名な撮影地に到着だ。到着してカメラを出しただけの段階ですぐに青森方面行きの貨物列車が接近、慌てて撮影したらなんと牽引しているのは新型のEH800だった。もう営業運転に入っていたのね。
 青森方面行きの貨物が立て続けにやって来る。今度は来年にはここから姿を消す「金太郎」君が引っ張る貨物列車だ。
 しかし、海に少し霧が掛かっているせいで、海が白く飛んじゃうなぁ。でも朝の海という雰囲気は出せたと思う。本命もこの構図で行こう。
 すぐに函館方面行きの貨物列車だ。単線なのに本数が多く驚いたが、この後「スーパー白鳥」が1本行くとパッタリ途絶える。
 これも「金太郎」君だ。
 貨物が行くと落ち着く暇無く、函館行きの普通列車が過ぎる。北海道ではこのキハ40はバリバリの現役だ。
 でもこのキハ40、なんか物足りないと思ったら屋根上の水タンクがなくなっているのね。
 上記の普通列車が走り去ると、今度は逆方向木古内行きの普通列車だ。
 このキハ40も、江差線が三セク化されればここから姿を消すことになるだろう。
 朝一番の函館発青森行き特急「スーパー白鳥」14号が来た。この黄緑色の前面が迫力があって好きな車両だ。
 朝日が眩しい海峡を眺めながら、青森へ急ぐ。
 振り返って後撃ちも見事に決まった。テールランプがあの位置にあるのは去年まで気付かなかったここだけの話。
 さらに後撃ち。
 そしてこの列車通過をきっかけに、さっきまでの往来がウソのようにパタリと列車が来なくなる。やっと朝食を撮る余裕が出来た。

 次の特急まで他の撮影地を探す余裕も少ないし、朝食も取らねばならないのでこのままここで粘るにした。しかし、この青森行きの2本の「スーパー白鳥」の間に列車は1本もなし。「同じ場所で同じ車両を取るのだから、代わり映えのない写真を続けて撮ることになるなぁ」とため息をついた。

…だがサプライズはあった。

 カメラのファインダーに「スーパー白鳥」16号の姿が現れた瞬間、私は思わず声を上げた。
 やってきたのは「スーパー白鳥」の789系に混じって2両だけが増結用として活躍している785系だった。こいつが捕まれば…と思っていたら、2本目で捕まるとはなんたる幸運。撮影列車も限られているから無理かも知れないと思っていたけど…ここまで撮影に来て良かった。
 後撃ちはもうちょっとシャッターを早く押していれば、編成の向こうに785系がついているのが見えたのに…と後悔する写真になっちゃった…。
 「スーパー白鳥」14号を撮り終えたら、もう一箇所海が見える撮影地に移動してみたけど、海を絡めて撮ろうとするとどうも上手く撮れない。
 キハ40はこんな感じになったけど、海が見えない。しかも今度撮影する485系の「白鳥」は函館行きであってここでは後撃ちしか出来ない。散々悩んだ後、また「箱崎道踏切」へ戻るべく愛車を走らせていた。
 こうして撮ったのが485系の「白鳥」93号、津軽海峡の海を背景にした海の匂いのする写真にしたかったけど…どうでしょう?
 こうして最初の撮影地、渡島当別付近での撮影を終えて私は新幹線駅開業に沸く木古内町へと愛車を走らせた。この木古内でどうしても撮りたいカットの写真があるからだ。
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