2015年4月29日 函館港→4月30日津軽海峡渡航

 「ブルーマーメイド」と「ブルードルフィン」のすれ違いを記録した私は、同じ場所にそのまま留まっていた。すぐに今度は青函フェリーが目の前ですれ違いを演じてくれるはずだからである。そして前ページと同じく、片方は最新鋭船だ。
 「ブルードルフィン」の着岸が若干定刻より早く、しかもその後の青函フェリーが時間になっても現れない。
 その間にもどんどん日が落ちて行き撮影に影響ないかと冷や冷やしてくる。そして出発時刻を15分位回った頃、ようやく「はやぶさ」がスロースタンで私の視界に入ってきた。先ほどの「ブルーマーメイド」と同じように、彼女もその場回頭で港口に進路を取る。

 「はやぶさ」の背景に、「摩周丸」が写っているのもおわかり頂けるだろう。
 その場回頭を終えて港口に進路を取った「はやぶさ」。彼女は「ブルーマーメイド」の時と違い、中央の港口から青森を目指すようだ。
 こちらは「ブルーマーメイド」のような外観の華やかさはない、だが青函フェリーでは最も新しく、バリアフリー化された最新の客室設備を備えるという。明日乗るのが楽しみだ。
 港口の方に目をやると、中央の港口には青森から着いた「あさかぜ21」の姿があった。
 そして函館山をバックにしたすれ違いシーン。ストライプの色は違うが、こうしてみるとよく似た船だ。船主は違っても姉妹、同型船ってことなんだろう。
 今まさに港口を出ようとする「はやぶさ」、彼女が青森まで一往復した後、私が乗ることになる。楽しみにしているからね。
 「あさかぜ21」が私の前を過ぎ、船尾扉を私に見せる。日がかなり落ちてきて撮影ギリギリと状況となった。
 北埠頭のフェリーターミナルは目前、まもなく進路を左へ変えるが、最望遠でこれだから「あさかぜ21」のラストショットはこれと判断した。

 こうして函館港での「撮り船」を終えて、私は今旅行最後の北海道の夜を満喫することにする。函館山は霧の中なので中止にしたのは前述した通り、谷地頭温泉の湯に浸かり、ハセガワストアーの焼き鳥弁当を夕食とした。そして上陸初日に車中泊した場所へ愛車を移動させて車中泊で、この日は早めに就寝。
 30日は4時半の便に備えて、3時に起きて行動を開始した。この朝は車中泊地点だけでなく、フェリーターミナルは霧に包まれていた。

 フェリーターミナルに到着すると早速乗船手続き、これを済ませると乗船までしばらく時間があるのでカメラを持って着岸中の「はやぶさ」を撮影しようと考えた。
 未明の岸壁に身を横たえる「はやぶさ」、船の灯りがとても幻想的でもあり、未明の航海を前にした緊張感のある写真となった。
 しかし、「はやぶさ」が出港すると真っ白な霧に包まれてしまった。海は不気味なほど凪いでいて、まさに「鏡のよう」という状態。でも何も見えない、津軽海峡の景色も、すれ違う船達も…港口を交わしたときの堤防も見えなかった位の濃密な霧が、函館出港から青森着岸までずっと続いたのである。
 でも最新鋭だけあって、船の設備は快適だった。私は誰もいない二等椅子席にに陣取り、大きな窓から霧の海峡をずっと眺めていた。
 海峡の景色が霧に包まれたのは、北海道の大地が私に「また来い、次に来たときにこの景色を見せてやる」と言っているように感じた。この便のリベンジは必至だ。
 青森入港直前、青森は見えぬかと甲板に出てみたが真っ白で何も見えず。だけで真っ白な霧の中から突然、汽笛の音が聞こえた。
 音が聞こえた方向をよく見ると、そこには自分が乗っている船と同型と思われる船の姿があった。この航海ですれ違いを撮影したかった「あさかぜ5号」である。
 霧の中で何とか写真を撮ったが、こんな有様だ。写真にマウスを合わせると、去年撮った「あさかぜ5号」の写真に変わります。
 そして無事に青森港に到着。この写真を見ればどれだけ霧が濃かったかご理解頂けるだろう。霧でブリッジすらまともに見えない。
 今回の撮り納めは、隣の岸壁に身を横たえている海峡の女王「ブルーマーメイド」だ。これも霧の濃さが判る写真だ。
 今度は青森港で「ブルーマーメイド」の入港を見てみたいね。
 私は愛車を青森から弘前、鷹ノ巣、角館、大曲、横手、新庄、山形、米沢と走らせ、夕方に福島に着いて飯坂温泉の湯に浸かり、さらに国道4号線を南下して5月1日未明2時に自宅に帰り着いた。こうして、14年ぶりの完全プライベートな北海道旅行は終わりを告げた、また行きたいなー。
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