2017年12月9日 JR東日本 中央本線 長坂〜小淵沢ほか

 22年前に始めて多摩の地に住むようになってから、最もなじみがあるJR路線は中央線である。東京都心から多摩への足として通勤電車を利用すると、多摩を通り越して甲斐や信濃を目指す中長距離電車たちもおなじみの存在となっているのは言うまでもない。
 その甲斐や信濃を目指す電車達の中に、特急電車も含まれている。私が通勤電車を待っているときに一陣の風を残して通過して行く彼女たち、「あずさ」や「かいじ」の姿は見慣れたもので、その姿を特に写真で記録しようとしてきていなかった。
 ところが2017年になってJR東日本の発表は、新型特急電車E353系の開発とこれを中央本線「あずさ」「かいじ」への投入…そして数年内に既存の中央本線特急電車を全てこのE353系に置き換えるというものだった。
 中でも「あずさ」のエリート列車「スーパーあずさ」に専用されるE351系を先に置き換えるということだ。E351系はダイヤ改正を前にした2017年12月には運用の半分をE353系に譲り、2018年3月ダイヤ改正で全車引退するという。こういう話を聞くと現金なもので、これまで写真を残してこなかった中央本線の特急電車たちを記録に残そうと動き出すことになったのだ。
 この撮り鉄日記は、2017年年末に中央本線で特急「あずさ」を追いかけた記録である。

 「あずさ」「かいじ」には現在2形式の電車が定期運用されている。
 まずはエリート列車「スーパーあずさ」専用のE351系、これは1993年末から運行を開始したJR東日本唯一の振り子式電車である。カーブで車体を傾ける振り子式の採用により所要時間の短縮を実現し、デビューから一貫して「あずさ」の速達便に運用され1994年から列車名を「スーパーあずさ」として区別している。私はこのE351系に二度ほど乗っていて、最初は1995年春に所用で名古屋へ行く際に「スーパーあずさ」「しなの」乗り継ぎルートを選んだために乗車。二度目は2015年末に仕事で大阪へ行った帰り、仕事の翌日が祝日だったのでこの日を利用して大阪から「しなの」「スーパーあずさ」乗り継ぎの旅を愉しんだ。これとは別に通勤ライナーである「中央ライナー」での利用が1回だけある。
 そしてもう1形式はE257系、2001年か運行を開始した中央本線の汎用タイプの特急電車でE351系が運用されない「あずさ」と「かいじ」に運用される。この車両は「中央ライナー」「青梅ライナー」での利用が多く、もう何度乗ったか数えていない。「あずさ」「かいじ」での利用も、東京駅発着便における東京〜立川間の利用ばかりで、これも何度乗ったか覚えていない。仕事の都合で一度だけ、甲府から大月まで「かいじ」の利用経験がある以外はこの車両で東京都から出たことがないのだ。



 「スーパーあずさ」の一部E353系置き換えは12月23日、かなり慌てて12月に入ってから行動を開始した。冬場で光線状態も難しいので、主に午前中に撮り鉄活動をすることにした。
 今回は「ターゲット」の紹介無しでいきなり撮影地に立った記録からスタートである。

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