・LGV:Marseille-Avignon Route
 フランス国鉄・LGV地中海線:Marseille Saint-Charles(マルセイユ サンシャルル)~Avignon(アヴィニョン)

LGV(高速新線)を行く「TGV Duplex」

・収録車両
 TGV Duplex (二階建て高速車両)

・購入済みアドオン車両
 (現在のところアドオンはなし)

・経由地
 Marseille Saint-Charles(マルセイユ サンシャルル)~Aix-en-Provence(エクサンプロヴァンス)~Avignon(アヴィニョン)
※ Aix-en-Provence と Avignon はTGV専用駅のみ再現



 「Train Simulator 2016」のSteam公式DLCに、待望のLGVが加わった。LGVとはフランス国鉄が誇る高速列車TGVが走る高速新線…日本流に言えば新幹線である。
 パリを中心にフランス各地に路線を広げるLGVの中でも、今回再現されたのはパリからリヨンを経て、地中海に面したフランス最大の港湾都市であるマルセイユを目指すLGV地中海線。その末端部であるアヴィニョンから終点のマルセイユまでの約105kmである。ここでは話を解りやすくするため、終点のマルセイユ側から路線概要などを紹介することにする。


 LGV地中海線の終点は、前述したようにフランス最大の港湾都市であるマルセイユだ。人口85万を数える大都市であり、地中海の海岸線は入り江が多く美しい海岸線で有名だ。港の沖には流刑島だったシャトーディフ、内陸の丘の上には教会があるなど観光都市としても知られている。その市街にあるマルセイユ サンシャルル駅から本マップでの旅が始まる。

 マルセイユ サンシャルル駅は在来線の駅で、ヨーロッパらしい頭端式ホームの終着駅だ。ここを出たTGV列車はしばらくマルセイユ市街の在来線を走行するが、数キロ走ったところでLGV(高速新線)に入って在来線と分岐する。LGVに入ったと思うと全長7834メートルのマルセイユトンネルで、マルセイユの郊外に広がる街を一気にくぐり抜ける。トンネルを抜けるとエクサンプロヴァンス駅だが、ここは市街地から離れた丘陵地にある小駅だ。日本の新幹線の小駅と同じように、上下線に設置された待避線にホームが設置されている。エクサンプロヴァンスは音楽や芸術の街として知られる人口約14万の街だが、前述したようにLGVはこの市街地からかなり離れた所を通っているので、街の賑わいは解らない。

 ここからは短いトンネルと緩いカーブで丘陵を縫うように走る、沿線風景は岩山や草原や農耕地などとめまぐるしく変わるが、全体的に同じような景色の繰り返しでゲーム性は低いかも知れない。だけど勾配の変化が激しく、勾配そのものも20‰程度あるから一定速度で走るのは意外に難しい。
 やがて右手から広い河原を持ったデュランス川という川が並行するようになる。この川の流れに沿ってしばらく行くと河原に広がる平原の中に本マップの終点であるアヴィニョン駅に到着する。この駅も高速新線の小駅であり、エクサンプロヴァンス駅と同じく上下本線と待避線、待避線にホームが設置されている単純な駅である。
 LGVのアヴィニョン駅も市街地から南に離れたところにあり、街の賑わいは列車に乗っているだけでは窺い知ることは出来ない。人口約9万人の都市だ。

 車両はTGVの中でもダブルデッカー車として有名な「TGV Duplex」が標準装備されている。
 1981年にパリ~リヨン間で開業したTGVが順調に利用客を増やしたことで、車両定員が不足する事態に陥った。この時は信号システムを改良することで列車運行間隔を縮め、列車本数を増やすことで事態の収拾を図ろうとした。だがLGVがリヨンから南へ延びることとなるとこれでも抜本的解決にはならず、1980年代後半から二階建て車両の導入に向けて研究が行われたとされる。この時代は日本でも二階建て新幹線100系が登場していて、日本人の私が見ればこれが参考にされたのではないかとどうしても考えてしまう。
 1990年に試作車が登場、各種試験が行われた結果を受けて1995年に編成での試作車を製作するに至る。そして1995年に量産にこぎ着けて、「TGV Duplex」と名付けられて営業運転を開始した。
 「TGV Duplex」の特徴は、なんと言っても客車を全部二階建てにした構造だ。これによって定員が約1.4倍に増え、TGVの輸送力不足を解消した。
 編成は10両編成、両端が動力車で中間車は全て連接客車というTGVの特徴を受け継いでいる。中間車のうち3両が1等車、4両が2等車、1両がバー車である。日本の二階建て車両と違うのは、編成を貫通する通路が全て2階に設けられ、1階は上下車のためのデッキと行き止まりの客室となっている。本シミュレータでもこの車内構造はキチンと再現されている。
 最高速度は320km/h、本マップのLGV区間の中ではエクサンプロヴァンス駅とアヴィニョン駅の間で320km/h走行が可能である。

 本マップの唯一で最大の欠点は、再現されている路線が短いことだろう。最高速度320km/hで路線が105kmしかないのだから、片道30~40程度で全線完走できてしまう。さすがにパリやリヨンまで再現しろとは言わないが、もう一駅先くらいまで再現して欲しかったなー。


・世界の車窓から
 
マルセイユ サンシャルル駅に入線する列車を乗客目線で見てみた。TGVには日本の新幹線と違うかっこよさがある。
マルセイユ サンシャルル駅は在来線駅にTGVが乗り入れるかたちだ。ポイントで二階建ての巨体をうねらせながら走るのは、ゲームであっても圧巻の風景だ。
マルセイユ サンシャルル駅で発車を待つTGV。終端駅だけあって広い構内を持つ。
マルセイユ サンシャルル駅のホームからダブルデッカーの車体を見上げる。これがフランス高速鉄道の旅情だと思う。
マルセイユ サンシャルル駅を発車すると、しばらくは在来線を走る。これがヨーロッパの新幹線の特徴だ。
在来線の緩いカーブを行く、先頭の電動車はダブルデッカー車の車体に合わせて屋根が高くされているのが解る。
マルセイユの市街地を行く、斜面に沿って広がる街が港町らしい。
在来線と分かれてLGV(高速新線)に入ると、いきなり長大トンネルだ。このトンネルでマルセイユ郊外の都市部を一気にくぐり抜ける。
トンネルを抜けるとエクサンプロヴァンス駅を通過、するとこんな大陸的な風景が広がってくる。農耕地帯はこんな感じ。
こちらは森林風景、アップダウンと短いトンネルと緩いカーブを繰り返して、こんな感じで丘陵地帯を縫うように320km/hで走る。
広い河原を持つ川が近付き、併走するようになるとアヴィニョン駅が近い証拠だ。
アヴィニョン駅に到着、変わった形の駅舎もキチンと再現され、後に少しだけ見えている。
典型的な「新幹線の小駅」という感じの駅だ。
ここからは「TGV Duplex」の車内を見てみよう。
これは1等車の二階席、ドーム天井が印象的だ。
客室視点はこの1等車二階席になっている。
テーブルについているこのランプは、TGV1等車の旅情なんだとか…。
これは1等車の1階席、天井が低くて圧迫感があることも上手く再現されている。
これは2等車の1階席、1等車も含めた話だが、ヨーロッパの優等列車の座席は回転しない固定クロスシートが基本だ。座り心地の面から回転しない方が正しいと思うが、几帳面な日本人には座席が前を向く方が人気がある。
2等車の2階席、座席ピッチは1等車と同じで、座席の横幅だけが違うのだろう。
編成中間にあるバー車の車内。日本で言えばビュフェ車といったところで、立席形式の軽食堂だ。
バーは2階にあり、1階は機器室だ。
「TGV Duplex」をロンドン・セントパンクラス駅に入れてみた。London-Favershamルートと信号システムが同じなので、こんな事が可能だ。
もちろん、逆にイギリスのClass395を本マップで走らせることも可能だが、その場合は最高速度220km/hとなる。
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