・LGV : Rhône-Alpes & Méditerranée : Lyon – Marseille
フランス国鉄・LGVローヌ・アルプ線&LGV地中海線:Lyon Part-Dieu(リヨン・パール=ディユー)~Marseille Saint-Charles(マルセイユ
サンシャルル)
アヴィニョン駅から北へ リヨンを目指す「TGV Duplex」 |
・収録車両
TGV Duplex (二階建て高速車両)
・購入済みアドオン車両
TGV Réseau & TGV Réseau Duplex
・経由地
Lyon Part-Dieu(リヨン・パール=ディユー)~Lyon Airport TGV(リヨン空港)~Valence TGV(ヴァランス)~Avignon
TGV(アヴィニョン)~Marseille Saint-Charles(マルセイユ サンシャルル)
「Train Simulator」のSteam公式DLCとして、フランス国鉄が誇る高速列車TGVが走る高速新線LGV-日本流に言えば新幹線-として「LGV:Marseille-Avignon Route」を以前紹介した。このマップではLGV地中海線の末端区間であるアヴィニョンからマルセイユまでが再現されていたが、このたび本マップの拡張用DLCがSteamからリリースされたので紹介しよう。
パリからから地中海に面したフランス最大の港湾都市であるマルセイユを目指す目的のLGV地中海線であるが。このルートはパリからリヨンまでのLGV南東線、リヨンからヴァランスまでのLGVローヌ・アルプ線、そしてヴァランスからマルセイユまでの地中海線という路線に分かれている。本DLCを追加すると地中海線のアヴィニョンから北の区間が全線再現されるようになるだけでなく、さらにLGVローヌ・アルプ線も全線再現されてリヨン~マルセイユ間の約300kmが再現されるようになる。
今回拡張された路線の起点はリヨン、近郊も含めた人口は160万を数えるフランス第二の大都市であることは説明するまでもないはずだ。ここからリヨンの市街地とその近郊を在来線で走り抜け、しばらく行ったところでLGVと合流する。本マップではLGVを少し逆方向へ戻ったところにあるリヨン空港駅が再現されている。リヨン空港経由のLGVは、パリ方面から来たTGVがリヨン市街を迂回するバイパス路線だ。
LGVに入ると路線はひたすら丘陵地を行く。この区間は日本の山岳地のような険しさはないが、300km/hで高速走行していると、波のように連なる丘陵地をアップダウンを繰り返しながらひとつずつ超えて行く様子がよく分かる。丘陵をくぐるトンネルはそんなに長くなく、まるでジェットコースターのようだ。
その丘陵地をしばらく行くとヴァランス駅だ。ここは駅の構造自体は単なる高速列車の中間駅だが、路線名がLGVローヌ・アルプ線からLGV地中海線に変わる駅だ。ヴァランス駅を過ぎて路線名が変わったからといって何かが変わるようなことはなく、列車は相変わらず丘陵地を進む。
ヴァランス駅から次にアヴィニョン駅までは100km以上もの駅間距離があり、ここはプレイしていて多少退屈な区間でもある。駅間の途中で丘陵地は途切れ、ひたすら大平原を突き進む車窓風景に変化する。そのフランスの平原にある農村の様子や、たまに渡る川の景色が退屈なプレイを癒やしてくれる。
やがて列車は岩石がむき出しの丘陵をひとつ越えると、立派な高架橋で大きな川を渡る。するとアヴィニョン駅に到着する。ここからは「LGV:Marseille-Avignon Route」で紹介済みだ。
車両は以前と同様にTGVのダブルデッカー車「TGV Duplex」であるが、本DLCを追加すると新塗装である「Carmillon」塗装が追加される。新旧塗装併結の重連運行も可能で、LGV地中海線でも車両のバリエーションが楽しめるようになった。
そして車両については別売DLCとして「TGV Réseau」も用意されている。これは1988年から製造が始まった「TGV Atlantique」をベースにベルギーやイタリアの電化方式にも対応した改良版である。中間車の車体は初期のTGVらしい低床の連接構造で、客室はトンネル走行に備えて気密構造になっている。
この「TGV Réseau」は旧塗装と「Carmillon」塗装の二種類だけでなく、先頭の動力車は「TGV Réseau」で中間車がダブルデッカーの「TGV
Duplex」という「TGV Réseau Duplex」も用意されている。
これは2007年のLGV東ヨーロッパ線開業の際、この路線は需要が低く見積もられたため、一部の車両は先頭動力車だけを製造して中間車は「TGV
Réseau」編成から転用されることになった。これによって「TGV Réseau」の先頭動力車のみが余剰になったため、「TGV Duplex」の中間車のみを製造して余剰の「TGV
Réseau」の先頭動力車と組み合わせてダブルデッカー編成を組成したのが「TGV Réseau Duplex」だ。こうすることで需要の低い新路線の新車投入と、需要の高い既存路線の輸送力増強を必要最小限の車輌製造で実行できた。
このDLCの発売によって、「LGV:Marseille-Avignon Route」の唯一で最大の欠点であった「再現されている路線が短い」という欠点が解消された。以前の記事で書いた「さすがにパリやリヨンまで再現しろとは言わないが、もう一駅先くらいまで再現して欲しかった」という願いが叶ったのだ。その上で別売車両の追加で車両バリエーションも増え、これまで短い路線で1種類の車両しか再現されていなかったマップが突如華やかになってご機嫌だ。
以下、新しい区間と車両をアルバム形式で紹介しよう。
・プレイ動画
フランス TGVで大爆走!(約108分) ※ 2020年6月14日公開 |
・世界の車窓から
|
本DLCによる延長区間を行く「TGV Duplex」、路線はアヴィニョンから北へ、一気にリヨンまで到達した。 |
その沿線風景は、このような平原や丘陵地が大半を占める。大陸的な光景で日本とはかなり雰囲気が違う。 |
|
|
大きな川をアーチトラスで渡る。大陸の川はこんなゆったりした流れが多いのだろうか? |
ヴァランス駅を中心とした区間では丘陵地をいくつも超える。
このように、二階建て高速車両がトンネルから抜け出るシーンは印象的だ。 |
|
|
ここはヴァランス駅、LGV地中海線とLGVローヌ・アルプ線の結節点…といってもごく普通の「高速鉄道の中間駅」だ。
在来線ホームはLGVを乗り越す形で上にある。 |
これはリヨン空港駅のワンシーン。駅の天井が高く、デザインにもとても気を遣っているのがヨーロッパ駅らしい。 |
|
|
リヨン空港駅の全景を空撮視点で見る。こんなオシャレなデザインの駅は、日本でも少しずつ増えてきた。 |
リヨン空港駅に入らない列車は、LGVから逸れて在来線に入って、リヨン郊外の住宅街を抜ける。 |
|
|
そしてここがリヨンの市街地にあるリヨン・パール=ディユー駅だ。5面のホームに11本の線路を持つ、中間型ターミナルだ。
寂しいのは、フランスの在来線車両の再現がないので、駅に他列車が来ないことだ。 |
車両は前作同様「TGV Duplex」だが、今回は色違いの二種類が用意されている。
左が今回追加された「Carmillon」塗装だ。 |
|
|
「Carmillon」塗装は、白を基調としたこれまでのTGVとは全く違う新しいデザインだ。 |
LGVを行く「Carmillon」塗装車、色違いの車両が出てくれたことで、本路線で遊ぶ幅が広がった。 |
|
|
ここからは別売DLCとなる「TGV Réseau」を紹介しよう。
初代のTGVにソックリな車両だが、色だけでなくその性能は大きく違う。 |
中間車の客車は低床の連接構造で、「これぞTGV」という感じの車両がやっと出てくれた。 |
|
|
大きな川を渡る「TGV Réseau」。
この流れるような車体が、フランスの高速列車の旅情と言えるだろう。 |
「TGV Réseau」の車内を紹介しよう。
これは二等車の車内。赤を基調とした派手なシートが、TGV名物の「集団見合い形」という配置で並ぶ。
「集団見合い形」という座席配置は、日本では京浜急行2000形でかつて採用されていた。 |
|
|
これは編成のど真ん中にあるバーの様子。「TGV Réseau」では専用車でなく、二等車との合造構造なので、ちょっと狭い。 |
バーのメニューまで再現されていて驚いた。
こういう楽しそうな車両は、もう日本では絶滅している。
こういう設備が、フランスで採算が取れているとは思えない。 |
|
|
これは一等車、幅が広いリクライニングシートが、やはり「集団見合い形」で配置されている。
「TGV Réseau」の車内は、低重心故に天井が低く、また窓の外を見たときの視線も低い。小田急電鉄のSE車を思い出させる。 |
「TGV Réseau」にもく「Carmillon」塗装が用意されている。前の塗装の方が好きだが、そちらが古くさくなっているのは認める。 |
|
|
こちらも色違いの重連運行が可能なようなので、一度色違いを混ぜ混ぜして遊びたいね。 |
そして、最後に出てきたのが「TGV Réseau Duplex」だ。
「TGV Réseau」の先頭動力車と、「TGV Duplex」の中間車を組み合わせた編成だ。よく見ると塗装だけでなく、先頭車の屋根上カバーが「TGV
Réseau」と違う。 |
|
|
「TGV Réseau Duplex」が平原を行く。こうして本ゲームのTGVも多彩な車両で楽しめるようになって、嬉しい限りだ。 |
|