・Munich - Garmisch-Partenkirchen Route
 ドイツ鉄道 Munich(ミュンヘン)~Garmisch-Partenkirchen(ガルミッシュ-パルテンキルヘン)

アルプスを眺めながら山峡を行く客車列車

・収録車両
 DB BR 426 EMU(ドイツ鉄道 426型通勤電車)
 

・購入済みアドオン車両
 DB BR 411 'ICE-T' EMU(ドイツ鉄道 411型特急電車「ICE-T」)
 DB BR 442 'Talent 2' EMU(ドイツ鉄道 442型通勤電車「Talent 2」)


・経由地
 München Hauptbahnhof(ミュンヘン中央)~Pasing(パージング)~Starnberg(シュタルン ベルク)~Tutzing(トゥッツィング)~Weilheim (Oberbay)(ヴァイルハイム)~Murnau(ムルナウ)~Garmisch-Partenkirchen(ガルミッシュ-パルテンキルヘン)



 ドイツ南部のバイエルン州、その南部にはアルプスが控え、スイスやオーストリアと境を接する州だ。今回紹介の路線はバイエルン州と隣国オーストリアのインスブルックを結ぶ路線のドイツ国内区間となる、バイエルン州都ミュンヘンからアルプスの麓であるガルミッシュ-パルテンキルヘンまでの約100kmの区間だ。

 起点都市のミュンヘンはドイツ南部で最大の都市で人口130万を数え、ドイツの中でもベルリン・ハンブルグに次ぐ3番目の都市だ。ちなみに日本の札幌市が姉妹提携都市である。
 この大都市の中央部にあるミュンヘン中央駅が今回紹介のマップの起点である。ミュンヘン中央駅はヨーロッパの大ターミナル駅では典型的な頭端式ホームで、32線ものホームを備えた巨大なターミナルだ。本マップではこの巨大ターミナル駅が細部まで再現されているのが興味深い。
 ミュンヘン中央駅を出た列車は、各地へ向かう沢山の線路と共にまず東へ向かう。中長距離列車が最初に停車する駅はパーシング駅、ここでフランクフルトへの路線等を分岐すると本路線は複々線となって南へ進路を取る。しばらくは通勤電車のSバーン用の路線を緩行線とした複々線だが、これもすぐに複線になると列車は小さな峠越えに掛かる。峠を越えると前方に巨大な湖、ドイツで4番目に大きいシュタルンベルク湖が広がると湖の畔にあるシュタルンベルク駅だ。
 ここからはしばらくシュタルンベルク湖に沿うが、湖面が見えることは殆どない。線路は湖から離れた小高い地形の部分を通るからだ。再び小さな峠を越えるとまた湖畔に降りてゆき、シュタルンベルク湖を望むトゥッツィング駅に到着する。ここで湖沿い東へ向かう路線と分かれると複線だった路線は単線になり、列車は湖から離れて大平原に広がる農村風景の中を走るようになる。
 次の主要駅はヴァイルハイム駅、人口約2万の宗教都市ヴァイルハイム・イン・オーバーバイエルンの中心部だ。ここで他路線と分岐・合流しながら列車はさらに南を目指す。沿線風景は相変わらず大平原に広がる農村が続く。
 同じような風景に退屈してくる頃に、列車はムルナウ駅に到着する。ここでも他路線の分岐があり列車はさらに南を目指すが、駅を出ると急な下り勾配でロイザッハ川が作る低地へと下って行く。勾配を下りきったところでロイザッハ川を渡ると、いよいよ前方にアルプスの山並みが見えてくる。と同時にこれまでの平原風景は一転して、ロイザッハ川が作る山峡へと進んで行く。このロイザッハ川に寄り添って標高を上げて行くこの区間は、山峡ののどかな田舎風景が広がる風光明媚な景色で、この路線をプレイしていて最も楽しい区間だ。
 最初は中堅河川の装いを見せていたロイザッハ川も、進むとどんどん細くなって行く。この川を何度も渡りながら前方のアルプスを仰ぎ見るように進むと、列車は終点のガルミッシュ-パルテンキルヘン駅に到着する。
 ガルミッシュ-パルテンキルヘンは人口約2万5千の観光都市だ。標高が約700メートルと高いこともあってスキーなどのウインタースポーツが活発な都市であり、戦前の1935年に冬季五輪が開催されたことでも知られる。この街は冬季五輪開催に辺り、五輪開催規定を満たすためにガルミッシュとパルテンキルヘンというふたつの街が合併したことで生まれたとのことだ。
 またこの街からはアルプスの登山鉄道のひとつであるバイエルン・ツークシュピッツ鉄道が分岐している。この登山鉄道は軌間1000ミリ・最急勾配250パーミルのラックレール式鉄道で、標高約2600メートルのツークシュピッツプラット駅(ツークシュピッツ山)まで登ることが出来る。出来ればこの登山鉄道を本ゲームで再現して欲しいけどなー。
 そして、本路線はガルミッシュ-パルテンキルヘン駅からさらに南へと伸びていて、国境を越えてオーストリアのインスブルックまで続いている。この路線の続きは「Mittenwaldbahn:Garmisch-Partenkirchen - Innsbruck Route」で愉しむことが出来る。

 車両はドイツ鉄道426型通勤電車が標準装備、でもこれだけでは面白くないのでドイツの他の車両を色々と走らせて楽しんでいる。422型「Talent」は本マップのオプションとして公式にうたわれていてインストールすると本マップ用のシナリオも追加される。また特急電車ICE-Tにも本マップ用のシナリオが用意されている。

 本マップは「Train Simulator 2015」時代には標準でインストールされる路線だったが、現在は別売DLCとなっている。よって本マップを所有されている方も多いと思うが、ここは敢えて私なりの視点でこの路線を紹介しようと感じて、このようなかたちにまとめてみた。
 この路線、亜幹線の雰囲気がよく出ていてプレイしてみて本当に面白いんですよ。日本で言えば信越本線っていったところかな…。

 では、以下に本マップのスクショをアルバム形式でごらん戴こう。


・世界の車窓から
 
本路線の起点、ミュンヘン中央駅を俯瞰で見てみる。ホームが30以上、今回はキャプ画を入れてないが、Sバーン用の地下ホームまで用意されている。
ミュンヘン中央駅のコンコース、売店の様子などがいい味出してる。もっっと人がいればいいけど…そしたら重くなってダメか。
そしてミュンヘン中央駅に集うドイツの高速列車たち。左側の2列車がドイツの高速列車「ICE-2」、右の1列車が今回紹介に使う「ICE-T」、主に在来線で使用される特急電車だ。
では「ICE-T」に乗ってアルプスへ向かう鉄道の旅に出よう。
ミュンヘン中央駅を出発。30本以上のホームから、複雑に線路が絡み合っていて何が何だか解らない。でも次の駅ではキチンとガルミッシュ方面へ進路を取っている。
このように同時発車で併走する列車を眺めて楽しむことも出来る。「ICE-2」が走るあちらの路線は「Munich-Augsburg Route Add-On」で再現されている。
ここで今回乗車している「ICE-T」の車内の紹介だ。
これは一等車の一般客室、ソファのようなゆったりしたシートの座席と、コンパートメントからなる。
そして先頭車のデッキから運転席方向を見ると、そこには一等展望室が設置されている。
「ICE-T」では運転席と客席の仕切りをガラス張りにして、乗客が前面展望を楽しめる一等展望室がある。
これは通路の仕切り扉部分に立って前を見た状況だ。
この客室設計は、その後登場した動力分散式高速列車「ICE-3」にも引き継がれている。
最前列の客席、つまり「ヲタシート」から見るとこんな感じ。意外に前が見えない?
でもこういう遊び心はあってもいいと思う。
パーシング駅からは進路を南に取り、しばらく行くと複線区間になる。シュタインベルクへ向けての小さな峠を行く列車。
この画像を見て戴けば、車体がカーブ内側に傾いているのがお分かり頂けるだろう。「ICE-T」は振り子型車両なのだ。
そしてシュタインベルク湖の畔にあるシュタインベルク駅に到着。
リゾート地らしいつくりの駅と周囲の町並みだ。
このシュタインベルク湖に沿う区間も趣があって良い。色んな景色が楽しめる路線だ。
しばらく行くとシュタインベルク湖から離れ、ひたすら大平原を行く路線へと変貌する。
このマップの細かい特徴のひとつは、こんな感じで保線作業に勤しむ作業員が線路際に多くいることだ。
こちらも保線作業…と思ってよく見たら、牧場の牛が逃げ出してたいへんなことに。
急曲線で車体を傾けながら走る。

「ICE-T」は高速新線が建設されない在来線区間、特に山岳路線に対応した特急電車として1999年に登場した。
特徴は当時の「ICE」とは違い動力分散式のシステムとしたこと、そして振り子機能を採用して急曲線での速度向上を狙ったことである。最高速度は230km/h(高速新線乗り入れ可)。
編成内容の違いにより411型と415型がある。また一部の車両がオーストリア連邦鉄道に譲渡され、当地の4011型となっている。
その後、2000年にドイツ鉄道がICEを増備した際、この「ICE-T」を基にして振り子機能の撤去、最高速度の向上を図った動力分散式の高速電車「ICE-3」が登場した。両者は車体もよく似ている。
また2001年には、「ICE-T」を振り子機能はそのままに気動車化した「ICE-TD」が登場し、非電化区間のスピードアップも図っている。
ムルナウ駅を過ぎるとロイザッハ川が作る山峡に入ると共に、前方にアルプス山脈が迫ってくる。
ここからがこの路線で最も楽しい区間だ。
山峡の小駅を通過する。単線区間なのでシナリオによってはすれ違い待ちが発生したりして、ローカル線の旅情が溢れている。
終点に近付くと共にアルプス山脈が大きく見えるようになる。
そしてすっかり狭くなったロイザッハ川を、立派なコンクリート橋で渡ると…。
終点のガルミッシュ-パルテンキルヘン駅に到着。観光拠点らしい立派な駅だ。
こちらは本マップに標準で入っている426型電車だ。
低床の連接車で、ヨーロッパ独特の低床ホームでのバリアフリー化を実現した。
アルプスを背景に行く426型。日本人の私が見ると長野県の一路線みたいな光景だ。
426型の車内、手前の折りたたみロングシート部分は車椅子対応または自転車持ち込み客のために使用される。
他は一般的なボックスシートだ。
そしてこちらは442型「Talent2」。こちらも低床の連接車で、低床ホームに対応している。

低床の連接車っていうと、日本人なら小田急ロマンスカーを思い出すところだが、こちらはれっきとした通勤車だ。
442型をホームの乗客目線で見てみる。ホームの高さが日本の都市部のそれの半分程度しかないことを考慮すると、車体の低さが解るだろう。
442型の車内、こちらも基本的には一般的なボックスシートだ。
だが、先頭車に設置されている身体障害者対応トイレ付近は折りたたみロングシートになっていて、車椅子や自転車持ち込み者に対応している。
アルプスを背景に走る442型のローカル列車。日本の通勤型電車とは趣がかなり違うが、風情は出ていると思う。
最後に紹介するのは、このマップでもドイツの名機103型電気機関車を走らせてみた光景だ。
103型電気機関車のキャブはこんな感じ。ヨーロッパの電気機関車らしく、マスコンハンドルはステアリング状になっている。
ノッチを1段ずつ上げながら空転させないように速度を上げる、そんな一時代前の電気機関車の運転が体験出来るので好きな車両だ。
アルプスを背景に行く103型牽引の「TEE」客車。この機関車はどんな風景の中も絵になるなー。
長編成の客車を牽いてSカーブを行く。やっぱり客車列車はこうでなくちゃ。
最後は103型牽引の「TEE」の模型的な光景だ。
この客車も一度機会を見てキチンと紹介したい。コンパートメント車、座席車、食堂車、ラウンジ車などが用意されていて、全車両に客室視点があるのが嬉しい。
この路線の続きは
Mittenwaldbahn:Garmisch-Partenkirchen - Innsbruck Route
でどうぞ。

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