・Wakayama & Sakurai Lines Route
 西日本旅客鉄道(JR西日本) 和歌山線:高田~五条/桜井線:高田~桜井

吉野の里を行く通勤電車

・収録車両
 JNR’s Classic 103 Series EMUs(日本国有鉄道103系電車)
 JNR’s Classic 105 Series EMUs(日本国有鉄道105系電車)

・購入済みアドオン車両
 (いまのところなし)

・経由地
和歌山線
 高田~大和新庄~御所~玉手~掖上~吉野口~北宇智~五条
桜井線(万葉まほろば線)
 高田~金橋~畝傍~香久山~桜井



 いよいよ「Train Simulator」シリーズの公式アドオンに日本の実在路線が初登場した(※)。そして初の日本路線としてチョイスされたのは、JR西日本の奈良県の路線で和歌山線と桜井線だ。ついでに言うと、始めての私が乗ったことがある車両と路線の登場だ。
 ただし日本のJRからライセンスを取っていないので、JRのロゴマークは何処にも出てこないという条件の上での再現だ。また日本の路線なのにマニュアルのPDFファイルも含めて全て英語、2Dマップに表示される駅名も全て英語表記だが、風景として描かれる駅名標などはちゃんど日本語になっている。

 再現されているのは和歌山線の奈良県側となる高田~五条間と、桜井線の高田~桜井間。高田駅で双方の線路が繋がっているので、方向転換が必要になるものの両線の通し運転も可能だ。
 桜井線は大阪や奈良に近い郊外の宅地の雰囲気を上手く再現していて、日本の人口密度の高い盆地風景をも上手く再現している。
 和歌山線は奈良盆地と吉野川沿いの谷間を隔てる峠を中心とした路線だ。高田から吉野口までは桜井線の盆地風景の続きだが、進むにつれて少しずつ住宅地が減って行く車窓風景も再現されている。吉野口からは峠越え、25‰勾配で吉野川沿いの街である五条を目指す。途中の北宇智駅は2007年以前のスイッチバックだった時代設定で再現されているのは見物だ。ただクイックドライブでは北宇智駅には入れないのがもどかしい。
 建物などストラクチャと多くは「The Story of Forest Rail Route(森鐵物語)」からの流用が多いが、駅施設を中心に新たに用意された物も多く見受けられる。

 そして、マップに付属の車両も本シリーズ公式アドオンで初めての日本の実在車両で、日本の通勤電車の代名詞の一つである国鉄(JR)103系電車だ。103系はJR化後にJR西日本独自の修繕工事を受けたものであり、戸袋窓が埋められて先頭車にはスカートが取り付けられた姿だ。この103系も本シミュレータゲームを彩るギミックが満載されていて、いじるだけでも楽しい車両になっている。103系とは別に運転できないAI専用車両として105系も収録されていて、キャリアモードなどの対向列車としてその姿を見ることが出来る(追記・その後のアップデートで105系電車も運転可となりました)。

 では、「Train Simulator」シリーズに展開される最初の日本路線のスクショをごらん戴こう。

※なお、「Train Simulator」シリーズで公式でないアドオンならばフリーで日本の実在路線や車両がありますが、聞くところによると日本路線だというのに日本語環境では動作不良を起こすとか…。



・世界の車窓から
 
これが今回収録の103系電車、日本の通勤電車の代名詞的存在と言っても過言でない車両がチョイスされた。
103系の運転台、細かいところまで再現されていて「らしい」のが良いねぇ。
運転台を運転席目線で見る。メーター類の雰囲気も良く出ているし、ATSもちゃんと作動する。ATS-SN区間ではちゃんと「ヂリリリリリリン キンコンキンコンキンコン…」も再現できる。
運転席から左を見ると、運転席隅柱のボタン類も再現されている。スイッチ銘板も全部日本語だ。
運転席背面にはこのようなダイヤル装置が、これは行き先表示幕を制御する機械で、前面や側面の行き先表示や前面の運行番号表示はこれを実物同様に操作することで表示できる。
この装置の上には冷房装置のスイッチもあり、「入」にすると冷房装置の音が響き出す。
上記の装置を使って行き先を表示してみた。残念ながら幕がぐるぐる回るところまでは再現されていないが。
 ちなみにワイパーは、運転席のものは「V」キーで自動的に動くが、中央のものは手動だ。
103系の車内に入る。プロトタイプはJR西日本に継承された103系の中でも、初期に更新修繕されたものだ。
車内の再現も秀逸で、「弱冷房車」を示すステッカーや、「指挟み注意」のステッカーも再現されている。
車内の広告は…「Train Simulator」だったりして。
では、五条駅から桜井駅へ向けての旅を楽しもう。
五条駅からしばらくはのんびりした風景の中を走る。吉野川沿いの里山の風景だ。
峠に近い北宇智駅は、スイッチバックだった時代を再現している。この駅は2007年にスイッチバックが廃され、単なる棒線駅に変化している。
吉野口を過ぎると奈良盆地へ下りて行く。日本の都市郊外らしい風景が拡がる。こういうマップが欲しかったんだ。
御所駅近くで列車から降りて街の様子を見ると、何処かで見たような宅地が続く。「日本の都市郊外の住宅地」の雰囲気がよく出ていると思うが。
途中駅に停車する103系電車、多くの駅が1線スルーだが、この路線って通過タイプの列車ってあったったけ?
先頭車を停止位置目標にキチンと止めると、ホームの乗車位置目標とドアがピッタリ合うのが楽しい。これが関西地方のJRの旅情だと思う。
高田から桜井線に入ると、沿線風景は切れ目のない住宅地となってくる。103系にはこういう風景が似合うなぁ。
桜井駅近くの川を渡る。住宅街の中を流れる川を渡るこの風景は、日本の生活感がある風景だ。
列車は終着駅の桜井駅に到着。背後に見える高架橋は近鉄線の駅かな?
こんな感じで駅名標も実物に近い雰囲気になっている。JRロゴだけが省略されているかたちだ。
 本マップは少々重くて、特に五条駅では画面がまさに紙芝居みたいになるのは何とかならないかな。フレームレート10FPS程度で…仕方が無いのでグラフィック設定を「Low」にしたらそれなりに動いてくれました。本ゲームがギリギリ動く程度のスペックのPCではキツいですね。
 車両はヘッドライトの点灯が面倒でしたね…この方がリアルなのは分かるけど。

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