・Brighton Main Line:London Victoria-Brighton Route
 ブライトン本線:London Victoria(ロンドン ビクトリア駅)~Brighton(プライトン駅)

2023年3月12日 プレイ動画を2本追加


ロンドンの都市間列車と空港アクセス列車を楽しもう!

・収録車両
 BR Class 377/4 EMU Southern livery(一般型電車)
 BR Class 387/2 EMU Gatwick Express livery(一般型電車)


 イギリスの地図を見ると、首都ロンドンからまっすぐ南へ目線を動かすと100km足らずで海にぶつかる。そこにある都市がイギリスでも有数の観光都市であるブライトンで、ロンドンという大都市の至近にあるピーチリゾートとして知られる人口約30万人の街だ。

 この路線は1841年に開業した古い路線で、1860年にロンドン市街のビクトリア駅への乗り入れを果たす。ロンドン郊外からブライトンに掛けては起伏が大きいため、7つのトンネルを筆頭に難工事だったと記録が残っている。当初は非電化で蒸気機関車牽引の列車で営業されていたが、1909年から1933年にかけてに電化された。
 開業以来ロンドン近郊の通勤輸送や、ロンドンとブライトンの都市間鉄道としての運行が続いていたが、1958年にガトウィック空港駅が開業すると空港アクセス鉄道としての要素が加わる。さらに1984年からは空港輸送に特化した直行列車「ガトウィック・エクスプレス」の運行が始まり、空港アクセス鉄道としての方向性も定まって行く。。

 イギリス国鉄の分割民営化により1996年から列車運行は民間企業に委ねられ、現在は「ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ(Govia Thameslink Railway;以下 GTRとする)」によって運行されている。GTRではブライトン本線の列車を「サザン」というブランド名で運行していて、車両の塗装はGTR発足前の2015年まで本線を運行していた「サザン」という鉄道運行会社のものがそのまま用いられ、本線のローカル列車から都市間連絡の速達列車まで幅広く運行している。
 「ガトウィック・エクスプレス」は「サザン」と独立したブランドで、ビクトリア駅~ガトウィック空港駅間をノンストップで30分で結び、さらにブライトン駅まで運行されている。

 本ゲームではロンドン・ビクトリア駅からブライトン駅までの約80kmが再現されており、ビクトリア駅から約50kmのスリーブリッジ駅付近までは複々線、その他は複線の路線として再現されている。車両はプライトン線の主力であるClass377系電車の「サザン」塗装と、「ガトウィック・エクスプレス」専用車であるClass387系電車が用意されている。これとは別にインストールしているDLCによって、Class375系電車やClass66形ディーゼル機関車(とその貨車)も登場する。車両の詳細は後述のアルバムに回そう。

 この路線のマップも旧作「Train Simulator」に存在し、私もこれを早い段階に購入していた。旧作では標準装備の車両はClass377系電車のみで、別売のオプションで旧型の他扉電車や、先代の「ガトウィック・エクスプレス」専用車だったClass442系電車や、さらにイベント運行の蒸気機関車も運転できる内容だった。
 だが旧作では動作が重くなるという欠点があり、当時の私の環境ではビクトリア駅に入ると画面がほとんどコマ送り状態になってしまうという状況で、プレイすると萎えることも多いので本サイトでの紹介を見送っていた経緯がある。
 「Train Sim World 3」のマップとしてDLCがあったので試しに購入してプレイしたら、旧作のように動作が重くなることはなくなって快適にプレイできるようになったのでこのマップで遊び倒している感じだ。よって今回このサイトで紹介することとした。

 この路線のゲームとしての魅力は、何と言っても空港直行列車「ガトウィック・エクスプレス」や、ロンドン~ブライトン間の都市間速達電車の運転で90mph(145km/h)で快適に走れることだ。「ガトウィック・エクスプレス」では全線通し運転でも停車駅が少なく、まさに「都市と都市を結ぶ電車」という雰囲気を感じることが出来る。
 それとは別にロンドン市街では緩行線を行く各駅停車の運転も可能だ。ロンドンの街を眺めながら各駅停車を運転するのもよし、その乗客になるのもよしと色々と楽しめる。
 そしてロンドンという大都市に発着する電車を眺めるのもまた面白い。AIの乗客は他の路線よりも多めに登場するようで、まさに「ラッシュアワー」という体験も出来る。朝ラッシュ時間にビクトリア駅方面へ向かう列車に乗ると、先行の電車が詰まって徐行や信号待ちを強いられることもあって現実的だ。

 そんな路線を「Train Sim World 3」マップ紹介を通じて紹介しよう。


・車両の紹介
※ 比較対象にしているClass375系電車については、こちらをご覧下さい。
・Class 377系電車(サザン仕様)
 ビクトリア駅で発車を待つClass377系の「サザン」塗装。
 2015年まで存在した運行会社「サザン(SN)」の塗装そのまんまで、緑を基調にしたその塗装が印象的だ。

 Class377系はロンドン南部の通勤輸送用として2003年に登場、以前紹介したClass375系との違いは連結器などにあるというが、ゲーム画面上では相違は解らない。
 登場時は旧型車にない冷房装置が設置されたことで使用電力がオーバーし、車両そのものは2002年に落成していたが、変電設備の増強までデビューできなかったという。
 ガトウィック空港駅で発車を待つ。
 最高速度は100mph(160km/h)だが、このマップでは路線側の最高速度が90mph(145km/h)だ。

 編成は3M1Tの4両編成、ゲーム内では4連単独運行から最大で3編成繋いだ12両編成まで運転できる。
 Class375系同様前面貫通スタイルで、中間に入ると貫通路が設定される。
 Class377系の運転台も、以前紹介したClass375系とほぼ同じ。違いは右側のモニター数くらいで、ゲーム上では扱いは全く同じ。
 ちなみに、実物はワンマン運行らしい。
 続いて客室の様子を見てみよう、以前紹介したClass375系同様に運転室背後のスペースは一等室となっている。ただしClass375系とは違い、二等室とはガラス戸(自動扉)で仕切られている。
 一等室の定員は10名、ボックス席2区画と、こんな横向きのシートが2席ある。寝るには良い座席かも?
 もちろん、ヨーロッパのお約束で座席は回転しない。後述の二等との違いもシートカバーだけだ。
 続いて二等座席だが、二等座席は二種類あるのがこの車両の特徴だ。
 先頭車の二等室はご覧のような大型テーブル装備のボックスシートで、座席そのものは一等と同じもの(シートカバーの有無だけ)だ。
 全線通しで1時間程度あるので、定員確保よりも快適性を取ったのだろう。
 だが中間車は、以前紹介したClass375系と同じく狭いボックスシートがズラリと並ぶ。同じ運賃で乗れるのに、先頭車の二等座席との格差が大きいな…。

・Class 387系電車(ガトウィックエクスプレス仕様)
  ガトウィック空港駅で発車を待つ「ガトウィック・エクスプレス」、その赤い塗装がとても印象的だ。

 Class387系電車は2014年に登場した電車で、Class377系やClass375系を含むボンバルディア製の「エレクトロスター」と呼ばれる通勤電車の最終形だ。
 元々はシーメンス製の他形式の電車が投入される予定が政治的な問題により遅延、この穴埋めをするために急遽作られて「テムズリンク」と呼ばれる路線に投入された。
 「ガトウィック・エクスプレス」に使用されているのは、その増備車で2016年に登場した。
 ブライトン駅付近を行く「ガトウィック・エクスプレス」。

 「ガトウィック・エクスプレス」仕様のClass387系は、客室に荷物棚が設置されるなど空港アクセス列車に特化したつくりになっている。
 こちらも4両編成で、これを2~3本繋げて運用される。最高速度は110mph(175km/h)だが、やはり路線側の最高速度が90mphなのでそこまで出せない。
 Class387系の運転席も、前述のClass377系や以前紹介したClass375系と大きな違いはなく、扱いは同じだ。ただ右側のモニターの配置には相違がある。
 この車両もワンマン運転だとのことだ。
 客室の様子、Class387系も運転室背後の区画は一等室とされている。
 でも空港アクセス列車という使用条件を考えると、これでは足りないですよね。
  ですので「ガトウィック・エクスプレス」仕様では片側の先頭車では客室の半分程度が一等室になっています。二等室との境界はガラス戸(自動扉)で仕切られています。
 ちなみに色が違うシートは「優先席」です。
 こちらは二等室、Class387系では二等車は全て横4列配置の座席で、座席の向きは、車端と扉付近以外は進行方向右側が前向きになるように設置されています(座席の向きは一等も同じ)。
 手前には空港列車らしく荷物棚があります。ちなみに座席そのものは一等も二等も同じで、違いはシートカバーの有無だけです。
  車端から二等車(中間車)全体を見渡してみました。一等同様、色が違うシートは「優先席」です。
 いわゆる「普通車」なのにボックス席にはこんな大きなテーブルが、何に使うわけじゃないけどうらやましいです。
 車両の塗装を変更するツールを使って、Class387系をJR東日本253系「成田エクスプレス」の塗装に変えてみました。
 やっぱり、日本の鉄ヲタとしては「空港列車」といえばこの塗装です…意外に似合うぞ。
 こうして見ると先頭車側面のグレーが濃すぎたかな?
 逆にスカートのグレーはもうちょっと濃くても良いか。

 前面の黒塗装の角の丸め処理にちょっと苦労しました。プレイしていてすれ違う列車にこの塗装が混じっていると、なんか嬉しい…そういうゲームです。

・ブライトン駅の大屋根の下で…
 ブライトン駅はドーム状の大屋根がとても印象的な駅です。
 おかげで駅は薄暗いのですが、ヨーロッパの駅の雰囲気が伝わってきます。

 ブライトン駅に停車中の「ガトウィック・エクスプレス」です。
 ブライトン駅の大屋根の下に停車しているClass377系。こういう駅ってにほんにはあまりないよな…。
 私オリジナルのClass387系「成田エクスプレス」塗装もブライトン駅に入れてみた。
 ヨーロッパらしい鉄道風景に、この塗装し意外に似合うよなぁ。JR東日本ってこういうセンスはあると思う。

…続いては車窓風景を「プレイ動画」で紹介しよう。全編で1時間もの長い動画になるがご覧あれ。

・「世界の車窓から」
 ブライトン駅→ロンドン・ビクトリア駅間 全線プレイ動画
(約63分)

Class387系「ガトウィック・エクスプレス」を、プライトン駅からロンドン・ビクトリア駅まで運転してみた。
夜明けの鉄路を走り、朝ラッシュのロンドンのターミナルに飛び込みます。

 ロンドン・ビクトリア駅→イースト クロイドン駅間の各駅停車と車両基地への入庫のプレイ動画(約50分)

Class377系の各駅停車で ラッシュが続くロンドン・ビクトリア駅からイースト クロイドン駅まで運転してみた。
イースト クロイドン駅到着後は車両基地へ回送、非営業列車も運転出来る!という動画にしました。

 ロンドン市街に近い複々線区間での「撮り鉄」編動画(約15分)

本マップで列車本数が多いイースト クロイドン駅以北の複々線区間での「撮り鉄」シーンです。
テロップは無しで本当にただ電車が走るシーンだけ集めました。本ゲームではこういう遊び方もあるという一例です。

 都市間列車と空港アクセス列車の運転で、日本ではこういう列車の運転士ミュレータゲームはないのでは?
ダイヤも多く飽きないので、多くの人に手に取ってもらいたいマップだ。


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