・「Fernbus Simulator」で欧州ハイウェイバス旅行!


ヨーロッパのハイウェイを高速バスで走り回ろう

2021年10月3日 プレイ動画追加

 PCゲームやテレビゲームなどで自動車運転系のゲームに一定の需要と人気があることはこのサイトで何度も記している。そして私はそのようなゲームの中でもメインである自動車レースのゲームには興味がなく、以前紹介した「Euro Truck Simulator 2」のように交通ルールの遵守や安全運転を求められるゲームにハマっているのは確かだ。
 今回はそんな私が気に入った自動車運転系のゲームとして、「Fernbus Simulator」を紹介しよう。

 「Fernbus Simulator」はドイツを中心にしたヨーロッパの高速バスの運転手気分を楽しむゲーム。内容を超簡単に言えば「Euro Truck Simulator 2」のセミトレーラーはバスに変えたゲームとも言えるだろう。
 プレーヤーはヨーロッパに実在する長距離バスのブランドである「FLixBus」の運転手とになり、長距離路線バスの運転をこなしてゆくことになる。ゲーム内には一定縮尺でデフォルメされたヨーロッパが再現されており、この世界の都市と都市を高速バスで結んでいるわけだ。出発地のバスターミナルへ行けば乗客が待っているので、この乗客が持つ乗車券を確認して自分が運転する便の客を選んで乗せ、客を目的地へと運んでゆく…基本はこの繰り返しだ。
 もちろん走行中は交通ルールを守らねばならないし、交通事故を起こさないように気をつけねばならない。いわゆる「オービス」で速度違反取締を受けたり、交通事故を起こせば客が文句を言うだけでなく、得点も大きく減点されてしまう。
 そして客という人間を乗せているから、バスの旅行が快適になるように気を配ることも求められる。車内の環境を保つためにエアコンを正しく作動させ、客室照明のオンオフや、Wifiやギャレーやトイレなどの設備も使えるようにスイッチ操作が必要だ。またフロントガラスに設置された行き先表示も作動させないと、客が自分のバスに乗ってくれないという問題も発生する。
 バスの操作面だけではない、一定時間ごとにサービスエリアにバスを停めて休憩時間を取る必要も生じる。休憩時間を取った後は客が全員バスに戻ったかの確認も必要だ。それとは別に車内アナウンスも必要だ。このように「人を乗せる」からこそ必要なことをしなければならない点が、「Euro Truck Simulator 2」との違いとも言えよう。

 このゲームでは通常状態ではドイツのみが再現範囲となるが、DLC対応でスイス、オーストリア、フランス、オランダ、ルクセンブルクへと拡張できる。またドイツ国内でも無料DLCで観光地などが詳細に再現できるオプションがある。

 私がこのゲームを購入したのは2018年の秋頃だ。だが当時はこのゲームにはすぐ萎えてしまったのを覚えている。都市内の一般道を走っているときは良いのだが、高速道路に入ると「なんか違う」からだ。理由は上手く言えないのだがカーブを上手く曲がれない、道路の作りからして「何処かおかしい」と感じて、そのような欠点を持たない「Euro Truck Simulator 2」にすぐ戻っていってしまったのが正直なところだ。
 だが最近になってこのゲームの動画を某動画共有サイトで見て、また思い出したかのようにこのゲームに戻ってきたら、アップデートがあったようで高速道路を走る際の違和感もなくなっていた。他の欠点も改善されていて「ちょっとやりこんでみようか」とつもりでプレイをし直してみたら、、色々とDLCを購入するほどにまでなってしまった。

 今回はそんな「Fernbus Simulator」について紹介しよう。

・はいじまの「Fernbus Simulator」プレイ動画
 その1 フランクフルトからルクセンブルクへ(約49分)
 その2 ライン川 ローレライの渓谷をドライブ(約21分)
 その3 ベルンからチューリヒへ 峠道を行く!(約31分)
 その4 チューリヒからザルツブルグへ 山道ドライブ!(前編)(約31分)
 その5 チューリヒからザルツブルグへ 山道ドライブ!(後編)(約27分)


・FLixBusの車窓から
 
 「Fernbus Simulator」は運転できるバスもDLC対応で複数揃えられている。
 私が最近のプレイで「扱いやすい」と感じて気に入ったバスはこれ、ドイツのMAN社製の「Lion's Coach 3rd Gen」。実車は2017年から製造されているものだ。
 ゲームでは昨年8月発売のDLCでラインナップに加わった。スターボードサイド後方に車椅子対応の大型扉を持つのが特徴だ(本ゲームでは使用できないが)。
 「Lion's Coach 3rd Gen」の車内はこんな感じ。黒い革張り風シートが高級感を醸し出している。中央扉へ下る階段の脇に、トイレとギャレーがある。
 ではゲームの流れを紹介しよう。
 ゲームが始まるとバスは営業所の車庫に駐車している状態だ。

 「FLixBus」はヨーロッパやアメリカに広大な路線網を持つ長距離バスのブランド名だ。
 2013年にドイツの起業家によって立ち上げられ、変動制運賃の導入で格安に利用可能な点や、インターネットを活用した予約システムを武器に、急激にヨーロッパ中に広まった長距離バスの統一サービスブランドだ。
 ヨーロッパ各国で250社のバス会社が、この統一ブランドの元で営業していると言われる。
 営業所を出発して回送バスとして出発地のバスターミナルへ行くと、ここに客が集まっている。
 客が乗り降りする扉だけでなく、トランクルームの扉を開けてから、乗客の元に行きチケットの確認をする。チケットが合っていれば手続きをするが、行き先が違う客を見つけたら乗車を断る。
 客が持つチケットには、紙に印刷したチケットはもちろん、乗車便情報が表示されたスマホ画面を見せてくる場合もある。
 また予約のない「飛び込み客」もいて、その客にはチケットを売る作業もある。
 客を乗せると、車内はこんな感じで活気が出てくる。でもこのゲームでは客の数は多くても15人位でいつもガラガラ、満員になる位まで乗ってくれると楽しいだろうなぁ…重くなるだろうけど。
 出発地のバスターミナルを出発すると、しばらく市街地を走る。このように渋滞に巻き込まれる場合も多い。

 このゲームのAI車は市街地が苦手で、交差点では直進右左折関係なく突っ込んでくることが多い。左直事故(日本では右直事故にあたる)を何度起こしたことか…。
 高速道路では一度逆走してきたAI車と正面衝突した経験がある。
 ただし、AI車の動きはバージョンアップを重ねる度に改善されてはいる。「Euro Truck Simulator 2」のそれと比べると、高速道路の合流がスムースなのが嬉しい。
 市街地を抜けてしばらく行くと高速道路だ。DLCのフランスでは、日本と同じように料金所がある。
 日本のETCのような自動運賃授受システムは、このゲームには実装されていないので一時停止は必須。
 高速道路をひた走る。
 「人を乗せている」からただ早く着けば良いわけではない、ダイヤ通りに走ることも大事だ(早着は悪くないが極端なのは問題だから)。
 そのため終着地(または次の停車地)の到着予定時刻と残り距離を見ながら、巡航距離を考えて走ることになる。
 今回の目的地は海辺の都市、最後の峠を越えて街へと降りてゆくハイウェイから見渡す街の景色には旅情を感じ、このゲームの醍醐味のひとつだ。
 目的地のバスターミナルに到着。同じ会社のバスが沢山停車しているのも、旅情を感じる点だ。

 このゲームではプレーヤーはバス会社に雇われている設定のようで、経営要素は全くない。私は余計なことを考えなくて良いので経営要素なんか要らないと考えているのだが…。
 目的地に到着して扉とトランクを開くと、客たちは勝手にバスから降りてくれる。降り遅れする人とかはいない。

 私がこのゲームを始めた頃は、この人たちはバスから下車すると何処かへ歩いて去って行ったのだが、バージョンアップでこの人たちは歩かなくなってしまった。
 このように夜行バスを再現することも可能だ。
 これは出発地のバスターミナルで発車を待つ光景、これから夜通しでバスに乗って遠くへ行くという旅情がかき立てられる光景が、上手く再現されている。
 深夜のサービスエリアで休憩を取る夜行バス…なんて光景も再現できる。
 高速道路を夜通しで運転したことがある人は、サービスエリアでこんな光景を見たことがあるのではなかろうか?



このゲームではダブルデッカーのバスも用意されている。
続いて2019年2月にDLCでで加わった、オランダのVDL社製「Futura FDD2」だ。
 「Futura FDD2」の車内から紹介しよう。
 これは2階席、ごく普通のシートがズラリと並ぶ。

 「FLixBus」では基本的に「座席定員制」の自由席(=座席数分はかチケットを発行しない)だが、別料金で好きな座席を指定できるサービスもある。
 2階席の最前部はこんな感じ。

 「FLixBus」では、ダブルデッカーでも普通のバスでも、最前列の座席は「パノラマシート」として、通常の3倍程度の座席指定料金が設定されている。
 このシステムは乗り物ヲタクで高速バスでは最前列が嬉しい私としては、ちょっとうらやましい。
 こちらは1階席。広いシートピッチのボックスシートとなっている。

 この座席も「テーブルシート」として、座席指定料金が通常の2倍程度に設定されている。日本の鉄道で言うグリーン車か?
 1階客室の最後方には、ギャレーとトイレ(画像右側のドア)が設置されている。
 ゲーム内でも階段を上って2階へいくかたちになる。
 「Futura FDD2」を運転して、ドイツはライン川の景勝地であるローレライへ行ってみよう。
 これはフランクフルト市街を行く「Futura FDD2」、背景はフランクフルト中央駅だ。

 ローレライは公式に無料配布されているDLCによるオプション対応となる。
 ローレライへ向かって、国道を山中へと分け入っていく。このルート、大好きなんです。
 ローレライへ続くライン川渓谷に出ました。ゲームでも回廊のような渓谷となっているライン川、その両側に道路も再現されています。
 川の蛇行に合わせて道路も蛇行する。
 ローレライは川面から130メートルほどの高さがある巨岩だと言うが…どれだ?
 ライン川を囲う険しい丘陵の上には、ヨーロッパらしい古城がいくつかそびえている。
 こういうのがヨーロッパの旅情なんだろうな…。
 反対岸の道路も走ってみたが、結局ローレライがどの岩だったのか分からず。でもこの渓谷風景は好きなんです…。
 このゲームでは悪天候も再現できる。これは濃霧の高速道路を行く光景だ。
 雪も再現されるが、スクショを撮ると何故か雪は映らない。雨の場合はどうなのかはまだ試していない。
 このゲームも夕景の再現はとても美しい。15時頃に出発して、4~6時間ほど掛けて目的地へ向かう夕方便のプレイが一番好きだ。実はこの時間帯が、このゲームでは一番乗客が多いみたいだし。

 黄昏のハイウェイを、追い越し車の目線で見てみた。

日没直後のハイウェイを目的地へ急ぐ「Futura FDD2」。
客室の灯りに旅情を感じる、これが「Euro Truck Simulator 2」とは違うこのゲームの面白さ。


…という訳で、高速バス運転シミュレータゲームである「Fernbus Simulator」を紹介してきた。

 このゲームでもご多分に漏れず、個人様作成のMODがたくさん出回っている。その多くがバスのリペンイトで、日本のバスも私が確認している範囲内では「はとバス」塗装や「WILLER」塗装が存在する。

 また今後のマップ拡張や、車両の多彩化も期待したい。個人的には街中にバスターミナル以外のバス停も多く設置されているので、一般の路線バスの再現を期待していたりする。

 いずれにしても、このゲームがさらに楽しくなることを期待して、今回の紹介を終わりにしたい。

(備考)
 本サイトの「Fernbus Simulator」のゲーム画像は、下記DLCを導入済みのものです。
 ・「Fernbus Simulator - ウーゼドム島」
 ・「Fernbus Simulator - Comfort Class HD」
 ・「Fernbus Simulator - オーストリア/スイス」
 ・「Fernbus Simulator - レンシュタイク」
 ・「Fernbus Simulator - MAN Lion's Intercity」
 ・「Fernbus Simulator - フランス」
 ・「Fernbus Simulator - ライン渓谷」
 ・「Fernbus Simulator - BB40」
 ・「Fernbus Simulator - ルクセンブルク」
 ・「Fernbus Simulator - MAN Lion's Coach 3rd Gen」
 ・「Fernbus Simulator - VDL Futura FDD2」


走り去るバス

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