「Microsoft Flight Simulator」で空の旅!追加記事5(2024年11月3日)

「Eviation Alice」で空の旅!


ついに航空機にも電動化の波が…

 2020年夏に私のPCに戻ってきた「Microsoft Flight Simulator」、購入してからはこのゲームでは好んでプライベート機やビジネスジェット機を選んで操縦体験を楽しんでいる。なので本サイトでも機体の紹介はプライベート機やビジネスジェット機ばかりであったが、今回はついに旅客機の紹介となる。

 この夏に「Microsoft Flight Simulator」のマーケットプレイスから「Eviation Alice」という機体が発売された。見た目は小型のプロペラ旅客機だが、この機体には他の機体にはない大きな特徴がある…それは完全電動航空機であることだ。バッテリーに充電し、この電力で回る電動モーターがプロペラを回すことで飛ぶ航空機だ。

 この機体はイスラエルの「Eviation」社が開発した「Alice」という機体だ。
 電動の航空機というといわゆる「空飛ぶクルマ」と呼ばれる「eVTOL」(電動垂直離着陸機=人が乗れるドローン)が主流だが、「Eviation」社は既存の形状の航空機を電動化することを目的に2015年に立ち上げられたベンチャー企業だ。
 会社が設立されると模型実験などの開発は順調に進み、「Alice」と名付けられた試作1号機が2019年のパリ航空ショーに展示された。試作1号機は飛行はしなかったものの地上試験で多くのデータを集め、2021年末に量産を前提とした試作2号機が完成、地上試験を経て2022年に初飛行した。
 今回、ゲームで再現されたのはこの試作2号機である。本サイトでは白一色の機体を紹介するが、ゲームデータには「Alice」の発注が決まったエアラインの機体塗装も用意されている。

 「Alice」は画像の通り、機体尾部に2発プロペラーとT字尾翼を持つ小型プロペラ旅客機と変わらぬ外観をしているが、プロペラを回すのは634kwの電動モーター。このモーターを回す電力を供給するのは820kwhのリチウムイオンバサテリーだ。
 現在は本格量産へ向けての開発が進んでいるとのことで、今回紹介する旅客定員9名の旅客型の他、定員6名の主客室を備えたビジネス機仕様、貨物搭載量1200kgの貨物型の3種類が用意される。ゲームデータでもこの3種類が用意されたのは言うまでもない。

  この機体データを購入し、飛行方法等を色々と調べてやっと飛べるようになったので今回紹介することにした。いつものようにアルバム形式で、「Microsoft Flight Simulator」にもやってきた全電動航空機を紹介しよう。


・「Eviation Alice」の機窓から
 まずは外観、スターボード側から見てみよう。

 見た目はコミュータエアラインで見られる小型プロペラ機と変わらないが、巨大なバッテリーを腹に抱えているため「下ぶくれ」の形になっているのが特徴だ。
 ポート側を見てみよう、客室扉と貨物扉の開閉ギミックがある。

 客室扉は開くと同時にタラップも出てくるようになっている。

 機体は流れるような流線型で、プロペラ機とジェット機に印象が近い。
 スターボード側を後方から見てみる。普通の航空機ならエンジンとなっている部分に、電動モーターが設置されている。
 排気口がないのが見てよく分かるだろう。
 ポート側を後方から見てみよう。主翼端のウイングレットが印象的だ。
 機体後部の向こう側に、何かが立っているのが見えますね。
 これは本ゲームにおける「Alice」の充電装置だ。

 試しにに大阪空港(伊丹)から松本空港を何度か飛行したら、フル充電で出発→到着時は残り充電量が40~45%であった(天候等の条件で変化)。

 ここからフル充電までの充電時間は…1時間半以上掛かった。

コックピットの様子。
(画像にマウスを合わせると、夜景に変化します)
やっぱりグラスコックピットでガーミンの汎用システムを使ったレイアウト。
操縦桿はサイドスティック。操縦はジェット機に似ているが、電動機ならではの操作もある。
 旅客定員9名の客室はこんな感じ。機体形状が「下ぶくれ」なので、座席から窓まで距離があるのが特徴。
 そういう仕様なのか、はたまた私が操作方法がわからないだけなのか、夜になると電灯がなくて真っ暗だ。

 客室最後尾の扉を開くとクローゼットとなっていて、ハンガーにぶら下がっている衣類を動かせるギミックがある。
 座席をアップで見てみる。意外に細い座席で、リクライニングがなかったら辛い座席かも?

 今回は紹介を割愛しているが、ビジネス機仕様では客室後部のギャレーが再現されていて、ここにある飲み物を座席に持ち帰って飲むというギミックがある。
 貨物機仕様では、ひたすら段ボール箱が積まれている。

飛ばしてみた
 ゲームの機体は、このゲームで大小問わずジェット機を飛ばす腕があれば普通に飛ばせる。

 だけど機首が下向き加減になる癖があって、巡行中はピッチ角がほぼゼロ、緩い降下ではかなり機首が下を向く。
 だからフレアするのが難しく、なかなか上手く着陸ではないのは私だけか?

この機体を飛ばしていると、やはり気になるのは「静か」なこと。
エンジンがないために大きなエンジンの音もなく、モーターと空力の音だけで飛ぶから静かだ。
そんなところに「近未来の飛行機」を感じて、楽しい機体である。

だけど、この機体の欠点は「航続距離の短さ」だ。
航続距離が815kmしかなく、これは東京から北海道へも行けない距離だ。
着陸復行やダイバートのことなんか考えると、実用的に使える距離はもっと短くなる。
また到着空港の電力事情なども考慮する必要がありそうだ。

だけど「航続距離の短さ」という欠点は、プレイ時間が長くならないというメリットももたらす。
だから「どうしても長時間飛びたい」という人以外には、安心して勧められる機体だ。


さらに見てみたい方は、こちらのプレイ動画もどうぞ。

・「Microsoft Flight Simulator」プレイ動画 「Eviation Alice」で松本空港に着陸!(約34分)

「Eviation Alice」で大阪空港から松本空港へ行ってもました。
信州の山々を眺めながらの着陸をお楽しみください。
【ナレーター】「VOICEVOX:九州そら」 

この機体データからは、「飛行機の近未来」を感じることができて
プレイしていてとても楽しいです。
制作した方には心より御礼申し上げます。


中央アルプス、木曽駒ヶ岳を背景に飛行する。


木曽の御嶽山を背景に飛ぶ。


前のページに戻る