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・「わたしのアンネット」のオープニング
「アンネットの青い空」 作詞・阿木燿子 作曲/編曲・広瀬量平 歌・藩恵子

 とにかくハンドベルの響きがいい曲だ、印象はこれに尽きる。実は今回の視聴までこの曲の詩やメロディは殆ど忘れていたのだが、前奏のハンドベルの響きだけはずっと覚えていた。それだけ印象に残る演奏である。
 歌うは主人公アンネットの声も担当している藩恵子、彼女はこの2作前の「ふしぎな島のフローネ」でもオープニングとエンディングを担当していたが、この「わたしのアンネット」では主演声優と主題歌担当という重責を担うことになったのだ。なお「愛の若草物語」の考察にも書いたが、この後彼女は「愛の若草物語」でも主演級の役柄となるマーチ家の長女メグの声と、後期オープニングの一部を担当している。主演声優と主題歌を同じ人が担当したのはシリーズではこれが最初、2回も出てきた例は私が知る限り彼女だけだ。
 詩の内容については原作「雪のたから」の世界観を見事にまとめている。特にフルコーラスの最後の2行は上手くまとめたと思う。特に神様の宝物について歌うのなんか、この物語らしくて良いじゃないか。
 背景映像はかなり印象に残っている。「南の虹のルーシー」考察で書いたが、この前作の「南の虹のルーシー」オープニングでは背景映像に動画が全く使用されていなかったため、「わたしのアンネット」オープニングでアンネットやダニーが動いているのを見て違和感を感じた。またアンネットとルシエンが楽しそうに語り合ったり話し合ったりしている光景を見ると、本編の殺伐とした雰囲気が信じられないようになってくる。だがそんなオープニングの映像でも苦悩するアンネットの姿がちらっと出てきたりするのだ。
 この画像そのものはアンネットのイメージビデオ的な画像ばかりなのだが、その中にしっかりとスイスの風景を描き込んでいるのもいい。ここに再現されている美しい山々や花は、視聴者を強烈に物語に引き込むはずだ。

↑オープニングでキャラクターが動いているのに違和感を感じたのは「南の虹のルーシー」オープニングのせい。レンズ効果をシリーズで初めて使ったのでは?

・「わたしのアンネット」の主要な登場人物

バルニエル家
ピエール・バルニエル アンネットの父、牧畜業を営んでいる優しい父。
 …物わかりがよく、息子を歩けなくしたルシエンにも優しく接する信じられないほど優しい男、こういう父になりたい。
フランシーヌ・バルニエル アンネットの母、心臓が弱いせいか病弱でダニー出産と同時に他界。
 …私としては「世界名作劇場」に出てくる母親の中で最も美人だと思う(タイプかどうかではない)。美人薄命とはこのことだ。
アンネット・バルニエル 「世界名作劇場」シリーズ一の破壊王と呼ばれている。お転婆で根に持つ性格だ。
 …あれでも原作よりかなり抑えたとしって驚いた。お転婆を除けばルーシーと同じくごく普通の女の子。
ダニエル・バルニエル
(ダニー)
アンネットの弟、無垢で純粋な5歳児。この子が谷に転落して骨折することから物語が動く。
 …天使のような無垢な子供。怪我させてなくてもこの子供なら思い切り可愛がってやりたいね。
クロード・マルタ
(クロードおばさん)
フランシーヌの代わりに一家の母親代わりとなるべくやって来たピエールのおば。アンネット姉弟から「おばあちゃん」と呼ばれる。
 …アンネットと視聴者に神の御心を教えてくれる優しいおばあちゃん。この手の老女の第一印象が悪いのはおやくそく。
ペーペル バルニエル家で飼われている犬、頭が良くて牛の見張りも出来る。顔は怖いがとても優しい犬であるようだ。
 …アンネットやルシエンより賢い犬、個人的にはリトルと同じ位頭がいいと思う。の割には印象に残る活躍はないが。
クラウス ダニーが飼っているオコジョ。クリスマスの日にダニーのスリッパに入っていた。
 …たびたび行方不明になっては家族を困らせるが、こいつの家出癖のおかげでアンネットとルシエンは感動の和解に達する。
モレル家
エリザベート・モレル ルシエンの母、借金に追われながらも女手一つでマリーとルシエンを育て、牛の世話もしている。
 …息子の変化を気に掛けているが、無意識にルシエンの心がズタズタになる台詞を言ってしまうある意味鈍い母親(誉め言葉)。
マリー・モレル ルシエンの姉、母親思いであり弟思いでもある優しい姉で、ルシエンにも優しく接する。
 …当時、ルーシーが出てきて「おねーちゃん」って言い出しそうで怖かった。
ルシエン・モレル アンネットの親友。愚痴っぽくてひねくれているが、とてもいいヤツである。
 …この物語の本当の主人公。「世界名作劇場」で最も苦悩したキャラクターは間違いなくルシエンだろう。
周囲の人々
ニコラス先生 アンネットやルシエンの担任の先生、優しくて世間が求める理想の教師像だろう。
 …山に登ったり、風邪で寝込んだりと「世界名作劇場」シリーズで一番露出度が高い教師のような気がする。
ペギン
(森のひげ爺)
森の中の小屋で木彫りを作りながら一人で暮らす変わった老人、ダニーのことで悩むルシエンの行くべき方向を示す。
 …私がいじめられて苦しかったとき、こんな大人が近くにいれば…と思った。
ジャン アンネットやルシエンのクラスメイト、今は死後となりつつあるガキ大将的キャラだ。
 …いわゆるジャイアンキャラ。最初は徹底的にルシエンをいじめていたが、だんだん劇場版ジャイアンみたいな性格になってきた。
アントン アンネットやルシエンのクラスメイト、ジャンの子分的な存在。
 …露出度が低いが、空気の読めなさで印象に残った。
マリアン アンネットやルシエンのクラスメイト、いつもアンネットと一緒にいる青い方。フランツに惚れている。
 …ダニーが怪我したあとのルシエンに対する態度が酷かったぞ!
クリスチーネ アンネットやルシエンのクラスメイト、いつもアンネットと一緒にいる緑の方。これといった特徴が…。
 …同上、アンネットの性格形成にはこの二人の性格の悪さがあるだろう。
フランツ アンネットやルシエンのクラスメイト、ロシニエール村で鉄道建設が始まったときにやって来た転校生。
 …ジャンがジャイアンならフランツは出来杉ってトコだろう。クラスメイトの中で一番美味しい役。
ギベット先生 マリー曰く「とても腕の良いお医者様で折れた骨のことならどんな患者でも治してしまう」程の名医。
 …実はペギンの息子、ダニーの足を治した彼こそがルシエンにとっては神だったかも知れない。
エレナ ギベット先生の妻、容姿がフランシーヌにうり二つ。ローザンヌでのアンネットを支える。
 …この人も空気が読める素晴らしい上謙虚な母で感心。ナレーターと一人二役でアメリア先生が演じてる。
エリザベス ギベットの長女で最初はアンネットに冷たい態度を取るが、色々あって最後は仲良しに。
 …レギュラー以外ではローザンヌ編で一番印象に残るキャラかも知れない。「古代くん…」と言い出しそうで怖かった。
ウェルナー ギベット家の執事、怖い顔の上に人見知りをする性格だがとても優しい人。
 …ローザンヌでの生活を一番盛り上げたのはこの人の存在かも知れない。
ナレーター 物語の要所で的確な解説を入れてくれる。時にはアンネットやルシエンの心境を代弁する。
 …どう聞いてもアメリア先生ですね。セーラの方が後なのは承知だが、「アメリア先生の解説」と言わせてもらおう。

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