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第1話 「ジオンの子」
名台詞 「僕、その人に会います。キシリアという人なら知っています、強そうな人ですよね。でもお父様の仇のザビ家の人になら、僕は負けません。」
(キャスバル)
名台詞度
★★★
 ある夜、キシリアがダイクンの子供たちが匿われているラル邸を訪れ、「デギン・ザビの代理としてキャスバル・レム・ダイクンと話がしたい」と訴える。ジンバ・ラルはこれに反対するが、キャスバルは会うことを決める。その時にキャスバルが吐いた台詞がこれだ。
 この台詞は物語進行上はさして重要ではないが、この第1話で私を最もうならせた台詞だったと言って過言はない。キャスバル(シャア)の子供時代はこの台詞も含めて田中真弓さんが演じているが、この台詞だけは池田秀一さんがシャアを演じるときの口調が頭にフッと浮かんだのだ。シャア・アズナブルの口調などをうまく研究して台詞が考えられ、演じる側もキャスバルと言うよりシャアを演じたからこそ旧作を知っている私がうならせたのは確かだ。
 そしてこの台詞でキャスバルがキキシリアを「強そうな人」と言っているが、それが正しくないことはここまで物語を見てきている視聴者には解っている。キシリアは「強そうな人」なのは確かだが、それ以上に「冷酷で非道」である。そんなキシリアが身内に対して行った仕打ちを見てきた視聴者に、「キシリアとキャスバルが二人だけで話をして大丈夫だろうか?」という不安をあおるよう、うまくできていると感じた。
名場面 サスロ・ザビ暗殺 名場面度
★★
 議会での演説中に突然倒れ、そのまま死去した宇宙移民独立の指導者ジオン・ズム・ダイクンの葬儀が行われた。教会での葬儀が済み埋葬のため墓所へ向かう車列、その中でザビ家の第三子サスロと第四子のドズルは同じ車中にあった。ドズルはサスロの実の兄姉に対しても冷酷なやり方を批判するが、これに対してサスロが激しく反論している最中に、突然二人が乗った車が爆破される。車列を見守る大衆の悲鳴が響き、後続の車に乗っていたガルマ(まだ子供)が突然の出来事に狼狽えるが、隣にいたキシリアが「狼狽えるな、これしきのことで」とガルマに一喝。先行の車内ではデギンとギレンが驚いた表情で猛火に包まれたサスロとドズルの車を見守っていて、その猛火の中から流血したドズルが這い出してきて「サスロ兄がやられた! 誰がやったんだ!」を叫びだす。その様子を驚愕の表情で見守るジンバ・ラルとランバ・ラル。恐怖に震えるガルマを抱きかかえていたキシリアだけがこの状況を冷静な目で見守っている。
 ダイクン死去に続いて物語が矢継ぎ早に動いて驚いたシーンだ。「機動戦士ガンダム」旧作では設定だけが存在して劇中への出演はなかったサスロ・ザビが本作に出ている、この事実はこのサスロという人物がこの物語のどこかで消えることハッキリしているのは言うまでもないだろう。その上で視聴者が「サスロはどんな形で死を迎えるのか?」と色々と想像を張り巡らさせ始めた頃合いを見計らってサスロ暗殺事件が起きるという…ガンダムシリーズでは様々なキャラクターの「死」が印象に残るが、このサスロの死はこういうタイミングで起きたことで出演回数が少ないのに強烈に印象に残るであろうことは確かだ。
 そしてこのシーンのもう一つの見どころは、この事件を見守っている人々の動きを見ると「誰が犯人か」が解るように作ってあることだ。この作品を見た人なら説明するまでもなく「犯人はキシリア」だと解っていることだろう。サスロに「兄姉に対しても冷徹」を演じさせておいて、姉のキシリアがそれ以上の非道をするという展開もすごいが、このキシリアが演じた非道は本話のラストシーン(名台詞欄参照)で効いてくる。
 いずれにしても、旧作では全く語られていない物語がいきなり動き、物語はジオンと地球連邦という構図でなく、ダイクン家、ザビ家、ラル家の三つ巴の状態で本格的に始動し始めたシーンであることは確かだ。
感想  いよいよ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」がテレビ放映された。この作品はOVAとして発表済みではあるが、NHKが「機動戦士ガンダム」40周年を意識したのかどうかは解らないが、テレビシリーズとして再編集されての放映となった。このシリーズはこれまで制作されてきた「機動戦士ガンダム」の後日談ではなく、オリジナルの設定を活かした上での「前史」から始まっているというので機会があったら見てみたいと思っていた。それがようやく実現した形だ。
 だけどいろいろ不安もある、例えばキャストの大幅変更は避けられない点だ。「機動戦士ガンダム」を演じた役者さんの中には既に現役引退状態にある人もいるし、残念ながら亡くなっている方も多い。その辺りの成否も見ていきたい。
 この第1話は、今回の主人公であるキャスバル(シャア)とアルテイシア(セイラ)の父であるダイクンの死から始まるが、既にこの段階で旧作の雰囲気はうまく出していて第一印象は良かった。その第一印象が冷めないうちにザビ家の第三子サスロの暗殺へと話が進み、話が深刻になってきたところで唐突にランバ・ラルとジンバ・ラルがネタキャラに変わってゆくのは、ちょっと引きそうだった。
 ザビ家の人たちの雰囲気は良く出ていたけど、キシリアだけは「なんかちがう」と思ってしまった。ギレンの声が銀河万丈さんだったのは嬉しかったなぁ。ランバ・ラルが出てきたから「ハモンさんは?」と思ったらちゃんと出てきたのは嬉しい。しかも演じるのは峰不二子(二代目)とはビックリした。ジンバ・ラルは波平(二代目)…名キャラクターの二代目の人たちが頑張ってるなぁ。アルテイシアは旧作でララァを演じていた藩恵子さんの娘のめぐみさん…最近のアニメでもおなじみの顔ぶれが並んでいるなぁ。
 話が逸れた。そして今話のラストでは名場面欄シーンに少し書いたが、キャスバルとキシリアの1対1の対決が描かれる。どうせならここでキャスバルが手が震えていれば面白かったのにと思うの私だけだろう。ここでキャスバルのシャアへ通じるキャラクター制を一気に作り上げてしまったのは面白い。名台詞欄に挙げた台詞もそうだが、彼のキシリアの態度に対する不平や不満がうまく表現され、いずれ「ザビ家は許せない」と彼が強く考えるようになる下地がワンシーンでできてしまったのだ。あのシーンのキャスバルとキシリアの台詞選びもうまく、こっちを名場面欄にしても良いかなと思ったけど…やっぱりあのタイミングでのサスロ暗殺はインパクトがでかすぎた。
研究 ・物語の始まり
 本作は旧作である「機動戦士ガンダム」の前史時代として物語が始まっていて、「機動戦士ガンダム」でも描かれた宇宙移民の指導者ジオン・ズム・ダイクンの死が物語の始まりである。旧作で描かれたシーンが踏襲され、かつこの死がザビ家による陰謀であることが明確にされ、この物語を「機動戦士ガンダム」の前史的な位置づけであることを受け入れられた人は多いだろう。
 旧作と一貫しているこのダイクン暗殺事件の発生時期は宇宙世紀0068年と設定されている。「機動戦士ガンダム」で描かれた時代の10年前だ。「機動戦士ガンダム」におけるキャラクターの設定年齢から差し引くと、キャスバルは10歳、アルテイシアは7歳ということになるはずだ。
 この第1話の状況を劇中から察すると、スペースコロニーで生活している人々の地球連邦からの独立運動がとても大きくなっていることが解る。人々はデモ行為で独立を訴えるだけでなく、多くの人が暴徒化して警察や軍に反抗していることも見て取れる。ただしこれはダイクンによるプロパガンダの結果かも知れないが…いずれにしても宇宙移民の独立国家成立の機運が高まっていた時期であり、ダイクンは独立へ向けて最後の総仕上げ的なところまで来ていて、独立語の権力の座をザビ家が狙っていたというところであろう。
 国家体制的には「地球連邦」の元で各コロニーの自治政府のようなものがある状態で、ダイクンの活動によってその自治権の拡大が伸びるところまで伸びた状況だと考えられる。ダイクンにとってもうここから先の道は独立か服従かの二者択一しかないというところまで来ていたことは、冒頭の彼の台詞から解る。彼は既にサイド3自治政府の中心的な立場にあり、同時にナンバー2の座でザビ家やラル家が派閥争いをしていたということだろう。
 そして後にジオン軍になる組織は、この時代にはサイド3の自治防衛隊などの名目で存在していたようだ。キシリアやランバ・ラルが軍服を着て武器を扱っていることからも、これは避けられない事実であろう。
 だがこれらの動き全てに地球から進駐してきている地球連邦軍の目が光っていて、サイド3は独立国家としての体を成していないというのが実情だろう。劇中に出てきた警察機動隊にも地球連邦の紋章が入っているので、警察権もないか地球連邦の下でとか発揮できないと考えられる。
 いずれにしても、独立はしていないがのちのジオン公国となる骨格は全てできあがっているのは確かだ。だからこそ旧作「機動戦士ガンダム」と話は繋がるし、見ていてどこか懐かしい空気も感じるのだ。

第2話 「母との約束」
名台詞 「お優しいキシリア隊長なら、まさかそこまではなさるまいと思うよ。」
(ランバ・ラル)
名台詞度
★★
 兄妹を連れたハモンはなんとかモビルスーツの銃撃戦から抜け出し、ランバ・ラルと合流。兄妹とジンバ・ラルを貨物用コンテナに載せてカーゴ機に乗せることに成功する。こうして3人を地球へ密航させることに成功して安堵するランバ・ラルとハモンの前に、警備兵を引き連れたキシリアが現れる。そして「なかなかの手際だったけど、勝ったとお思い? 私の権限で今からでもカーゴの全便を止め、荷物を再チェックさせることもできるのよ」と突きつける。これに対するランバ・ラルの返事がこれだ。
 この台詞はたぶん普通の人ならそんなに印象に残らないと思うが、乗り物ヲタクの私だからこそ色々考えてしまったと言うのが正解だ。もしここでキシリアが言った通り、カーゴ便の運行を全て中断して貨物(キシリアは「荷物」と称しているがここは「貨物」というのが正解)の再検査なんかやったらどれだけ影響が大きいかという問題を考えたのだ。サイド3の各コロニーは離れ小島のようなものだから、ここで登場したカーゴ機はこのコロニーの物流を全て担っているはずだ。これを全便停めるというのは物流の完全停止を意味するのであって、この間にこのコロニーは物資の出入りが完全に停止することになる。
 「1日くらい物流が停止したってたいした影響はないだろう」と思う方もあるかもしれない。確かに悪天候などで運行停止の理由がすぐになくなるならばその通りだ。だがこのシーンでの全便欠航は、全ての貨物コンテナのチェックを意味している。つまりコンテナは全て開かれ、梱包されたものは中身が見える程度まで一度開梱して、これをまた元に戻すという手順を踏むことになる。この過程で物資が壊れたり紛失したりする可能性もあるし、何よりもこの開梱と再梱包に多大な労力を要する。その労力は何処に跳ね返るかというと顧客だ。
 つまりこの日にこのサイドから運び出そうとしている貨物全てが、このような形で人件費が余計に掛かったり、物資の破損や紛失の賠償などで大幅に運送費が上がってしまうのだ。これは間違いなく物価上昇に繋がる、物価上昇は経済に悪影響を及ぼし、宇宙移民の独立問題でただでさえ不安定な社会を余計な混乱に陥れる可能性がある。
 ランバ・ラルはこれが解っていてキシリアにこの台詞を突きつけたと思うし、実はキシリアもこれが解っていて「できるはずはない」がランバ・ラルを脅してみたというのが正解だろう。ランバ・ラルのこの台詞はキシリアの台詞が単なる脅しであると解っていて「できるものならやってみろ」ということで、その背景にはこれだけのことが隠されていてリアルだなーと思っていたのだ。
 もしキシリアがここまで考えていなかったら、キシリアは本気でカーゴ便を全部欠航させて貨物の再チェックをゃったと思う。ザビ家もそこまでバカではないということだ。
名場面 母との別れ 名場面度
★★★★
 キャスバルとアルテイシアの母であるアストライアが、ラル邸の敷地内にある塔に幽閉されることになった。そしてこの兄妹はジンバ・ラルと共に地球へ亡命することとなる。別れの朝、連邦軍のモビルスーツがラル邸の塔の前に現れる。そこから出てきた連邦軍の女性士官が「特別任務としてジオン・ズム・ダイクンの遺児2名を受領しに来た」と宣言、さらに士官が兄妹の前に立ち「アルテイシア様とキャスバル様ですね、お迎えに上がりました」と語るが、ここで素顔を見せた女性は連邦軍士官に変装したハモンだと解る。キャスバルが「あなた、クラウレ・ハモンさんですか?」と問えば「お母様にお聞きになっているのね、そうよ」と答えると兄妹は笑顔になりモビルスーツに乗り込む。モビルスーツ頭部の銃座に立った兄妹は、塔のテラスで手を振る母の姿を見つける。そして手を振り返すとモビルスーツは180度回頭して塔から離れる。ちぎれんばかりに手を振る兄妹と母、笑顔で手を振っていたがいつしか母と娘は涙を流している。アルテイシアがついに「お母様!」と叫ぶ、キャスバルは母の姿を目に焼き付けるかのように母の方を向いている。
 古今東西、この手のアニメで「序盤での母子の別れ」は物語の華であり最初の感動シーンであろう。この物語ではこの母子の別れを短時間で描いたが、そこに「もう二度と会えないであろう母子の思い」というのがしっかり込められている。何よりも印象的なのは互いに名前を呼び合ったりして無理矢理盛り上げるのではなく、このシーンのほとんどを無言で演じさせた点だ。兄妹がモビルスーツに乗り込んだ後の台詞は、アルテイシアが「お母様!」と一度叫んだだけである。実は別れのシーンをリアルに描こうと思ったら、こういう方が自然だと思うのだ。
 また母と娘の別れは涙涙で演じたが、キャスバルはここでは泣いていないのも印象的だし、これは物語を白けさせない効果もあったと思う。これで3人とも涙涙だったらなかなか次のシーンに行けないし、見る者を感動させすぎたらこの後のモビルスーツを使った決死の脱出劇が印象に残りにくくなる。だから全く感動させないのもダメだし、感動させすぎてもダメというさじ加減がすごくうまかったと、この第2話を全部見終えたときに気付くのだ。
感想  オープニングテーマが終わって、ラル邸に戻ってきた兄妹と母を待ち受けていたローゼルシアってばーさんは何者なんだ? 最初はダイクンの母かと思ったけどなんか様子が変。ここはどうしても解らないのでちょっと調べてみたら、このばーさんはダイクンの妻(正室)なのね。兄妹の母親であるアストライアは側室だったとは…こういう複雑な設定なら説明が欲しかったなー。
 しかし、その点を別にすれば今回はとても面白かった。ハモンが連邦軍士官の制服を着て出てきたときはどーなるかと思ったが、本作最初のモビルスーツ戦をあんなに面白く描くとは思っていなかった。これで一つ確定したのは、ガンタンクは「機動戦士ガンダム」の時代の前には量産機であったこと。さすがにトリコロールカラーではリアリティに欠けるという判断なのか、大幅に機体の色と形を設定変更して登場したけど、一目で「ガンタンクだ」って解ったもんね。
 そしてそのモビルスーツ戦の内容が、ガンタンクVSガンタンクというのも面白かった。これを銃座に座っているシャアが巧みに操り、敵を撃破してしまうという展開は良かったと思うし、その間にドタバタを演じるハモンとハモンに使われた連邦軍兵士も良い味出していた。
 しかしあれだなー…今回のキシリア様、おまえは毎日裸でベッドに入っているのか? 視聴者サービスにしてもちょっと不自然すぎるような…ハッ、男と一緒だったのか。
研究 ・カーゴ機について
 今話では名台詞欄にも書いたが、コロニーの港とここに発着するカーゴ便が出てくる。これはサイド3の物流状況を知る上で貴重なシーンであって、乗り物ヲタの私としては見過ごせないシーンだった。
 コロニーの港は「ドッキングベイ」と呼称されていて、今回はここから地球へ向けて出発するカーゴ機を使って主人公兄妹らを密航させるというけしからん話だ。兄妹とジンバ・ラルはコンテナに載せられ、チェックをうまくすり抜けてカーゴ機に積載されることで密航を果たす。
 まず3人が載せられたのは高さ1メートル、長さ2メートル程度の小さなコンテナだ。これに載せられた状況でまず物流センターのような場所でベルトコンベアに流れてくる。この物流センターは届いたコンテナを行き先別に仕分ける役割があると考えられ、例えば行き先が地球なのか、他サイドなのか、サイド3内の別コロニーなのか、と行き先別にまとめられるのであろう。宇宙からカーゴ機が到着すると、同じ設備を使って今度は自コロニーのどこへ行くか仕分けられ、行き先別にコロニー内の配達便に載せられるのだと考えられる。
 そして地球行きのコンテナなら、今度は地球上での行き先別に分けられるはずだ。カーゴ機は船内でいくつかの船倉に仕切られていて、この船倉が部屋ごとに「アメリカ大陸方面」とか「アジア方面」などというかたちで分けられているのだろう。コンテナはその行き先に従った船倉に積まれる。
 問題はこのカーゴ機の運航航路だ。ガンダム劇中世界では、「コロニー」の集合体が「サイド」と呼ばれていて、サイドごとに自治政治組織があると考えられる。彼らが出発した「ムンゾ」というコロニーはサイド3の首都コロニーと考えられ(政治運動主導者や自治政府の要人がいるため)、ここの港から地球や他サイドと言った「外国」へ直接「国際線」が出ているのは不思議な話ではない。たぶん同じように旅客便も運行されているのだろう。
 だが、今回3人が乗ったカーゴ便の始発港がこの「ムンゾ」コロニーであるかというとその答えはノーだ。この貨物便は、サイド3のコロニーをいくつか回りながら貨物を集め、彼らが乗ったコロニーはサイド3で最後の寄港地だったと考えた方が自然だからだ。すると首都から直接外国へ行く航路ともなるので不自然さはない。旧作「機動戦士ガンダム」ではサイド3は密閉型コロニー四十数機で構成されているという設定だったから、地球、月、その他サイドで国際便が6路線あるとすれば、サイド3内でそれぞれ6〜7コロニー回ればいい。そして最終寄港地の「ムンゾ」で、例えば地球行きの便に月行きの貨物が乗っていればそこで積み替えて、それぞれ目的地を目指せば効率的だ。
 このような航路を取るのは貨物便だけだろう。旅客便はサイド内のコロニー間を結ぶ国内線と、地球や月や他サイドを結ぶ国際線に分離していると考えられる。貨物は積み替えで荷役が発生するので直行が好ましいが、人は案内さえ的確であれば自分で歩いて乗り換えてくれるのでこうした方が効率的だからだ。
 うーん、ガンダム世界のコロニーにおける公共交通機関というのを考察した人は、他にいるかな…。

第3話 「エドワウとセイラ」
名台詞 「それならばこの家を出て、外で勝手にそういう企てをするがいい。あなたにそれだけの覚悟があり、あの二人もそれについて行くと言うのなら、私も潔く親権を放棄しこの3年余りのことは全て忘れよう。何でもないことだ、あの子たちが生命を賭けた戦いに立とうと決意することに比べれば。」
(テアポロ)
名台詞度
★★★
 宇宙移民指導者ジオン・ダイクンの遺児が地球に亡命してから3年、キャスバルとアルテイシアはジンバ・ラルとともにテアボロ・マスという人物に引き取られ、マス家の子として生活していた。そんなある日、ジンバ・ラルは「アナハイム社」という軍需企業と手を組んで、サイド3で武装蜂起を起こしてザビ家を追い落とす陰謀を図る。これがテアボロにバレてジンバ・ラルは彼の叱責を受けることになる。しかしジンバ・ラルはアナハイム社の強力とダイクンの遺児の存在によって成功すると強く訴えるが、これにテアポロは2人は自分の子だとした上でこの台詞を吐く。
 もちろん、テアボロが2人を引き取ったのは恩人か誰かに頼まれて最初はやむを得なかったのだろう。当初はそうだったからこそ、ジンバ・ラルは2人が「キャスバルとアルテイシアとして」自分の思い通りにできると考え、そのように扱おうとしたことがこの台詞を中心としたシーンから見えた来るから面白い。そしてこの台詞はその間に流れた3年という月日が、このテアボロという男は引き取った二人に対する情が与えていたのだ。こうなると男に現れるのは「父性」というもので、この台詞にこの男の「父性」が強く描かれているからとても印象に残った。
 そう、この段階でのテアボロにとっての願いは、二人の子供がまっすぐ健やかに育つことであり、彼らの希望通りの人生を歩むことだ。だからジンバ・ラルの武装蜂起に対して、本人たちが協力するというのなら二人を快く送り出す覚悟はある。だが現状の二人は違う、一時的であってもここでの平和的な生活が続くことを望んでおり、二人を連れてきたジンバ・ラルによってもそれを破壊することは許されない…そんな強い意志を読みとれるのだ。
名場面 モビルワーカーのテスト 名場面度
★★★★
 ジンバ・ラルが暗殺されてもサイド3にとどまっていたランバ・ラルはある日、酒場で乱闘騒ぎを起こす。そこに現れたのはドズル・ザビであった。ドズルは「頼みたいことがある」と言って酒場からランバ・ラルとハモンを連れ出し、隣のコロニーにある実験設備へと連れて行く。そこでランバ・ラルは後に「黒い三連星」と呼ばれることになるガイア・マッシュ・オルテガの3人と再会し、そこで3人が同じ任務でここに来ていることを知る。そして「実験開始」の声と共に実験司令室のモニターには様々な情報が映し出され、続いて「ガンダム」ファンなら誰もが見たことがある「モノアイがキラーっと光るシーン」が現れる。すぐに司令室のドズルが「モビルワーカー01、これで連邦を叩きつぶす」と力強く言う。実験が始まるとオルテガが操るモビルワーカーは順調に歩行し、やがて走り、ターゲットとして用意されたガンタンクとの戦いに挑む。「モビルワーカー」はその走行と機敏な動きでガンタンクの主砲をうまく交わし、ついにはガンタンクを倒すことに成功する。
 うーん「やっぱりガンダムはこうでなきゃ」というシーンがやって出てきた。今回登場したのはまだ「モビルスーツ」として完成していない実験用の機体であるが、だからこそこれまで設定以外語られてこなかった「ジオンのモビルスーツ開発秘話」みたいな展開になって面白い。この実験用の機体には様々なケーブルが繋がっていてとても実用レベルではないが、何よりもその「強さ」を感じるようにうまくシーンが作られている。男の子としてわくわくするメカシーンがやって出てきたと、画面を見ながらニヤニヤしてしまった。
感想  唐突に3年の月日が過ぎている。キャスバルは13歳でアルテイシアは10歳であることが冒頭シーンで読み取れよう。キャスバルはエドヲウ・マス、アルテイシアはセイラ・マスと名乗っており、まずは妹が旧作「機動戦士ガンダム」で名乗る名前で定着する。しかし、13歳のキャスバルを池田秀一さんが演じるのは無理があったと思う。年齢的にはもうちょっとあどけなく描いた上で、演じるのは田中真弓さんのままで良かったんじゃ…。
 それはともかく、いよいよジンバ・ラルの死が描かれる…って、旧作ではジンバ・ラルって明確に死んだことになっていたっけ? そりゃともかく、もちろんここで描かれるのは兄妹の危機だ。だってジンバ・ラルを暗殺するのはどう考えてもザビ家だし、ザビ家がジンバ・ラルだけ殺してダイクンの子を見過ごすはずがない…と思ってみているとその通りの展開になり、「どうやってここを切り抜けるんだろう?」とハラハラドキドキしてみていると、なんか旧作最終回のシャアとアムロのフェンシング対決を彷彿とされるやり方で、キャスバルが暗殺者を倒しちゃうものなー。でもそれよりも何よりも、テアボロが生きていたのにはもっとビックリした。
 そして今回、もっとビックリしたのはミライさんが出てきたことだ。しかも現代風の女子中高生の制服姿で…ミライさんといえば、旧作でミライさんを演じていたチャコこと白石冬美さんは先日亡くなったばかり、誰が演じているんだろうと思って見ていたけど、今回は「あっ」と一言言うだけで誰が判別できずエンディングでキャストを確認したら…当サイトではミーナ・パタゴスでおなじみの藤村歩さんではないですかー。「団地ともお」のケリ子と印象が合わないぞーと思ったけど、旧作のミライさんはパタリロと同じ人が演じていたと思えばたいしたことはないか。話が逸れた。
 しかし、酒場で歌うハモンさん良いなぁ。前回までは弾けすぎていてハモンさんらしく見えなかったけど、今回は旧作のハモンさんの雰囲気が良く出ている。峰不二子(二代目)と中の人が同じっていうのが、なんか納得。
研究 ・宇宙世紀の公共交通機関
 今回、旧作では描かれなかった私にとって最も興味深い物がでてきた。それは地球とサイドを結ぶ公共交通機関だ。エンディング後のエピローグシーンに、地球の公共交通機関としての宇宙港が描かれているので、ここから宇宙世紀における宇宙での公共交通機関について研究したい。
 まず冒頭で出てくるのは、宇宙船(旅客機)が発進シーンだ。全長は現代の旅客機とほぼ変わらない宇宙船が、機体尾部に着けられたロケットエンジンから火を噴いて発進する様が描かれている。発射台は現代のロケット発射台のように垂直ではなく、45度位の傾斜を持った構造となっている。これは旅客の快適性を考慮してこのような形になっていると考えるべきだろう。垂直に打ち上げれば短時間で宇宙空間にたどり着けるが、その代わりに発射時には座席は上を向いているから乗客も上向きになってしまう問題や、打ち上げ後に乗客が強烈な加速力によつて椅子に押し付けられるかたちとなり、これに不特定多数が乗ると乗り物酔いの多発などとんでもないことになるだろう。だから斜めに打ち上げてゆっくりと加速して宇宙速度まで速度を上げてゆくに違いない。スペースシャトルが宇宙空間に達するまで約8分だったが、この旅客機はもっと時間を掛けて宇宙空間まで行くのだろう。
 この発射台は必ず東を向いているはず、なぜなら少しでも加速Gを感じさせないため、地球の自転速度も借りて旅客機は宇宙速度まで加速するはずだからだ。だから強烈な横風の日などは欠航になることも多いと考えられる。宇宙に達すると一旦は地球の周回軌道に入り、適切なタイミングでエンジンを吹かして軌道を変化させ、目的地のコロニーや月へ行くという飛行方法を採っているのだろう…って、エピローグシーン冒頭だけでこんな妄想が膨らんだぞ。
 続いて空港の出発案内板のような運航便の表示器も出てくる。12便先まで表示されているが、この中に月のグラナダ行きが2本表示されているのはある意味興味深い。また「ジオン」という行き先もあるが、まだこの段階では「ジオン」は人名でしかなく地名にはなっていないような…。そりゃともかく、この表示板からこの時代、宇宙船による旅客運送事業を行っている会社が少なくとも6社あることが解る。個人的な予測では地球上に1社(地球連邦も出資の第三セクター?)、各サイドに1社で7社程度あるのではないかと考えている…って、ここも妄想が膨らむなぁ。
 今回、兄妹がテアボロに連れられてサイド5の「テキサスコロニー」へ行くためにこのような交通機関の利用になったようだが、彼らが乗ったのはサイド5の「ルウム」と呼ばれるコロニーへ行く便だ。「ガンダム」の設定でよく出てくる「ルウム」はサイド5の首都コロニーと考えられ、「ルウム」で彼らは「テキサスコロニー」行きの便に乗り換えると考えられる。
 つまり、前話での私の推理はだいたい当たっていたということだ。前回の繰り返しになるが、旅客便は地球や月と各サイドを結ぶ国際線と、サイド内のコロニー間を結ぶ国内線に分かれているのだろう。今回登場した旅客機は地球とサイドを結ぶ国際線ということになる。今度はコロニーにある旅客ターミナルを見てみたいなぁ。

第4話 「さようならアルテイシア」
名台詞 「どうして? どうしてみんな行っちゃうの? どうしていなくなっちゃうのよ? お母さんが死んで、ルシパも死んじゃったのに、お兄さんまで…。待って! 行かないで兄さん! キャスバル兄さ〜ん!」
(アルテイシア)
名台詞度
★★★★
 母の死の知らせを受けたアルテイシアに、幼い頃から飼っていた飼い猫の死という辛い出来事が続く。アルテイシアは飼い猫ルシパの墓を、母の墓石の前に作ってルシパを弔っていた。そこへよそ行きの服装をしたキャスバルが現れる。キャスバルは妹に「ルウムの学校へ行くからしばらく会えない」と告げるが、アルテイシアは「シャアさんの行っていた学校? あの人はジオンへ行って軍人になるのよ」と返す。だがキャスバルは「関係ない、僕は僕だ。さようなら、アルテイシア」とだけ告げると、アルテイシアに背を向けて歩き出す。するとアルテイシアはこの台詞を語り出し、やがて兄を追いかけ始める。
 この台詞は本作で初めての旧作「ガンダム」にその一部があった台詞と言って良いだろう。旧作でセイラが兄との別れを思い出した回想シーン通りのシーンとなるが、その時に旧作アルテイシアが「キャスバール兄さ〜ん!」と叫んでいた台詞の裏には、こんな行間があったんだというのを上手く再現したと感心した。
 旧作のセイラ・マスは心の奥底に悲しみを秘めているキャラクターとして上手く描かれており、その背景に幼い頃に両親と引き裂かれただけではなく、母の死や兄との別れという様々な苦難を乗り越えてきたことは示唆されてはいた。だがこれを今回は具体的なかたちで描き、「飼い猫を喪う」という子供ならではの悲しみまで一度に襲ってきたことで彼女の心が疲弊したことに上手く説得力を持たせている。
 恐らく、子供らしいアルテイシアの姿が見られるのはこの台詞までで、次からこの少女はあの旧作に出ていた「セイラ・マス」の性格に似てくるんだと思う。いや、そうでなきゃ説得力が無いでしょう。
 しかし、本作でアルテイシアを演じている藩めぐみさんは、旧作「ガンダム」の「キャスバルとアルテイシアの別れの回想シーン」を見て、その時の雰囲気に上手く演じてくれたんだろうなぁ。
名場面 シャア・アズナブルとの出逢い 名場面度
★★★
 前話で暗殺者に生命を狙われた結果、キャスバルとアルテイシアはテアボロ・マスとともにサイド5のテキサスコロニーへ移住した。自宅に落ち着くと、早速テキサスコロニーの「自然」の中で乗馬を楽しむ兄妹であったが、キャスバルは馬の扱いが上手く、馬を上手く扱えないアルテイシアは置いて行かれてしまう。そのアルテイシアの前にキャスバルが戻ってきたように見えたが、よく見るとその馬に乗っている人物は兄に似ているが違う人物であることにアルテイシアが気付く。やがて馬はアルテイシアの前に止まると、乗っていたキャスバルそっくりの男が「勇ましいカウボーイだね、名前はもしかしてセイラ・マス?」と尋ねる。少女が頷いたのを確認した男は「僕はシャア・アズナブル」となのり、兄妹が来ることやそのうちの兄と同年齢であることを語り出す。この男はアルテイシアに乗馬の基本を一通り教えると今度は戻ってきたキャスバルと出逢い、キャスバルとシャアは意気投合する。
 正直言って「そう来たかー」と思った。旧作「ガンダム」を見て大人になってから湧いたの疑問というか、謎が一つ解けた思いだ。
 旧作「ガンダム」ではキャスバルがシャアになって出てきているが、シャアがジオンの子だという正体が明らかになったときから「キャスバルはどうやってシャアになったのか?」「シャア・アズナブルという名はどこから出てきたのか?」という疑問がついて回っていた。旧作「ガンダム」でシャアが民間人として出てきたなら大きな問題ではない、だがシャアはジオン軍の軍人、それも士官として登場している。士官である以上はそれなりの軍人教育を受けている…要は士官学校を出ているわけで、そのような教育を受けるなら軍に身分をハッキリさせる必要があるはずだ。いつどこで生まれたか、両親は何者か、学歴とどんな教育を受けたか…等々。もちろん立場的にキャスバルが本当の経歴で士官学校などは入れるはずがないし、だとすればシャアという偽名を語れるはずもない。かといって「自分はシャア・アズナブルである」と名乗るだけでは、経歴がないのだから士官学校など入れるはずがない。
 このシーンを見た瞬間、「このキャスバルのそっくりさんがシャア・アズナブルという名だったら、謎は全て解けるのになぁ」と思っていたらその通りの展開になって驚いた。つまりキャスバルは何らかのかたちで、この時に出会った「シャア・アズナブル」という人物になりすます訳だ。この後、テキサスコロニーの店でキャスバルが喧嘩をするシーンがあるが、これを見て「キャスバルは何らかのかたちでシャアを殺し、自分が死んだことにして入れ替わる」という展開まで読めた。これは当たったようで当たっていない、キャスバルは自らシャアに手を掛けたわけではなく、自分の生命を付け狙うジオンの暗殺者にシャアを殺してもらうという手段を取ったのだから。キャスバルは上手くやったなー、この展開ならザビ家から見ればキャスバルは死んだことになっているからもう暗殺者に付け狙われることもない。ザビ家への復讐も、暗殺者に付け狙われるリスクがなくなっていやりやすくなったわけだ。
感想  この第4話は見どころが多くて、名場面欄と名台詞欄にどれを挙げようかとても悩んだ1話だった。オープニングテーマ前の冒頭シーンでは、ハモンがアストライアの元を訪れて昔話をする(知り合いだったのね)。ここからもいろんなことが分かってきて面白い。そうかそうか、ジオン・ダイクンは妻がいる身でありながら、クラブの歌手とデキちゃったのね。こうして妾として家に住まわせ子供を作るまでになったのか。ランバ・ラルとハモンの関係も似たようなもんなのか…でもハモンはただのクラブの歌手ではなく、なんか色々と裏世界に通じているようだ。
 そして今回の肝であるキャスバルとシャアの出逢い、ここは名場面欄に書いたからもう良いだろう。キャスバルとシャアの入れ替わりが実行されるのは次話辺りかなと思って見ていたら、あれよあれよという間にシャアの士官学校入りが決まって、あれよあれよという間にシャアが死んでキャスバルがそのままシャアになりすますもんなぁ。
 しかしキャスバルは、妹には「ルウムへ行く」と言って出てきたのに、宇宙港旅客ターミナルでは「ジオンへ行く」とシャアに無理矢理ついて行ってるもんなぁ。キャスバルは何処で自分が暗殺者に付け狙われているって分かったんだろう? いずれにしろ「ジオンに着くまでに自分は暗殺者に殺される」という絶対の自信が無いとあれはできないだろう。さらに具体的に言えば自分が乗った宇宙船(旅客機)が爆破されることを知っていたということか…恐らく、シャアの鞄の中から出てきた拳銃はキャスバルがこっそり忍ばせたものだろうし、士官学校入学の書類は入れ替わったときに奪った(書類鞄を渡すよう訴えている)ことはしっかり描かれている。ホント、うまくやったと思う。
 そしてキャスバルとしてシャアが乗っていた旅客機は爆破されるが、この首謀者がキシリアであることは旅客機の出航シーンで明白だ。キャスバルやアルテイシアがテアポロと一緒にいれば、それなりに警備の目があったりして暗殺はやりにくかったのだろう。だがキャスバルが一人で出かけるとなれば絶好のチャンスという訳だ。キシリアがテキサスコロニー兄妹を見張っていたのは言うまでもないし、キャスバルがこれを見破っていたのも当然だ。だからキャスバルは出かけるにあたって、乗る便などを言いふらしていたのだと思う。
 士官学校の入学式シーンでは、あのガルマも登場だ。いよいよ旧作「ガンダム」に繋がる展開になってきたぞ、シャアとガルマがどんな友情劇を演じるのか見物だ。
研究 ・宇宙旅客船
 本話では宇宙旅客船が出てくる。前話でも出ているじゃないかという声が聞こえそうだが、今回出てきているものは前回出たものと様相が違う。前話で出てきたのはあくまでも「地球とコロニーを結ぶ旅客機」であり、地球の大気圏を離脱する乗り物だ。だが今回のは違う、宇宙間を結ぶ宇宙船であり、地球への発着が不可能なタイプであろう。
 機体を見ると「LUNAR LINE」というロゴが確認できるが、これは宇宙で旅客輸送をしている事業者の名前と考えて良いだろう。乗ったのはサイド5「ルウム」からサイド3「ジオン」へ行く便で、107便という便名もハッキリしている。出発地も終着地もサイドの首都コロニーと考えるべきで、キャスバルとシャアはこの107便に乗るためにテキサスコロニーからサイド5首都コロニーへ移動したと考えるべきだ。
 機体は長さ100メートル程度、横幅は30メートル程度、客室は4層に分かれていると考えられる。この宇宙船は無重力状態のみでの使用が前提で、客室は上下対称ではないかと推測できる。機体の大きさから読み取れる定員は、オールエコノミーなら2000人位ではないかと推測される。もちろん「ガンダム」世界では貧富の格差があることは明白なので、客室はオールエコノミーではなくファーストクラスやビジネスクラスなどもあるだろう(シャアが乗ったのは座席のサイズなどからビジネスクラスと考えられる)。機内食を提供するためのギャレー(賄い室)もあるだろうし、トイレだって必要だ。この分を差し引くと定員は1200人規模ではないかと推測される。
 客室だけではなくあらゆる設備が上下対称で設置されているだろう。外観だけでは操縦席らしい部分も上下対称で設置されていることが分かる。ただし後部側は安定翼の有無などで上下が決まっている。安定翼と機体後部両側にエンジンがあって、離発着時はこれで推進して他は慣性航法としているのだろう。機体両側面には航海灯のようなものが着いているが、これは何故か両側とも「赤」なのが解せない。う〜ん、右舷側は緑色にして欲しかったところだ。
 さて、今回はこれだけの宇宙船が、無慈悲にもキシリアの手によって宇宙空間で爆破されてしまう。恐らく爆破そのものはジオンの領空で実行されたと考えられ、爆発物が仕掛けられていたことなどは伏せられて「事故」として処理されたことだろう。もし運行事業者の「LUNAR LINE」と機体を製造したメーカーがジオンにあれば、ザビ家の力で事故調査結果を書き換えることはできるはずだ(ただしこのどちらかが連邦側だったらそうは行かない)。この爆破によりシャアだけでなく、満員であれば1200人程度の乗客が全員死亡したと考えられる。満員と想定するには理由があり、爆破直前の客席シーンで全ての座席が埋まっていることが確認できるからだ。キシリアはたった一人の男を殺すためだけに、善良な市民1200人を巻き添えにしたのだ…恐ろしい女。
 しかし、「ガンダム」世界では旅客機まで宇宙を飛べば無重力なんだなー。客は全員シートベルトを着用したままに違いない、だってそうしないと勝手にどこかふわふわと飛んで行ってしまうから…。

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