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「撮り鉄」から十数分後、私は田野畑駅前に立っていた。ここは昨年のNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で「畑野駅」として登場した駅として話題になる。
この日は平日でまだ朝が早いこともあって、「聖地巡礼」の観光客の姿はない。そして一昨年と同様、今回も「乗り鉄」のスタートはここだが、一つ違うのはそのときと逆方向に出発することだ。前回ここに来たときは久慈へしか鉄路はつながっていなかった。
しばらく待っていると本日最初に乗る列車が来た。宣伝が賑やかなこの車両に、これから昼前に久慈に着くまで世話になる。
すぐに宮古側のトンネル内が列車の前照灯で明るくなる。ここですれ違う久慈行きだ。
 トンネルから顔を出したのは昔ながらの36型、しかもラッピングなどはないようだ。
やっぱり三陸鉄道はこうでなくちゃ、という単行の36-200型が田野畑駅に進入する。先月まではこちらから列車が来ることはなかったので、今回の旅の印象的な光景だ。
 上の列車が田野畑駅に停車すると、私が乗る宮古行きはすぐに出発。トンネルを2本くぐると島越駅に到着。列車はこの真新しい築堤を、ソロリソロリと走ってゆく。やっとここが復旧したと実感した光景だ。
島越から小本にかけては長いトンネルをくぐる。国道45号も最大級の難所の区間で、三陸の地の険しさを物語る一駅間だ。
 トンネルを抜けると眼前に小本駅が見えてきた。3年前、震災直後の旅行ではここまで。前方に見えるあのホームまで来た。だがそのときはここの線路を通れなかった。
運転士が集札に出ている間に、36-200型の運転台を撮影してみた。いよいよこの運転台に「時代」を感じるようになって来た人も多いことだろう。
列車は宮古駅に無事到着。この駅にやってきた2011年5月、鉄路は途中で途切れていて今のコースを旅することはできなかった。これで震災後だけで三陸鉄道を完走したことになる。今日は今回の旅だけで三陸鉄道を完走することが目的の一つだ。
今度はすぐに折り返し列車で久慈へ向かう、車両も乗務員も同じまま。出発して最初の交換可能駅である 一の渡 で宮古行きとすれ違い。こちらは我が家の近所にもあるショッピングモールの広告だ。
田老と摂待の間にある長いトンネルは、その名を「真崎トンネル。と言う。このトンネルは三陸鉄道開通から神戸の北神急行開業までの間、国鉄(JR)以外の路線で最も長いトンネルであった。
また島越に戻ってきた。ホームの端には三陸鉄道復旧に支援をしてくれたクウェートへの感謝メッセージが…。
列車はさらに北上、一昨年の旅行で「撮り鉄」をした堀内駅が見えてきた。ここは景色や雰囲気が良くて人気がある駅の一つだが、前述の「あまちゃん」で主人公の最寄り駅として登場してからはさらに人気の高い駅に。

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