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3.8000系「エレガン都エクスプレス」
この精悍な表情が京阪電鉄の「顔」だ

 京阪電鉄の主役と言えば京都と大阪を結ぶ特急列車、この主力として活躍しているのがこの8000系である。そして私が京阪電鉄の本線系で一番好きな車両はこれだ。正直、1989年秋に始めて見たときに一目で気に入り、翌年に大阪へ来たときにはまた1編成しかいない8000系特急に乗るため、出町柳で3000系特急を何本も見送って初めて乗った。外見の精悍さとは裏腹に美しく華やかかつ落ち着きのある内装に癒され、またどっしりとクッションが効いた転換クロスシートも非常に気に入った。私は転換クロスシートはその構造上の問題で掛け心地が悪いという考えを持つ論者だが、それも京阪電鉄のように座席のクッションや座席セット時の角度に気を遣えば話は別だと思っている(同じことは阪急6300形の転換シートにも言える)。正直言って、どっかの新快速のようにペラペラの転換シートなど座る気も起きない(私はそのどっかの新快速に乗るときは可能な限り「かぶりつき」である)。
 実車は前述の通り、1989年秋の鴨東線(三条〜出町柳)開通と同時に特急運用が1本増えたために1編成登場した。同時に一部6両編成だった先代3000系を7両編成にするため、中間車だけが余計に製造されて先代3000系に組み込まれている。本来は特急は先代3000系主体で8000系はあくまでも不足分を補うだけという予定だったが、この8000系があまりにも好評なので計画を変更して、特急をすべて8000系に置き換えることに急遽変更したというのは有名なエピソードだ。8000系に乗りたくて出町柳や淀屋橋で先代3000系を見送ったという客は私一人ではなかったのである。
 結局は8000系の本数が全部揃い、先代3000系が残り1編成と言うところで必要な特急車両の数を見直し、先代3000系は1編成だけ残る事になった。この先代3000系二階建て車両を組み込んだところ好評で、特急を7両編成から8両編成に増強する際には8000系全編成に二階建て車が1両ずつ組み込まれ、さらに重厚な装いとなったのは記憶に新しい。ちなみに1編成残った先代3000系も8000系の一員とされ、現在は8000系30番台を名乗っている。

 模型は破竹の勢いでこれまで製品に恵まれて来なかった人気車両を世に送り出してきたマイクロエースから発売された。最初のラインナップは登場時の7両編成と、二階建て車を組み込んだ8両編成。私は後者の二階建て車組み込みの8両編成を購入した。理由は何故か両者で黄色の色合いが違い、8両編成の方が実物に近いと判断したためである。ちなみにマイクロエースの京阪特急であるが、先代3000系となるとこの黄色が目茶苦茶で、私としては最初に出た「未更新7両編成」と最近出た「8030系セット」以外は気持ち悪くて見ていられないと思っている。
 購入して行き先は個人的な好みで「特急 出町柳」としたが、種別の方は昔の黒地赤文字表示のものにした。これは気が向いたら二階建て車を連結せず7両で走らせて登場当時の雰囲気を愉しもうと思っているからである。ただ「女性専用車」の表記が邪魔だけど。再現で最も苦労したのはハトのマークの特急標識、そのまま貼り付けるとどうしても質感が変わってしまい「表示窓の内側に表示している」感が出ない。色々考えてこの特急標識は、車体を分解して貫通扉の裏側から貼り付けたら、ものすごくよい雰囲気になった。同時に前面の行き先と種別も、これらの表示を光らせる導光パーツに貼り付けて「ガラスの内側」感を表現した。
 しかしこの8000系、ケースの緩衝材が車両に対してとてもきつくて、箱にしまうと中間妻部の幌が曲がるというとんでもない状況だ。最初に購入したときには既に幌が曲がっていて修正もできないという悲惨な状況で、本来ならば回収修理をお願いしたいところだ。また同じ理由で屋根上パーツの破損にも気を遣う必要があり、特にテレビカーのテレビアンテナや先頭車の列車無線アンテナが折れないかと、出し入れするときは冷や冷やものだ。購入して最初に箱から出す際に大阪方先頭車の列車無線アンテナが破損、やむなく他製品の余剰パーツで(ずっとそのままになりそうな)代用している状況である。

 色々苦労はあったけど、京阪特急の雰囲気を我が家で再現してくれる。今度は新塗装の8000系「エレガントサルーン」と、先代3000系が欲しいところだ。上記で書いた通り手に入れるなら未更新時代のセットか、現行8030系セットかのどちらかだ。
カーブを行く8000系
「前パン」とこの精悍な顔が京都方先頭車の醍醐味だ
レイアウトの川を渡る
でもこの車両に似合うのは巨大な赤いトラス橋だ

現在の京阪特急の華は二階建てだ
側面のイラストもこの模型は美しく再現している
二階建てが行く
重厚な二階建て車がカーブを豪快に飛ばすのが京阪特急の魅力

大阪方からみた編成写真
ここのレイアウトでは8両編成が短く見える

4.3000系「COMFORT SALOON」
京阪電鉄の新しいイメージリーダー

 京阪電車の最新車両は、中之島線開通と同時に投入された「新」3000系である。中之島線乗り入れ最優等列車である「快速急行」用としてラッシュ輸送と遠距離輸送の双方を兼ね備える設備と、これまでの京阪電鉄にはない新しい外見を持って2008年に登場した。以来中之島線系統の列車を中心に使われていたものの、現在は中之島線優等運用から撤退して8000系と共に京阪間の特急として使用されている。
 私は中之島線に初めて乗った時、この3000系快速急行で中之島から出町柳まで通して乗った。8000系同様にクッションを効かせただけでなく新素材で肌に優しいシートにも惹かれたが、私が強く惹かれたのは何よりもその外見である。これまでの京阪電鉄からは考えられない青を基調とした色遣いだけでなく、「円」をテーマにした前面スタイルも「これまでにないデザイン」として私に強い印象を与えた。特にこの半円状に配されたテールランプ兼標識灯は、私に良い意味で「あれえねー」と感じた。
 それよりも現在は何処の鉄道会社も、通勤電車はステンレスやアルミにアクセントラインを入れるだけである。いや、通勤電車だけでなく特急電車でさえもそういう電車になりつつある。そんなご時世にこの3000系は通勤電車でありながら、全面塗装車体で出てきたのが驚きであった。ここにも京阪電鉄がこの車両と中之島線へ賭けた思いが伝わってくる。

 さて、模型の方はこの車両がデビューしてすぐに関西私鉄のラインナップを強化しつつあったグリーンマックスから発売された。グリーンマックスの車両は高価なのが難点だが、この車両に惚れ込んだ私はすぐに購入を決めた。というかこの3000系の模型を買ったことが我が家で京阪電車のラインナップが強化される最大の理由になるのだが。
 まず中間の連結面間が長いのはKATOカプラーにすることで対応、だがグリーンマックス名物なのだが動力車だけはどうしても連結面間を狭くすることができずここはまだ研究の余地がある部分だ。製品はナンバーがレタリング方式なので自分の好きな車番が選べるので、私は自分が最初(で今のところ唯一)に乗った時に合わせて3003番の編成に、行き先もその時に合わせて「快速急行 出町柳」を入れている。
 この模型は3000系の雰囲気は良く捉えていて、特に先頭車のレタリングはきれいに決まっていて実物の雰囲気を良く出している。またこの車両独特の屋根の高さからくる細長い表情の再現力も上手く、さすがグリーンマックスといったところだ。だが欠点はパンタグラフの上がったときの形状がちょっと「?」のこと。「シングルアームパンタグラフってこんなだったっけか?」といつも思うが、何がおかしいかまだ解らない。それとパンタ脇のヒューズボックスが異常なほど外れやすいこと。これはユーザ取り付けパーツだが、何度接着してもポロポロこぼれてくる。タミヤセメントが効かない材質なだけかな?
 もう一つ言うと、特徴的なテールランプや標識灯が暗いことだ。あれだけの特徴がある部分なのだからここは「はっきり光る」ようにして欲しかったなー。

 この模型と上記の8000系を購入してしまったことで、私の中で京阪電鉄を集めたいという欲が沸き上がり、そこへここ数年で京阪電車のNゲージ模型のラインナップが豊富になってきたこともあり、次のページに記す緑色の通勤電車が我が家に入線する引き金となった。

京都方からみた編成写真
国鉄在来線15両対応のホームが長く感じる
大阪方から見た編成写真
ホームの向こうを特急が通過

大阪方先頭車のズームアップ
この車両の持つ独特の面構えと「細長さ」が上手く出ている
カーブを行く
やっぱ京阪電車にはこういうシーンが似合う
2200系と並ぶ
同じ会社の車両とは思えないがセンスは似通っていると思う

次からはこの緑色の電車の登場だ

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