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追加3.2100形
現在の京急のフラッグシップ

 ここからは現在の京急の話にしよう。京急の最速列車はかつて「快速特急」と呼ばれていた「快特」という列車である。いつの頃からか都営地下鉄直通の「H特」という特急列車と「快速特急」を統合して、「快特」という新しい種別になったと理解すれば良いのだろうか。そしてその「快特」にも二通りの列車があり、かつて「快速特急」だった列車の流れを組む自社線内運用の列車「A快特」と、「H特」の流れを組む都営浅草線乗り入れの「H快特」だ。どちらもそれぞれかつての運用記号であった「A」と「H」を名乗っていて、現在も1本交互に運行されているのも基本的に変わっていない。そしてかつての「快速特急」の流れである運用記号「A」の列車は線内運用ということもあって都営線乗り入れの制約もないため、「快特」専用のロマンスカーを投入している。これが2100形だ。
 2100形は1998年に登場した京急のロマンスカーだ。1982年から「快速特急」〜「快特」で活躍していたロマンスカー2000形の後継車として、「A快特」のために作られたと言って良いだろう。2000形は集団見合い形の固定クロスシートであったが、2100形では転換クロスシート(ただし客側では転換させることは出来ない)に変更されて座席は常に進行方向を向くようになった。さらに車内部品や制御器機に積極的に海外製品を使うなどの特徴がある。
 2100形が「A快特」に投入されると、これまでのフラッグシップだった2000形は3扉ロングシート化改造を受け、一般車に転用された。

 私はこの車両に何度か乗ったことがある。中でも一度だけふとした偶然から横浜から京急川崎まで最前列に乗ったときの感動は忘れない。大好きだった2000形の後継だったけどお気に入りの電車だ。昔の「快速特急」と変わらない走りっぷりは何度乗っても良い。

 京急のフラッグシップだけあって、模型の方でも昔から製品に恵まれていた。最初はグリーンマックスから塗装済みキットとして登場し、その後完成品へと進化していった。その後、破竹の勢いのマイクロエースからも本車の模型が出る。また塗装バリーエーションとして青く塗られた「ブルースカイトレイン」も、それぞれ模型になっている。これらが私も欲しかったが、ちょっと高いのと他にも欲しい物があったりでなかなか手に入れられなかった。
 ところが去年夏、この2100形が突然Nゲージの老舗KATOから発売予定となった。発売がちょうど年末ボーナス頃になるということでこれの購入を決定。初回のみ8両フル編成セットが出るということで、このセットを選んだ。

 購入して箱を開けるとKATOらしい美しい仕上がりにうっとりした。だが不満点もある、なによりも前面の行き先が差し替えできるのに側面がステッカー対応という点は不満というより困ったものであった。なぜなら側面に行き先ステッカーを貼ってしまうと、前面の行き先を差し替えたら前と横で行き先が変わってしまう。かといってステッカーを使用せず側面行き先に何も貼らなかったら、側面行き先表示の窪みは車体と同じ色に塗られているから、横の行き先が目立たず雰囲気が出ない。そこで私は側面行き先は、「白幕」のステッカーを自作して貼ることにした。行き先は真っ白、種別は「快特」の色で塗りつぶして文字を入れず、その間のスペースは黒という物だ。そのステッカーは下記の写真の下から二番目に映っているので参照して頂きたい。

 あまりにもカッコイイ京急2100形なので、たまに箱から出してうっとりしている。このところKATOが急に私鉄づいているから、今後とんでもない発売予定が出てこなければ良いけどなー。

橋を渡る2100形、通勤電車然とした両開き扉と、ロマンスカーらしい連続窓。関東大手私鉄ではこういう電車は京急だけだ。
先頭車ズームアップ。側面行き先表示の自作ステッカーが映っているのはこの写真。雰囲気だけ出るようにした。
前代ロマンスカーの2000形と並べる、2000形の大きなフロントガラスも良かったけど、2100形などのこの顔も好きだ。でもそろそろ違う顔を…と思ったら、この春登場の1800形でやっと違う顔になった。何年続けたんだ? この顔。

追加4.1000形(U)
カッコイイとは言えないけど…

 21世紀に入ると、京急では都営地下鉄直通用として使用を続けてきた1000形(T)の置き換えの必要に迫られていた。既に600形(V)による置き換えは進んでいたが、そのテンポをさらに早めるために新車の投入ペースを上げる必要があった。
 2100形の製造が終わった2002年、その1000形(T)置き換え目的の新しい都営浅草線乗り入れ車両として登場したのが、ここで紹介する1000形(U)だ。車体も足回りも2100形を純通勤電車化したような車両であるが、初期の車両では車端部はボックスシートとされた。登場時はまだ1000形(T)も第一線で活躍中で、京急線には2種類の「1000形」が存在していたことになる。
 2007年の増備車からは車体を中心に設計が大幅に変更された。その最大の変更点はアルミ塗装車体はステンレス未塗装車体に変わったもので、未塗装のステンレスボディに京急の赤と白帯をラッピング表現した。床下機器類も大きく変わり、車内も車端部のボックスシートが消えた。まさに別形式にしてもおかしくないほどの大幅なモデルチェンジだった。
 さらに2015年の増備車から、前面の非常扉が中央に移って幌座付きの貫通扉となった。これは先頭車を中間に組み込んでも、貫通化出来るようにすれば2編成併結でも地下鉄乗り入れが出来るという思想の設計変更だ。ステンレス車体のラッピングデザインも変更され、形式も便宜的に1800形と呼ばれるようになった。

 模型の方はグリーンマックスからまず前期車のアルミ車が登場。こちらもバリエーションで青いのや黄色いのが出ている。続いてステンレス車もラインナップに加わっている。
 私はこの現在の京急へ行けば必ず見られるほど数が増えたこの電車を、模型で揃えたいと考えていた。昨年にネットオークションで格安のを発見、これを落札して導入した形だ。手に入れたのは「二次車」の8両編成、1033編成の車番を打ち、先頭の連結器はTNカプラーに、中間はマイクロエースの短いアーノルトカプラーに変更するなど手を入れた。行き先は「快特51H 三崎口」を入れ、「H快特」を再現した。

 この模型はたまに出しては2100形と並べたり、最近では「H特」にした1000形(T)と並べたりして愉しんでいる。現在の京急で純通勤電車であってもそのセンスは強烈で、今度はステンレス車の模型が欲しいと思っているほどだ。

1000形(U)が橋梁を行く、角張っている窓などこの車両の特徴がよく出ていると思う。
KATOの2100形と並べてみた。なんかKATOの方が丸っこく見え、この顔の再現はグリーンマックスの方が良いかもしれない。
そして1000形(T)の「H特」と並べてみる。こうして見るとかつての「H特」は今も受け継がれているんだなと思う。どっちの電車も好きよ。

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