前のページへ


3.キハ183系500番台

我が家ではキハ183系500番台は2編成に
  国鉄時代末期、これまで北海道の特急で大活躍していたキハ82系は老朽化が進んで深刻な状態にあった。しかも国鉄分割民営を控え、このような老朽車両を新会社に移行させるのは得策ではないと判断されていた。そこで分割民営の前年、「国鉄最後のダイヤ改正」となった1986年11月ダイヤ改正で投入されたキハ183系増備車がこの500番台だ。
 500番台では車体構造を一新して連続窓スタイルとした、グリーン車はハイデッカー、前面は貫通扉付きの車体となった。屋根上ではキハ183系を特徴付けていた「新鮮外気導入装置」がなくなって一般的なベンチレーターが設置された。足回りも将来のスピードアップに供えて強化され、これは後年に130km/h運転を実現させる原動力になっている。車体塗装も一新され、白いボディに赤とオレンジのストライブという大胆な塗装となった。この新型は登場当時は釧路方面の「おおぞら」に集中的に投入され、一部が0番台車と混結で各方面の特急に使用された。分割民営を経て青函トンネル開業の1988年春のダイヤ改正で、増備車1550番台を加えて函館方面の「北斗」運用に加わり、後に殆どの車両が「北斗」運用に限定されるようになる。1994年までに「HET」塗装に変更され、この国鉄新塗装は姿を消す。
 私は北海道でこのキハ183系500番台もよく利用した。「おおぞら」では釧路で並んで最前列に乗ったり、「北斗」では少ないバイト代かせグリーン料金を出してちょっとした贅沢を味わった記憶もある。

 もちろん、この車両が模型で出るのをずっと楽しみにしていた。ところが1990年代前半に出てきたのは増備車の550番台であり、500番台ではなかった。だが550番台車も購入して前回記事にした。500番台車を何とかして手にしたいと色々考えたが、違いが多すぎてうまく再現できそうにないのでずっと諦め続けていた。。
 そして2016年、トミックスから500番台発売の情報が出た。この報せを20年以上ずっと待っていたんだぞー…20年越しの願いがやっと叶った500番台のセット内容は、「おおぞら」編成と「北斗」編成の2種類であった。
 そこで私は、まずこの「おおぞら」編成は増結単品も説明書通りに購入して、国鉄時代最末期の500番台が最も輝いていた編成を組むことにした。私がこの編成を見た時には既に分割民営していたが、敢えてJRマークのない国鉄時代を再現することにした。この「おおぞら」編成は、0番台の中間電源車キハ184と、キハ183系唯一のダブルエンジン先頭車であるキハ183−500のユニットが組み込まれた編成が再現できる。このユニットが当時の「おおぞら」500番台編成の特徴であったのは確かだ。
 そして、以前から持っていた1550番台もこれを機に編成組み替えを行うことにした。それは私が「北斗」で550番台だけのきれいな編成を見た記憶がないからである。1990年代販売の旧製品分を、今回発売の500番台車に置き換えることで私の記憶にある500番台車と550番台車混成の「北斗」を再現することにしたのだ。その内容は下図を参照して頂きたい。

 では、以下アルバム形式で今回トミックスから発売された500番台車を紹介しよう。
我が家では500番台はいきなり2編成になった。1本は国鉄時代最末期の「おおぞら」、もう1本は昭和最末期から平成初期の「北斗」を再現している。「北斗」は以前購入した550番台と混成だ。
では、模型の500番台と550番台の屋根上の違いを見てみよう。
これは先頭車、上が1550番台で下が1500番台。実は0番台に準じている方が、新しい1550番台で屋根上がスッキリしている。1500番台は色々と載っかっていて複雑だ。
車体は客用扉横のルーバーの有無がちゃんと再現されている。床下は台車以外は共通のようだ。
こちらは中間車、同じくキハ182の500番台と550番台の比較で、上が550番台で下が500番台。
550番台車は車端に大きな水タンクが載っているのが特徴だ。このタンクは実物でもよく目立つ。
車体の違いは、車端のトイレや洗面台の窓の違いや、貫通扉の違いなどまで再現されている。床下は先頭車と同じく、台車以外は変わっていない。
右から0番台、550番台、500番台のそれぞれ先頭車だ。500番台では先頭部の連結器がダミーカプラーではなく、TNカプラーが標準装備されている。でも550番台先頭車の色が正しいような…。
こちらでは同じ貫通先頭車である100番台を並べてみた。同じ形式とは思えない程違うなぁ。
「北斗」編成では、繁忙期の増結を再現できるように幌を取り付けてある。幌の有無でかなり雰囲気が変わる。
これが「おおぞら」編成の、キハ183−500とキハ184のユニット。これを再現したかったんだ。
これを再現できるようにセットを組んでくれたトミックスに感謝!
キハ183系500番台「おおぞら」編成が橋梁を行く、「おおぞら」はこういう日本的な風景を走ることはないんだけどなぁ、でも良い雰囲気。
上写真を角度を変えてみてみよう。やっぱりこの車体には、屋根上にベンチレータ類がゴチャゴチャ載っている方が似合う。
キハ183−500とキハ184のユニット側を撮影する。2両目に1両だけ0番台が入っているのが、見ていて面白かった。でもあのキハ184だけは乗らなかったなぁ。
カーブを行く500番台「おおぞら」、やっぱりこの車両には日本的な風景より、大陸的な大地の方が似合うと思う。
こちらは500番台と550番台の混成に編成を改めた「北斗」だ4両目以降で屋根上の様子が違うのがおわかり頂けるだろう。
この1500番台は、ネットオークションでバラで出ているのを見つけて落札して購入したもの。どうしても500番台先頭車が1両だけ欲しかったし、ハイデッカーのグリーン車をこれ以上増やしたくなかったからね。
500番台中間車2両は、普通に単品売りのものを購入した。
この写真が500番台と550番台が混成されていることが最も解りやすいと思う。500番台の位置は今後精査して考えていきたいと思う。
こういう目線で500番台を見ることは多かったなぁ。この塗装が消えてからもう20年…キハ183系ではこの色が一番好きだった、懐かしい。
キハ183系500番台の登場は1986年秋のダイヤ改正だが、同時期に四国に兄弟といえる気動車特急が登場している。
その兄弟であるキハ185系と並べてみた。顔は窓下のライトがないだけでソックリ。
だけどマイクロエースはこの顔を上手く再現し切れてないと思う。もっと立体的にできなヵったのかな?
キハ183系500番台は、今も北海道で姿を変えながら活躍しているが、兄弟のキハ185系は四国の特急運用から追われ、一部はローカルに格下げされたり、他の一部は九州へ移って九州横断ルートで活躍している。

前のページへ