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3.キハ85系「北アルプス」併結対応工事
もちろんこの併結運転をやってみたかった

 キハ8500系を入線させた多くの人が、実物同様JR東海キハ85系との併結運転を楽しみたいと思うだろう。私も例外ではなくこの併結運転をどう行うか、キハ8500系購入決定時点からずっと頭を悩ましていた。
 そしてその手法はとにかくキハ8500系が来ないことにはどうにもならないとして、現物が来るまで改造などはせずにそのままであった。
 我が家のキハ85系は、KATOが新製品として世に出した時に購入した物だ。当時は動力入り4両編成と動力無し3両編成を組み合わせた7両編成セットとして発売されたが、これでは実物同様の編成が組めないと2セット購入という派手なことをしてしまったものだ。そのうち1セットは中間に入るキハ85−100(貫通タイプ先頭車)にもヘッドライトが点くように改造し、貫通タイプが先頭に来る編成も含めてそれこそ自由自在に色んな編成を組んで楽しんでいる。今は2セット分の車両が完全に入り乱れてどっちがどっちの箱に入っていたか解らないほどになってしまった。
 つまり我が家には、貫通タイプの先頭車が4両、ヘッドライト点灯改造をした物とそうでない物が2両ずつあると言うことになる。キハ8500系と連結対応をするのは、このうちヘッドライト点灯改造した1両というのは決めていた。これは先頭に立ったときの連結器回りのディティールアップ改造も兼ねるためである。
 この改造はキハ85系の貫通タイプ先頭車にボディマウントTNカプラーをつけるものであり、ネット上を検索すると先人が苦労してつけた改造例はいくつかヒットする。だがそれを見てそのまま真似をすると後で取り返しの付かないことになる可能性がある、それは「カプラーの高さ」が問題になることだ。「先回り改造」を人の真似で行って後になってカプラーの高さの違いに気付いたら…連結運転どころではなくなる。
 だからキハ8500系が我が家に来てこちらのTNカプラー化が終わってから、キハ85の改造に取りかかることにした。その結果ネット上でヒットする作例でよく見られるような「台枠を削ってTNカプラーをはめる」という方式ではキハ8500系よりカプラーが高くなってしまうのではないかと推測した。もう一つはTNカプラー上面を平滑にして床板に取り付ける方法であるが、これではちょっと低いかも知れない…でも後者の後方の方がカプラー高さが近くなると判断し、こちらの工法を取ることにした。
 該当のキハ85貫通タイプ先頭車の、運転台側台車のカプラーを根元から切り取り、台車部分の前にある部品番号のモールドを削って平滑にした。一方TNカプラーの側も上面の凹凸を削って平滑にして、まず両面テープで仮固定。この状態で連結したら高さがほぼピッタリ合って思わずガッツポーズが出た。だがキハ85の方が少し低いような…。
 そしてTNカプラーを極小ネジで固定して完成。前ページ写真を撮ったのと同じ日に、近くの貸しレイアウトで併結走行試験を行ってみたのが以下の写真である。併結走行試験の結果は良好で、今回は試しにキハ8500系もキハ85系も両方とも動力車を入れた編成を組んだのだが、驚くほど動力が協調して安定して走ってくれたので驚いた。併結改造が原因と思われる脱線などもなく、まるで元から1つの編成かのように走ってくれる気持ちよさ。さらに言えば縮尺も上手く合っていて、マイクロエースはキハ8500系を作るに当たってKATOのキハ85を意識したのは間違いないだろう。
 続いて、キハ85系の貫通タイプ先頭車に幌アダプターを付ける改造を行う予定。既にパーツの購入は済んでいて、今は塗料を買ってないのでストップしている状態。

 キハ8500系併結対応改造を施したKATOのキハ85系貫通タイプ先頭車。
 元々はスカートの大きな切り欠きから無遠慮にKATOカプラーが突き出ていたが、実物の形とは違うとはいえかなり「見られる」形になったのはこの車両をお持ちの方にはお分かり頂けるだろう。
 この先頭車が、「北アルプス」と連結する。
 繋げてみた。
 この光景は一度だけ高山本線で現物を見た。見た目が全く違う車両が仲良く手を繋いで走る「違和感」が強かったのをよく覚えている。
 こっち側から見ると、キハ85系には幌アダプターを早く着けてやりたくなる。
 キハ85系の側から見る。キハ8500系に幌アダプターがついているので、とても実感的だ。実際に見た記憶や、書物やネット上にある写真と比べてみても、縮尺が上手く一致しているのが解る。
 橋梁上を行く、こんなシーンが高山本線で何度も演出されてきたことだろう。今は見られないのは本当に残念。
 こんな踏切を行くシーンもあったはずだ。
 ちなみに、この日の試験走行ではキハ8500系は全車、キハ85系は基本的なキロハ組み込みの5両編成で、合わせて10両としている。

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