心象鉄道12.名古屋鉄道・北アルプス入線!
キハ8500系ほか

(マイクロエース・KATO・グリーンマックス Nゲージスケール)
珍しく新製品速報記事

待ちに待ったキハ8500系「北アルプス」発売!

本記事の模型車両撮影に使った貸しレイアウト
東京都西多摩郡瑞穂町「ファインクラフト」さんです。
(JR八高線箱根ヶ崎駅徒歩20分・駐車場完備)

2013年10月13日追加記事はこちら

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1.待ちに待ったキハ8500系!

 私の青春時代、というのは1990年代初頭の時代だ。この時代には様々な鉄道を追いかけ回し、この時代の鉄道車両に多くの思い出がある。
 だから我が家の鉄道模型コレクションもこの時代に新車だったもの、この時代に話題だったもの、この時代に主力だったものというのはとても多い。
 だがこの時代を彩る鉄道車両の中で、ずっとNゲージ製品化を待っているのになかなか発売されないというものはいくつかある。そのうちのひとつが名古屋鉄道キハ8500系「北アルプス」だ。

 名古屋鉄道のキハ8500系は1991年に登場したJR直通特急用気動車である。それまで名古屋鉄道からJR直通特急「北アルプス」に使用されていたキハ8000系が老朽化したことと、JR東海が高山本線にキハ85系を投入したために併結対応と格差解消のために作られた。
 キハ8000系は国鉄時代のキハ82系に雰囲気を似せていたが、キハ8500ではJRのキハ85系と雰囲気を大きく変えて独自路線を打ち出してきた。キハ85はステンレス製であったが、キハ8500は白く美しい車体と対比をつけた。窓もキハ85系の連続窓に対抗して、名古屋鉄道「パノラマsuper」によく似た丸みを帯びた大型窓となった。

 この白い車両が気に入って、かつては写真を撮ったり乗りたいと思ってはいたがなかなか行く時間が取れないままに時が過ぎてしまった悲しい思い出もある。そして僅か10年の活躍で突然の引退、私は最終日に当時追いかけていた新幹線100系とセットでの撮影を計画し、やっと撮影だけは出来た。その後キハ8500系は会津鉄道に売却され、2006年にやっと乗車する機会を得た。まさか名古屋鉄道の車両に東武鬼怒川線で
、しかもJRの485系からの乗り継ぎとは…「ここは何処の鉄道なんだー」と叫びたくなるような組み合わせだった。
 この会津鉄道での活躍も短く、あっという間に過去帳入りしてしまった。

 この車両の模型があれば…と思っていたのは随分前からだ。我が家にキハ85系の模型があることもあり、こいつの併結相手としてあれば…と言うのはずっと考えていた。
 10年ほど前にキット形式の商品が出たが高すぎて手が出ず、数年前にいわゆる「鉄コレ風」のプラ製品が登場していたが、これは店頭で見てみたらその仕上がりがどうしても気に入らずに見送るという、今考えると贅沢な判断をしてしまった。まぁ、それだけでなくネット上にこの製品を「走らせる」ためにものすごい努力をしている作品が多く公開されていて、自分の手には負えないし結果的にお金が掛かることも理由のひとつであった。

 これほどの車両だから、いつかマイクロエース辺りが出すんじゃないか…そう考えだしたのも先の「鉄コレ風」製品が出回った頃であった。それに賭けて待ってみたら、本当に昨年になってマイクロエースからキハ8500系の発売が発表された。しかも名古屋鉄道仕様は実物の全車両をセットした5両セット、それとは別に会津鉄道売却後の仕様もラインナップされるという力の入れ用だ。
 これだけ待った車両だ。私も当然のように予算を組んで購入した。今回はそれについて書こう。

2.キハ8500系

 5月中旬、いよいよ我が家に待望のキハ8500系が入線した。
 箱を開けてまず行ったことは、付属のアーノルトカプラーとダミーカプラーを全て撤去してボディーマウント式のTNカプラーに取り替えた。ダミーカプラーにスカートの縦桟表現が入っているので外したくなかったが、実物同様色んな編成を組みたいのでそれは泣く泣く諦めた。キハ85系と繋がない側はそのままでも良いかと思ったけど、1両だけ顔の印象が変わるのも嫌なので統一した。たぶんここは連結相手のないTNカプラーになるだろう。
 ただし、先頭車同志の連結部分ではTNカプラー化の効果は非常に大きい。中間先頭車用の首振りアーノルトカプラー同志で連結させると、とても悲惨なことが起きるとしか言いようがない。
 付属の幌アダプターは全て取り付ける事にした。書物やネットで様々な写真を見たが、幌アダプターを付けずに走ったのは試運転時と営業開始初日(その後数日の可能性はあるが)だけらしい。私もこれを外している姿は一度も見たことがない。付属の両面テープを使用したが、なんか頼りないので固定方法は改めて考えたい。

 購入したキハ8500を近くの貸しレイアウトで走らせてみた。
 全体的な雰囲気は悪くないと思うけど、細かく見ると粗が目立つのはマイクロエースではいつものこと。レイアウトを走らせる分には問題ではない。
 残念なのは、TNカプラー化でスカートの一部のモールドを取り外したこと、製品付属のダミーカプラーにスカートのパーツをつけているのが難点だ。マイクロエースでは珍しく、ダミーカプラーのままの方が美しい商品だが、「ひだ」との連結やそれに伴う様々な編成再現を思えばやむを得ない。
 正面気味のカットから。
 見てみた感じは悪くない、最近のマイクロエースはヘッドライトより行き先表示の方が眩しいという物が多いが、この「北アルプス」はその「癖」は出ていない。運転席上の「北アルプス」表示はちょうどいい明るさになっている。
 「北アルプス」の表示が、車体をバラすたびにズレるのがもどかしい。
 黄緑の帯がちょっと変だけど、拡大して気が付く程度であり、普通に走らせる分には気にならない。
 以前購入したキハ8000系と並べてみる。このような競演も模型ならではだ。キハ8000系は引退後解体されてしまい、キハ8500も会津の地で一部は保存されているらしいが…もう二度と見ることは出来ない並びだ。
 というか、この並びは営業運転では実現しなかったはずだ。キハ8000系の無骨な印象に対して、キハ8500系は柔らかな印象でまとめている。

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