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3.古豪・5700系
5700系の顔のアップ
まだ未完成です

 東武5700系は、序段を読んで頂いたなら分かると思うが私が東武鉄道へ興味を強めるきっかけとなった車両である。40年にも渡り登場時の姿をほぼ保ち、その上優等列車などで活躍して最後まで「現役」を貫いて引退したその姿に魅了された。
 当然模型も欲しくなるわけだが、東武5700系を追っていた頃はエッチングキットが出ていただけで、これを買いそびれたのを覚えている。
 月日は流れ、5700系引退から13年もの月日が流れた2004年になって、突如グリーンマックス系列であるクロスポイントからプラスチック製キットが発売された。同時期にマイクロエースから後述する1720系の発売が予告され、これで東武鉄道で欲しい車両が並べられると喜んで買ってきた。
 キットは2004年夏に購入したが、なかなか時間がとれず製作を開始したのはその年の年末になってからである。本当は当サイトで製作過程を特集記事にするつもりだったが、製作に夢中になると制作中の写真を取り損ねたりして特集記事にする材料が集まらなかったことを皆さんにお詫びしたい。
 また職場の模型班活動の展示もあって締め切りが切られた事もあって造りが非常に雑である。マスキング不良による塗料の滲み出しはまだ修正していないし、なによりも幌枠や渡り板の色差しをしていない。とりあえず「雰囲気の出るところまで造った」という状況である。
 編成はさよなら運転にも使用されたトップナンバーであるモハ5700以下の6両としている。もちろん浅草よりの2両は未更新状態で製作したが、窓枠のベージュ差しのマスキングに失敗して見るも無惨な状況になってしまった。やっぱプラの板キットは定期的に造らないとダメなんだなー。
 動力は一番浅草よりのモハ5702に入れた。とりあえず走る。

 全体的な雰囲気は悪くない、塗料はメーカー指定の塗料を使うと代用色になって厳密には色が違うのだがかけ離れすぎというという訳でもないので良いだろう、私は気に入ったし。車体も失敗せずに出来ればかなりいい雰囲気と思う。ただ動力を入れると連結間隔がそこだけ拡がるのはなんとかして欲しい…。
 中間の連結器はKATOの密着タイプとした。

 後は細かい色差しと滲み出しの修正をしたい、塗料を買って来ねば…。
モハ5700 クハ700

4.1720系「デラックスロマンスカー」
待ちに待った1720系の模型

 十数年前まで東武鉄道の看板列車といえばこの1720系だった。無論この車両に乗ったことも私が東武鉄道にはまったきっかけである。広いシートピッチに深いリクライニングシート、優雅なサロンルーム、並の設備に展望席で注目を浴びた小田急ロマンスカーとは違い、車両全体を豪華にする事を狙ったある意味地味な、ある意味本物のロマンスカーと呼ぶべき存在でもあろう。
 1720系の模型には長年恵まれなかった。やはり展望席がないなど見た目面白くないからであろう、乗ってなんぼのロマンスカーだから仕方ない面もある。でもこの狭窓がずらっと並んだ側面とゆったりしたボンネットデザインが模型で出てこなかったのは不思議でならない。
 数年前からガレージキットが出てきてはいた。しかしどれも私の腕では手に追えない上高価なもので、どうしても欲しい車両なのに手にすることは諦めざるを得なかった。これが無い故に他の東武車両にてを出さなかったというのもある。
 2004年末になって破竹の勢いで隙間商品を手がけるマイクロエースからこの1720系が発売された。発売から数日で関東地方では店頭から消えてしまったことを考えると、この車両の人気が伺え、いろんな人が待っていたのだろうと思った。
 そのマイクロエースの1720系のラインナップは私をうならせることになる。一つは1700系が1720系と同じ車体に更新された当時のもので、台車の違いなどを考えるとこれをラインナップに加えたことは凄いと思った。それより本命はもうひとつの方で、1720系トップナンバーのモハ1721以下の6両編成を選ぶのはまぁ当然だろうと思ったが、それがなんと引退時の姿で出てきたのである。つまり一番思い入れのある仕様で模型も出てきたのだ。
 ちなみに引退時の1720系の特徴として、運転室上に列車無線アンテナと運転室用冷房装置が載せられていること、側面中央部の車号表記がステンレス切り抜き文字でなくペンキ書きになっていること、妻面の貫通扉が窓付きのものになっていること、4号車りサロンルームが撤去されていて客室になっていること、サロンルーム非常口が潰されていることで、これらが全て表現されている。
 このマイクロエース1720系の仕上がりであるが、私はマイクロエースで最高の仕上がりでないかと思っている。前面の独特のボンネットスタイルにミニスカートの雰囲気は最高だし、側面の窓枠の再現法も秀逸である。またマイクロエース名物であった動力車の車高の違いについては完全に消えている、この製品が出る1年位前からこの車高の違いを解消しようと頑張ってきたようだが、この1720系でやっとそれを克服したと言っていいだろう。Nサイズの鉄道模型は動力や非動力の違いや、前照灯などを入れることによって微妙にサイズが変わってしまう、微妙でも実物大に引き延ばせばかなりの違いになってしまいこの克服が技術上難しいのだが、これを完全に克服した記念すべきモデルと言って良いだろう。ただこの後に出てきた製品でまた違いが復活してしまっているのがあるのがこのメーカーらしいと言えばらしいのだが。
 我が家では中間の連結器を全てトミックス製のボディマウントタイプの密自連TNカプラーに変えた。この交換で中間車妻面の雰囲気が実物らしくなった、走行には無関係だが。
 マイクロエース史上最高品の1720系にケチをつけるとすれば、運転室の屋根上についてである。まず運転室の上についている無線アンテナが太すぎること、あのアンテナはもっとスマートな形をしていて大きさの割に目立たないのが特徴である、まぁアンテナ下半分が車体色に塗られていないのは仕方ないと思うが。それと運転室用の冷房装置のカバーが角張りすぎていること、実物はもっと丸みが強くて上がすぼまっている。せっかくきれいに前面ボンネットを再現したのだからこの辺りもこだわって欲しかった、まぁこの辺りの部品がついてない1700系の方は大丈夫だろうけど。
 あと、ヘッドマークが「きぬ」しか入っていないのはどうかと思う。末期仕様ならヘッドマークは「けごん」か「きぬ」の二種類で良いのに…あと1720系は「けごん」のヘッドマークを入れた状態が定位であって公式状態なんだよなー。

見事に再現したボンネット
しかし屋根上のアンテナと先頭の冷房カバーが…
サロンルーム撤去後の4号車
客室改造と同時に潰された非常口を再現
妻面の貫通扉
独特のオレンジ色の扉を上手に再現

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