2月24日朝8時半、2年前に5000形の撮影を行った渋沢〜新松田間の踏切にやってきた。車から降りた途端、私は激しい雨に叩かれた。この撮影行の最初は雨との戦いになりそうだ。その上、この場所は狭い谷間にあるので決して明るくはない。
 また現地に着いてみて初めて知ったが、2年前とは微妙に状況が変わっていた。踏切の小田原方に信号系の新しい機器箱が設置されていて、上り列車の撮影ではこれを避けるのがとても困難であった。ここで予定では最も撮影機会の少ないJR371系の上り列車撮影を予定していたが、時間的に今から別の場所へ走る時間もなく、やむなくここでの撮影を続行した。。
 とにかくカメラを出して最初に来たのは、前回の撮影ではやって来なかった4000形。9000形(現在は全て廃車)、1000形に続く3台目の千代田線乗り入れ電車。
 3000形とは逆方向のデザインで、ラインカラーの「青」を強烈に印象付けるものである。それでいてしつこくなく、上手くまとまっていて好きな電車の「顔」のひとつだ。
 続いてやって来たのは3000形の急行。4000形と逆のラインカラーを目立たせずに印象付けるデザインだ。
 この写真と上の写真の右下に映っているのは今回新たに出来ていた機器箱ではなく、前からあるもの。これとは別の新しい機器箱のせいで、前と同じカットで撮れなくなってこの機器箱が撮影に支障することになる。今回はこれを避けるのに苦労する。
 時間的にはもうJR371系の「あさぎり」2号が来る頃だが、先に下り電車接近で踏切が鳴る。時間的にはこのタイミングでやって来る下り電車はLES車の「はこね」5号しかありえない。まさかここですれ違いか?と思ったが、LSE車が予想以上に早くやってきて慌てた。なんとか撮影したら前はこんな感じでブレた。
 ブレたのにめげず後を撮る。こっちは逆に気持ち悪いほど上手く決まった。だがこの写真が上手く撮れているのを確認したのは少し後。
 今はとにかく気を抜けない、カメラは撮影状態のままだ。既に踏切は上り接近のままで鳴動を続けいていて、絶対に落とせないJR371系の「あさぎり」2号がすぐそこまで来ているはずなのだ。
 上のLSE車が視界から消えぬうちに、JR371系の白い車体が近付いてきたのが見えた。ここのカーブのかげんからなるべく近づけないと特徴の2階建て車がはみ出す、かといって近づけすぎると機器箱と車体が被る。
 そのギリギリを狙うために集中する。そして決まったのがこの写真だ。
 連射でカメラにお任せにしたら、絶対上手くいかない写真だ。だから私は連射を使わず「せーの撮り」にこだわるのだ。
 JR371系の10分後を、RSE車が「はこね」2号として追っかけてくるはずなので、まだ撮影地を移動しない。その間に旅客列車が来そうにないタイミングで踏切が鳴る。念のためカメラを構えたらMSE車がやってきた。改正後の「あさぎり」はこれでの運転になる。
 LSE車の1枚目と同じく、少しぶれた。
 そして程なく「はこね」2号が通過。JR371系と同じタイミングで上手く撮れた。「あさぎり」2形式の比較写真にちょうど良いものとなった。
 パステルカラーを身にまとうバブリーで垢抜けた車体であるが、もう20年戦士だ。特急車としては十分に古い車両で、垢抜け具合はどうしても前時代的に感じてしまう。
 まだまだここを動けない。20分後位に今度はHiSE車が「はこね」7号として通過する。その間に練習として通勤電車にレンズを向ける。
 峠から下りてきたのは4000形の急行、10両編成の巨体をうねらせながら接近してくる。
 上記4000形の後も撮った。
 ここまでの写真に、しっかりと雨粒まで映っている。これを見て頂けばどれだけ強い雨が降っていたかご理解頂けるだろう。
 またまた1000形、しかも今度は「回送」だ。
 機器箱を避けるアングルに変えてみたら、車体の端っこがギリギリになってしまう。失敗のリスクを考えればこの構図は使えない。この写真は3000形だから写ったのであって、幅が広い特急車なら確実に画面からはみ出す。
 「はこね」7号HiSE車がやってきた。だが写真はこの通り白く飛んでしまって失敗。
 この白飛びとは別に、レンズに大きな水滴が付いてしまったのもお分かり頂けるだろう。HiSE車に興奮して、カメラのレンズを傘より手前に引っ込めるの忘れてた。くっそー。

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