・ScotRail Express:Edinburgh-Glasgow Route
 スコットレール エクスプレス:Edinburgh Waverley(エディンバラ・ウェイバリー駅)~Glasgow Queen Street(グラスゴー・クィーンストリート駅)

 2023年6月11日 プレイ動画追加


スコットランドの2大都市を結ぶ都市間輸送を愉しもう!

・収録車両
 BR Class 385 “eXpress” EMU in ScotRail livery(一般型電車)


 イギリスを構成する4つの国のうち、グレードブリテン島の北に位置するスコットランド。そのスコットランドの首都エディンバラと最大都市のグラスゴーを結ぶ路線は、本サイトでは旧作のマップとして2015年に紹介済みだ。
 そして今年に入り、この路線のマップが「Train Sim World 3」のDLCとしてリニューアルされたので、今回改めてこの路線を紹介しよう。

 本ゲームではエディンバラ・ウェイバリー駅からグラスゴー・クィーンストリート駅までの77kmが再現されており、全線が複線の路線である。
 この路線は1842年に開業、以来長きにわたって非電化の路線として蒸気機関車や気動車が活躍してきた。本ゲームの旧作では非電化時代の末期の状況(2010年代初頭)を再現しており、登場する列車も当時最新の気動車であった。
 その後、本路線は電化工事が行われ、2017年に電化開業となって列車も電車化された。本ゲームにおいても「Train Sim World 3」のDLCとしてリニューアルされるに伴い、時代設定は電化後の時代とされた。

 路線を営業するのは旧作でも登場した「アベリオ・スコットレール」(ASR)社で、車両の連結部に「X」がデザインされた青い塗装が印象的なのは以前紹介したとおりだ。
 そして今回、このマップに同梱されたこの塗装の電車は、本路線の電化開業用に用意されたClass385系電車だ。この電車は「Southeastern Highspeed」のマップに同梱されていたClass395系と同じく日本の日立製作所の製造した電車で、一部の車両は山口県の日立製作所の工場で造られた日本生まれの電車だ。

 この路線のゲームとしての魅力は、やはり大都市間の都市間輸送を体験出来ることにあるだろう。その都市間の距離も極端に離れているわけではなく、1時間弱で全線走りきれる手軽さも嬉しいところだ。最高速度は100mph(160km/h)で、起終点付近を除いて大きな速度制限もないので走らせていてとても気持ちよい路線だ。
 エディンバラ周辺とグラスゴー周辺では短距離の各駅停車も運転も可能で、各駅停車といっても駅間距離がとても長いので、日本の鉄道の各駅停車のような忙しさもない。
 ただ残念なのは、フォルカークの市街地を経由する緩行線の再現がないことだ。ポルモント~クロイ間はフォルカーク・ハイ駅を経由するバイパス線のみが再現され、ゲームとしても2大都市の都市間輸送を愉しむ方に重点が置かれている。このために旧作にあった貨物列車の再現がないのも残念なところだ(貨物駅はあるのに…)。

 そんな旧作時代に紹介したマップを、「Train Sim World 3」マップ紹介として紹介し直そう。


・車両の紹介
 エディンバラ・ウェイバリーで発車を待つClass385系電車。半流線型の貫通型スタイルが特徴で、連結した際に貫通扉を設定する実用性と、見る者にスピード感を感じさせるデザイン性を兼ね備えた前面が印象的だ。
 Class385系電車は、2015~2017年に日本の日立製作所が234両を製造した交流電車。初期製造分は山口県の日立製作所の工場で造られた「メイドインジャパン」の車両となる(残りは現地工場で製造)。

 本路線の電化用として作られたので、営業開始は電化開業の2017年を待った。だが営業開始前に前面ガラスに設計ミスが発覚、完成していた全車に対し改修を行うことになってしまい、営業開始は2018年7月に延期になった経緯を持つ。
 最高速度は100mph(160km/h)、3両編成の385/0形と4両編成の385/1形がある。

 エディンバラとグラスゴーの両ターミナル駅は、駅全体が大屋根に覆われているのが印象的。青いドームがグラスゴー・クイーンストリート駅、白い平屋根がエディンバラ・ウェイバリーだ。
 型式写真を見てみよう。Class385系では先頭車は電動車、中間車は付随車で統一される。
 これは4両編成の385/1形のグラスゴー側先頭車で、運転室がある前位側の半室が1等車になっている。日本の国鉄風に言えば「クモロハ」ということになる。
 後位側には車椅子対応設備があり、バリアフリー対応の大型トイレも設置されている。
 こちらは385/0形の先頭車と、385/1形エディンバラ側先頭車となる。全室2等の「クモハ」だ。
 後位側には車椅子対応設備はあるが、トイレはバリアフリー対応になっていない通常タイプである。
 385/0形と385/1形に共通のパンタグラフ付きの中間車。全室2等で「サハ」となる。
 付随車ではあるが、床下には変圧機器類が装備されているので機器類が多く設置される。
 付随車では台車がディスクブレーキタイプのものとなる。
 こちらは385/1形だけに連結されるパンタグラフがない中間車。もちろん付随車で全室2等の「サハ」となる。
 床下機器類が最小限であることがみてわかる。
  車内の様子は、まずは1等から。
 バケットタイプのシートが並び、座席のマクラ部分のASR社のロゴが印象的だ。
 だがマクラカバーなどのリネン類は装備されないので、ちょっとデラックス感に欠ける。
 1等の座席配置は、基本的に向かい合わせで大型テーブルを備える。
 もちろん、ヨーロッパのおやくそくで座席は回転しないし、リクライニングもしない。
 2等車は何席がずつがまとまって同じ向きを向く2人掛けシートだ。同じ向きの座席が並ぶことで、シートピッチも狭く出来るという考えか?
 向かい合わせの所には大型テーブルが、そうでないところには前座席に折りたたみテーブルが設置されている。また優先席はモケットのデザインが違う。
 客用扉だが、この画像では扉の向かって左側に白いボックスがある。このボックスには車掌スイッチなどが設置されていて、ここを車掌台として使うことも出来る。
  Class385系の運転室を客室側から見た全景だ。画像正面の二面のモニタなどがある斜め向きの壁の裏側に貫通扉があり、中間に入るとこの部分が閉じて貫通路になる仕掛けだ。
 運転台は左手操作のワンハンドルマスコン。狭いスペースに様々な器機が所狭しと並べられている。

 特徴的な前面デザインのせいでフロントガラスはといも小さく、「本当にこれ大丈夫か?」と思うが、実際にプレイすると一部の信号が見にくい程度だ。そのときもキー操作で前面モニタに切り替えれば良い。
 運転席の扉を開いたり閉めたりすると、このように中間運転台に貫通路が設定される。こういう電車、日本では本当に減ったと思う。
 本マップでは、他DLCの車両も運転出来る。
 グラスゴーで古くから活躍してきたClass314系通勤電車も登場する(要「Cathcart Circle Line:Glasgow-Newton & Neilston Route」)。
 1979年から40年にわたって活躍した通勤電車で、現実では2019年に引退したが本ゲームではまだ現役だ。

 本ゲームでは昼間の閑散時間に1往復のダイヤが設定される。
 こちらはClass37形ディーゼル機関車(要「West Somerset Railway Route」)。早朝のエディンバラ→グラスゴー、夜間のグラスゴー→エディンバラの行程で1往復設定される。
 エディンバラとハイランド地方(スコットランド北部地方)を結ぶ長距離列車という設定だ。
 蒸気機関車も運転可能で、「LMS Jubilee Class」という大型旅客用蒸気機関車が登場する(要「West Cornwall Steam Railtour」)。
 夜間にエディンバラからグラスゴーへ向かう片道の列車が設定されている(夏場であれば日没前の時刻)。途中停車駅がないがスジは寝ていているので、ツアー列車やイベント列車という設定なのだろう。
 運転することはおろか乗ることも出来ないが、こんなLRT車両も登場する。
 エディンバラ側では途中までLRT路線が併走しているので、そこにシーナリーとして登場するだけだ。

…続いては車窓風景を「プレイ動画」で紹介しよう。今回は出庫運用から片道全線という走り方をしてみた。

・「世界の車窓から」
 グラスゴー・クイーンストリート駅→エディンバラ・ウェイバリー駅間 全線プレイ動画
(約62分)

Class385系電車で車両基地を出庫し、その後グラスゴーからエディンバラまで運転してみた。
本ゲームのダイヤで、グラスゴー~エディンバラ間を最短で結ぶ列車を探しだし、プレイしてみた動画だ。
【ナレーター】「VOICEVOX:四国めたん」 

 エディンバラ・ウェイバリー駅→グラスゴー・クイーンストリート駅間 蒸気機関車による全線プレイ動画(約52分)

蒸気機関車「LMS Jubilee Class」が牽引の客車列車を運転し、エディンバラからグラスゴーまで大爆走。
巡航速度80mph、大型旅客用蒸気機関車による高速走行を心ゆくまでお楽しみください。
【ナレーター】「VOICEVOX:四国めたん」 

 スコットランドのふたつの大都市を往き来する都市間輸送を愉しむ運転ゲーム。
日本にはないタイプの鉄道を愉しめるので、多くの人に手に取ってもらいたい。


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