・Engadin Linie:Pontresina - Scuol-Tarasp Route
 レーティッシュ鉄道(スイス) エンガディン線:Pontresina(ポントレジーナ)~Scuol-Tarasp(シュクオール-タラスプ)

背の高い石積みアーチを渡る

・収録車両
 GE 6/6 II 形電気機関車
 EW IV 形客車
 その他 関連貨車

・購入済みアドオン車両
 (RhB Enhancement Pack 02も使用可)

・経由地
Pontresina(ポントレジーナ)~Punt Muragl(プント・ムーラユ)~Samedan(サメダン)~Bever(ベーヴァ)~La Punt-Chamues(ラ プント-シャミュ)~Madulain(マドゥライン)~Zuoz(ツオウ)~S-Chanf(S-シャンフ)~S-Chanf Marathon(S-シャンフ マラソン)~Cinuos-Chel-Brail(シヌオス-ケル-ブレイル)~Zernez(ツェルネツ)~Susch(ズシュ)~Sagliains(サヤインス)~Lavin(ラヴィン)~Guarda(グァルダ)~Ardez(アルデッツ)~Ftan-Baraigla(フタン-バライクラ)~Scuol-Tarasp(シュクオール-タラスプ)




 ヨーロッパの内陸部、アルプス山脈に抱かれたスイスには数多くの山岳鉄道がある。その中でもスイス東部に長大な路線網を持つレーティッシュ鉄道は日本でも有名で、本シミュレータゲームでも数々の路線や車両が再現され、これを通じて本サイトでもレーティッシュ鉄道の路線を紹介してきた。
 そして今回、本ゲームにまたレーティッシュ鉄道の路線が加わったので紹介しよう。

 今回加わった路線は、スイスのエンガディン地方を横断するエンガディン線だ。以前にも紹介したアルブラ線のベーヴァ駅から分岐し、ドナウ川の支流であるイン川に沿って渓谷を下ってゆき、温泉保養地やスキーリゾートとして知られるシュクオールを目指す、約50kmの路線だ。
 これに本ゲームでは、ベーヴァ~サメダン間のアルブラ線と、サメダン~ポントレジーナ間のアルブラ線~ベルニナ線の短絡線も収録されている。これらは前者はアルブラ線のマップ、後者はベルニナ線のマップとダブって収録されているが、これによって実物の列車運行形態に合わせて列車運行形態(ポントレジーナからエンガディン線へ直通する)で、列車運転体験を楽しむことができる。
 ちなみに「エンガディン」という言葉は「イン川の谷」という意味で、この路線では全区間に渡りイン川が作る谷間を走ることになる。

 このマップでの始発駅はベルニナ線のポントレジーナ駅。交流電化の1番線ホームが今回の出発地だ。ポントレジーナはイン川上流部のオーバーエンガディン地方の観光拠点のひとつで、特に登山が盛んで登山学校も備わっている。
 ポントレジーナ駅を出発すると、サメダンまではアルブラ線とベルニナ線を結ぶ短絡線のローカル列車として走る。イン川の支流であるベルニナ川の谷間を、サンモリッツへ向かうベルニナ線の線路と併走しながら走る。やがてベルニナ線の線路が見えなくなると広い盆地に出て、貨物駅と車両基地を擁するサメダン駅構内へ入ってゆく。
 サメダンはベルニナ川とイン川が合流する盆地に広がる街で、アルブラ線とエンガディン線の事実上の分岐点となっている駅だ。サメダン駅を出ると続いてベーヴァ駅、この小駅でアルブラ線と分岐する。これまでこのゲームではベーヴァ駅を出ると左にの線路へ進んでいたが、このマップでは右へ進路を取る…やっと本マップオリジナル区間のエンガディン線だ。
 ベーヴァ駅を出るとすぐ急勾配の山岳路線になったアルブラ線とは対照的に、エンガディン線は平穏な盆地風景の中を進み続ける。駅間距離は短く、イン川に支流が注ぐ地点ごとにある集落でこまめに客を拾うような路線と考えれば良いだろう。この盆地区間では、線路は徹底してイン川の左岸にある。
 だがその平穏な盆地風景もシヌオス-ケル-ブレイル駅で終わりだ。シヌオス-ケル-ブレイル駅を出た列車は、立派な石積みアーチ橋でイン川を渡って右岸へと移る。既にイン川は盆地を流れる穏やかな川から、渓谷を刻む谷川へと変貌している。そして線路は、その右岸に大きく張り出してきた山の中へ入ってゆく。長いトンネルと、トンネルに挟まれた石積みアーチ橋の繰り返しでこの山岳区間を乗り越えてゆく。
 やがて列車は大きなSカーブを描きながら、次の盆地へと下ってゆく。盆地に下ったところに賑やかな町がある、ここがツェルネツ駅で貨物用側線を持つエンガディン線で最も大きい中間駅だ。ここはイタリア国境に近いスイス国立公園の玄関口となる町で、ビジターセンターが設置されている観光の町だ。
 ツェルネツ駅を出ると鉄製のトラス橋で再びイン川を渡って左岸に戻る。盆地はすぐに途切れ、ここからしばらくはイン川の渓谷を車窓に見ながらの旅だ。ズシュ駅を過ぎると左の立派なトンネルから出てきた複線の路線と合流する。このトンネルは狭軌鉄道では世界最長のフェライナトンネル(19042メートル)で、路線はこのトンネルをくぐってダヴォス方面へ短絡するフェライナ線だ。合流駅であるサイヤンス駅にはフェライナ線用の設備があり、ここで運行される列車フェリー関連の施設も見られる。この列車フェリー運行のため、フェライナ線はレーティッシュ鉄道の他路線よりも規格が大きくなっている。なお同区間の交通は全て鉄道によっており、道路も冬期は閉鎖され列車フェリーの使用となるとのことだ。
 列車はさらにイン川の渓谷に沿って下ってゆく。終点に近付くにつれて再びイン川との比高が高くなり、線路は再び山岳区間の様相を見せ始める。トンネルと大小の石積みアーチ橋を繰り返しながら25パーミルの勾配を下ってゆくと、やがて貨物用の側線を持った大きな駅に入る。終点のシュクオール-タラスプだ。


 本マップに備わっている車両は、RhB Enhancement Pack 04に収録されている GE 6/6 II 形電気機関車と、EW IV 形客車。それにコンテナ車やタンク車などの貨車だ。ただ GE 6/6 II 形電気機関車は現在、貨物列車を中心に運用されているとのことなので本路線の旅客列車を牽引するのはどうなのだろうか?と思う。
 よって私がこのマップでプレイするときは、クイックドライブモードや自作シナリオなどで GE 4/4 II 形電気機関車や EW II 形客車を使うことが多い。エンガディン線の列車画像を検索してみると、GE 4/4 II 形電気機関車に EW II 形客車3両程度の組み合わせに、最後尾(または最前部)に制御客車という感じのようだ。こうなるとアドオン対応で良いから、エンガディン線列車に連結されている制御客車が欲しくなる。


 この路線は最高級勾配は25パーミル程度で、一般的な路線に比べれば十分な山岳路線だが、レーティッシュ鉄道のマップに慣れてしまうと大した勾配ではないと感じるようになってしまう。まぁアルブラ線の35パーミルはともかく、アローザ線の60パーミル、ベルニナ線の70パーミルの方がどうかしているのだが…。
 最高速度は80km/h、制限速度が極端に厳しい場所はほとんど無いので気持ちよく走ることができる。ただ区間によってはスピードが速くて、景色を楽しむ余裕がないという難点が出てきているのだが…この路線も景色が良いので、何度プレイしても楽しい路線だ。

 では、以下に本マップのスクショをアルバム形式でごらん戴こう。


・世界の車窓から

本ゲームでもいよいよエンガディン線が開業
本サイトのスクショでは エンガディン線に最も似合うであろう機関車で旅をしよう
RhB Enhancement Pack 02に収録の GE 4/4 II形電気機関車 620号機
エンガディン線開業100周年記念塗装機だ
本マップの起点はベルニナ線のポントレジーナ駅。交流電化線用の1番線から出発です。
今回の列車を後ろから見る。編成はこの1番線の有効長から逆算して組んだ。

本来、こっち側にはまだ本ゲームで製品になっていない制御客車がつく。

ちなみに、今回は自作シナリオでのプレイだ。
ポントレジーナ駅を出発、自作シナリオだから、こういうベルニナ線との「同時発車」もできる。

サメダンまでは、アルブラ線とベルニナ線を結ぶ短絡線を走る。
サメダンの盆地を行く。この場所もベルニナ線のマップとダブっている。

今回、天候設定は曇り時々晴れです。曇っていて暗い画像が多くなっている。
サメダン駅を出た直後の直線区間を行く。
ここはアルブラ線マップとダブっている区間だ。

制作している人たちが同じ(会社名が変わった?)なので、世界観が統一されている。
ベーヴァ駅を出発する。駅構内の分岐器をいくつか渡って、進行方向右側のレールがエンガディン線だ。

これまでは左のアルブラ線しか行けなかったが…。
エンガディン線のレールは、しばらく平穏な盆地の中を進み続ける。
アルブラ方面の山から、イン川へ注ぐ支流を渡る。
この辺りはこのようなアーチ橋は少ない。
シヌオス-ケル-ブレイル駅を過ぎると、これまで続いていた穏やかな盆地風景は終わり。
この立派なアーチ橋でイン川を渡り、右岸へ移ると険しい山岳区間となる。
山岳区間に入ると、右岸側の険しい山から沢が落ちてくる度にこのようなアーチ橋が現れる。
地形が急峻で、小さな沢も深い谷間を刻んでいるのだ。
長いトンネルを抜けたと思ったら、このような立派なアーチを渡り、またトンネルへと吸い込まれてゆく。
乗っていたら絶対そうだと気付かない橋だ。
トンネルを抜ける度にアーチ橋を渡る。でも谷が深すぎてどんな沢が流れているのか見えない。
前画像と同じ橋梁を角度を変えて見てみた。ここも「深山幽谷」という言葉があてはまりますね。
この山岳区間の中間点にあるのが、カロリーナ信号場。

山深い信号場での貨物列車との離合は、旅情があって良いじゃないか。
信号場を境にトンネルは短くなるが、アーチ橋の深さは相変わらずだ。
この山岳区間を抜け、次の盆地に舞い降りたところがツェルネツ駅だ。スイス国立公園の玄関口で、駅も立派なものだ。

背後の霧が掛かった山が、今超えてきた山々だ。
ツェルネツ駅を出発すると、すぐに鉄製のトラス橋でイン川左岸へ渡る。

そして列車は、イン川の渓谷を眺めつつ進む区間に入る。
ズシュ駅近くには、集落内にこんな雰囲気の良い橋が架かる。
背の低い石積みアーチが、集落の景色に上手く溶け込んでいて、私が本マップで最も好きな風景だ。
山の中で、突然複線の立派な線路が合流してくる…サイヤンス駅でフェライナ線との合流だ。

フェライナ線はプレティガウ線のクロスタースへ、19キロものトンネルを経て短絡する路線。ここからダヴォスやクールへの近道となる。

フェライナ線用の列車フェリーのホームから、エンガディン線の列車を見る。
サイヤンス駅の全景。トンネル入り口付近に列車フェリーの施設があり、一般列車は手前側のホームに発着する構造だ。
まだまだ山岳区間は続く、標高が低くなるにつれてどんどん険しくなる不思議な路線だ。

自動車視点でグアルダ駅近くのアーチ橋を見る。
自動車での旅行中に、こういう鉄道シーンを見たことがあるという方も多いだろう。

私はドライブ中にこういう光景に出くわすと、思わずガッツポーズが出る。
アルデッツ駅を出発して勾配を下ってゆく。
終点はもうすぐだ。

アルデッツ駅近くのこの石積みアーチも 「深山幽谷」という雰囲気が漂っている
森に囲まれたアーチ橋は良いけど 木々の成長が凄くて殆ど見えないアーチもある
フタン-バライクラ駅近くのここが、620号機関車の側面に描かれている橋のようだ。

実際にはアーチ橋を行く列車と城の組み合わせという写真にはならないはずだが、背景の山の中腹に城があるのは確か(見えるとしてもとても小さいだろう)。

城の名前は「タラスプ城」、山にそびえる城の風景で有名だ。
列車は無事に、終着駅のシュクオール-タラスプ駅に到着。
駅舎の最上部に取り付けられた時計台が、この駅の特徴だ。

全線通して走って1時間半弱の旅だ。

こうしてまたレーティッシュ鉄道の路線が増えました。
これで「Just Trains」の製品も含めると、本ゲームでレーティッシュ鉄道の主要路線は
ほぼ揃ったことになります。

でも、「Just Trains」のプレティガウ線のマップは、重くて我が家の環境では「紙芝居」状態。
まともにプレイできないんですよ(だから紹介記事も作れない)…

あとはトンネルばかりのフェライナ線と、ランクトアルト~クール~トゥージス間ですね。
レーティッシュ鉄道全線開業なるか?

それより、エンガディン線で使える制御客車が欲しいなーと
我が儘を言ったところで今回は終わりです。
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