・RhB Enhancement Pack 02(Arosa Line:Chur-Arosa Route)
 レーティッシュ鉄道:GE 4/4 II形電気機関車・EW i 形客車

小さな電気機関車が小さな客車を牽くアローザ線の客車列車が再現可能に!

・収録車両
 GE 4/4 II 形電気機関車(一般色および特別塗装機)
 EW i 形客車(AB1541-1546形・B2451-2640形・D4219-4226形)
 その他、関連貨車

 本サイトで紹介済みのTrain Simulatorのルート、「Arosa Line:Chur-Arosa Route」のアドオンの車両を紹介したい。

 今回追加の車両は、「Albula Line:St Moritz-Thusis」に標準で入っている GE 4/4 III 形電気機関車の1世代前の機関車である GE 4/4 II形電気機関車と、以前紹介の「RhB Enhancement Pack 01」に収録されていた客車である EW ii 形客車の1世代前の客車である EW i 形客車だ。

 GE 4/4 II 形電気機関車は、当時レーティッシュ鉄道に多く存在していた戦前製の旧型電気機関車を置き換えるために1973年より製造を開始した電気機関車で、23機が製造された。本電気機関車はレーティッシュ鉄道でもっとも数が多く、その活躍範囲は本線系統から支線にまで及ぶ当鉄道で最もポピュラーな機関車と言っていい。
 全長約13メートルの日本風にいうとD級電気機関車で、日本の電気機関車と比較するとED75より少しだけ全長が短いサイズを想像すれば良いだろう。外観上の特徴は日本の電気機関車にも通じるところがあるパノラミックウインドウの前面窓と、機械室側面の大きな窓から中の機械類が見えること、そして屋根肩部の冷却空気取り入れ用の鎧戸が目立つ。
 本形式は機数が多い事もあって、様々な特別塗装機や記念塗装機も存在する。そのうちのいくつかは本アドオンにセットされており、色とりどりの機体を楽しむことが出来る。
 なお、本アドオンには収録されていないが、本形式の622号機は日本の箱根登山鉄道との姉妹提携を記念した記念塗装で、側面に「箱根登山鉄道」と大きな日本語のロゴが入っている。

 EW i 形客車は、1962年から製造が始まった1970年代のレーティッシュ鉄道の主力客車で162両が製造された。レーティッシュ鉄道は路線によって規格が違う線区もあり、本形式客車はそれに合わせて様々な仕様に作り分けられている。今回本アドオンに収録されたのは、一・二等合造車が「AB1541-1546形」、二等車が「B2451-2640形」、荷物車が「D4219-4226形」と呼ばれるタイプになる。これらはかつて乗り入れ可能な車両の全長が16メートルに押さえられていたベルニナ線用として、15メートル級という短い車体が特徴だ。のちにベルニナ線の規格拡大がされると定員が少ないこれらの車両は支線級の路線に転用されることとなり、併用軌道や始発駅の構内の狭さから小型車が重宝されるアローザ線で活躍するようになった。

 つまり、本アドオンを導入すると、アローザ線の客車列車が再現できることとなる。もちろんこれらの客車や機関車を、既存であるアルブラ線を走らせる遊び方も出来るだろう。特に GE 4/4 II形電気機関車は待望のラインナップ追加のはずで、これまで本ゲームのレーティッシュ鉄道機関車が一形式しかなかったところで様々な遊び方を提供してくれることだろう。

 ここからはこれら追加車両のスクショをご覧戴きたい。


・世界の車窓から
今回の追加車両で編成を組んで走らせてみた GE 4/4 II形電気機関車単機で、EW i 客車4両を牽く。
短い客車4両を牽いて急勾配に差し掛かる列車。やはり客車列車となると列車長が伸びるので、こういう勾配の切れ目で独特の光景を見せてくれる。
デッキトラス橋を渡る混合列車。後ろに繋いでいる貨車は今回のアドオンで追加になった有蓋貨車だ。
クール市街の併用軌道を行く。日本では機関車牽引の客車列車が、路面区間を走る例が殆どなかったので異様な光景だ。
山間部の鉄橋を渡る。アローザ線の大部分は60パーミル勾配であり、橋梁もこのように急勾配になっている。
アーチ橋を行く、地震が多い日本では石積みアーチ橋というのはあまり例がない。
上画像と違うアーチ橋だが、橋梁もずっと勾配が続いている。
60パーミル勾配を行く列車を、真横から水平に見てみた。何度見ても凄い勾配だなー。
ラングヴィース橋(Langwies Viaduct)を行く。こういう雄大な橋梁に客車列車はよく似合うと思う。

続いて今回収録の GE 4/4 II形電気機関車の記念塗装機をご覧戴こう。
番号順に紹介しよう。
まず620号機はエンガディン線100周年の記念塗装。

エンガディン線はアルブラ線ベーベル駅から分岐する路線で、本ゲームでは2020年夏に再現された。
623号機はレーティッシュ鉄道開業125周年の記念塗装。車体側面一杯に描かれた125の文字が印象的だ。
627号機はアローザ線開業100周年の記念塗装。ラングヴィース橋のイメージイラストが目を引く。

アローザ線を走らせるのに最も相応しい記念塗装機だ。

620号機と627号機の重連が混合列車を牽く。
こんなカラフルで賑やかな列車も、クイックドライブで手軽にプレイできる。
続いては客車を形式写真風に見てみよう。
これはEW i 形客車の一・二等合造車「AB1541-1546形」。窓上に黄色いラインが入っている部分が一等室だ。車内は二等車は普通の4人掛けボックスシート、一等車は2人掛けと4人掛けのボックスシートが対向している。
こちらは二等車である「B2451-2640形」。車体の短さが特徴的だ。
そしてこれは荷物車「D4219-4226形」。EW ii 形と同梱された荷物車との違いは、暖房電源用のパンタグラフがないことだ。
客車編成を後ろから見てみる。これがレーティッシュ鉄道の旅情なんだろうなぁ。

こうなるとプッシュプル運転用の制御客車が欲しくなるなぁ。
アローザ線では、ABe8/12 3501-3515形電車の後ろに荷物車が1両だけぶら下がっている運用があることは、ネットで画像検索してみるとすぐ解る。
すぐにそれを再現してみた。
電車列車の後ろにぶら下がっている荷物車の光景は、独特の雰囲気があって好きだ。日本で言えば昔あった「荷電」ってとこだろう。
 

ここからはアルブラ線を行く GE 4/4 II形電気機関車の雄姿をご覧戴こう。
GE 4/4 II形にEW ii 形客車を繋いで氷河急行を編成してみた。やっぱり機関車は長い編成の先頭に立つのがしっくり来るね。
ベルギューン駅付近のΩカーブを行く。荷物車のパンタグラフが目立つ画像だ。
言うまでもなく季節設定を冬にしているので、機関車も客車も雪化粧。
冬の険しい峠越えを上手く再現できていて、ゲームなのに緊張感を感じてしまう。
今度は GE 4/4 II形に氷河急行用のパノラマ客車を連結してみた。同じ機関車なのに急に華やいだように感じる。
ベルギューン駅近くを行く。こうしてみるとこのパノラマ客車って、結構大きいんだなぁ。
このゲームのベルギューン駅付近の光景は、季節設定問わずに大好きだ。本ゲームでこのアルブラ線が最もプレイ回数が多いかも知れない。
小さな川を渡るアーチ橋を行く。冬の水の冷たさが伝わってくるようだ。
最後に ABe8/12 3501-3515形電車の冬景色もご覧戴こう。冬設定のアルブラ線を、ベルニナ急行を模した列車として走らせた。
このショットが ABe8/12 3501-3515形電車の雪化粧の様子が最も分かりやすいと思う。
本ゲームのレーティッシュ鉄道はどんどん遊ぶ幅が広くなっている。こうなるとまた別の路線や、別の車両が欲しくなるなー。
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