・Fife Circle Line: Edinburgh - Markinch via Dunfermline & Kirkcaldy Route
 スコットレール ファイフサークル線:Edinburgh Waverley(エディンバラ ウェイバリー駅)~Markinch(マーキンチ駅)


長大橋梁で海を渡る!

・収録車両
 BR Class 170 DMU in ScotRail livery(一般形気動車 スコットレール塗装)


 今回紹介する路線は、スコットランドの首都エディンバラから海岸線に沿って北へ向かう路線だ。ロンドンとスコットランドを結ぶ東海岸本線(East Coast Main Line)のエディンバラから北、「Scottish East Coast Main Line」として旧作(Train Simulator Classic)でも再現された路線のエディンバラ近郊の区間「Fife Circle Line」だ。
 旧作ではエディンバラからダンディーやパースへの都市間鉄道としてのマップだったが、今回はエディンバラとその衛星都市であるカーコーディを結ぶ区間を軸とした近郊路線としてのマップというわけだ。

 エディンバラのターミナルであるエディンバラ・ウェイバリー駅、以前紹介した「ScotRail Express:Edinburgh-Glasgow Route」にも出てくるこの駅の北西側4分の1が今回の起点である。ここから「ScotRail Express」で出てきたグラスゴーへ向かう路線と併走し、市街地の外れにあるヘイマーケット駅の先で右へカーブして独自の進路を取り始める。
 やがて旧作のマップにはなかったエディンバラ・ゲートウェイ駅を経て、列車は深く入り組んだ湾に道を阻まれると、巨大なフォース鉄道橋(全長2528.7m)を渡る。


フォース鉄道橋(旧作より)

 フォース鉄道橋を渡った先にあるインヴァー カイシング駅で、本マップではルートがふたつに分かれる。右は旧作でも再現されていた海辺を走るカーコーディ経由の路線で、左は内陸を走るダンファームリン経由の路線だ。
 カーコーディ経由の路線は海岸線を走る風光明媚な路線で、乗客モードで車窓風景を愉しむのも良いだろう。ダンファームリン経由の路線は、今のところ時刻表モードではこちらを経由する列車がなく、今後アップデートなどでの対応になるのだろう。
 分岐したふたつの路線はやがて合流、その先の小駅であるマーキンチ駅が本マップの終点だ。時刻表モードで運転すると、ここで自動的に乗務員交代となってゲーム終了だ。

 車両はイギリスの非電化幹線ローカル列車の主力といえるClass170系気動車、旧作でイギリスの鉄道を愉しんでいた人にとっては待望の車両かもしれない。車両の詳細は後述のアルバムで紹介しよう。

 本マップは現在のところ、全線走るとプレイ時間はほぼ1時間というところだ。長大橋で海を渡ったり、海岸線の風景が美しい区間があったりと走っていて飽きない路線ではある。
 ただ前述したように、時刻表モードではカーコーディ経由の列車はあるのにダンファームリン経由の列車がない点は、今後のアップデートに期待することになる。それ以外の寂しい点は、Class170系の列車を運転することは出来ても他に出てくる車両がほとんどないことだ。「ScotRail Express:Edinburgh-Glasgow Route」を持っているとClass385系電車が登場し運転することも出来るが、エディンバラ・ウェイバリー駅とヘイマーケット駅のひと駅間のみだ。これも別売の車両DLC対応やアップデートなどを期待したいが、せっかくの地方主要幹線なのだから特急列車や貨物列車があるといいなぁ。

 では、まずは車両の紹介をしていこう。


・車両の紹介
 本マップに付属の車両は、イギリスの地方幹線の主力とも言えるClass170系気動車。そのスコットレール塗装だ。
 日本のローカル気動車を見慣れていると、非貫通タイプのローカル気動車はちょっと違和感がある。
 Class170系気動車は1998年から2005年にかけて122編成が製造され、その数は民営化後に製造された気動車としては最多数である。
 このうちスコットレールには59編成が配備され、その保有数はイギリスでは最も多い。それらの車両がスコットランド各地を結んでいる。

 このゲームの車両は、車内にいるとエンジン音がほとんど聞こえずちょっと物足りない気がする。旧作のこの車両は盛大なエンジン音で、五月蠅いくらいだったのだけど。
 実物はどうなんだろう?
 3両編成で編成長は約70メートルだから、日本の車両より若干長いことになる。客扉は片側二箇所、窓上に細い黄色帯が入っている部分は一等客室が設置されている。

 塗装は以前紹介した ScotRail Express のClass385系電車とほぼ同じ。車体を跨ぐ「X」の文字が印象的だ。
 これはエディンバラ方の先頭車を形式写真風にキャプチャしたもの。
 この車両には運転台がない側の車端部に、車椅子スペースや車椅子対応の大型トイレが設置されている。
 台車はヨーダンパー付きのボルスタレス台車だと思うんだけど。
 続いて中間車を形式写真風にキャプチャした。特別な設備を持たない全室客室タイプだ。
 本形式では全車が動力車で、日本で言うところの「キサハ」はない。最高速度は100mph(160km/h)だ。
 こちらはダンディー方の先頭車。こちらの先頭車の非運転台側車端部は、一般客席と通常型のトイレが設置されている。
 Class170系は前期形と後期型で前照灯周りのデザインに相違があるが、ゲームで再現されたのは後期型の方だ(旧作も同様)。
 では車内に入ってみよう。

 両先頭車とも運転台すぐ後のスペースは一等客室となっている。
 一等客室の定員は9名、これが1編成で2室あるので18名が乗れることになる。
 一等室の座席は後述する二等室と同じ物だが、枕カバーなどのリネン類は装備されない。
 だが二等との差別点としてシートピッチの違いだけでなく、ボックスシート部分にの大型テーブルはスタンド照明付きとされ、ボックスになってない座席では前座席背面の折り畳みテーブルが大型サイズで使いやすくなっている。
 続いて一般客室である二等室の車内の様子だ。
 ボックスシートと一方向固定シートが交互に並ぶ、欧米のクロスシート車としては標準的なもの。ただし大都市通勤輸送で使われるわけではないので、3人掛けシートは採用されていない。
 シートは当然のように回転も転換もしないし、リクライニング機能もない。
 ボックスシート部分には大型テーブルが設置されている。
 ダンディー方先頭車の車端部も一般客室が続く。両先頭車にはトイレが設置されるが、こちらは一般タイプのものだ。
 手前の右側に立ち席スペースがあるのが目立つ。
 こちらはエディンバラ方先頭車の車端部。座席は折り畳み式とされ、車椅子での乗客に対応している。
 奥には車椅子対応の大型トイレが設置されているのが見える。
 乗降口の周りを見ると、半自動ドア時の押しボタンが両側にあるのが目立つ。
 扉と客室の間に大型手荷物置き場があるのは、日本のローカル鉄道車両にはない特徴だ。
 運転室は広々としていて、また非貫通2枚窓のデザインと相まって視界も良好で明るい。
 運転台は左手操作のワンハンドルマスコンで、運転席を囲うように設置されたコンソールに機器類が効率的に配置される。

…続いては車窓風景を「プレイ動画」で紹介しよう。今回も片道全線踏破の画像だ。

・「世界の車窓から」
 マーキンチ駅→エディンバラ・ウェイバリー駅間 全線プレイ動画
(約62分)

Class170系気動車でマーキンチ駅からエディンバラ・ウェイバリー駅まで全線走行しました。途中から快速運転になります。
海辺を走り、海を渡り、大地を駆け抜ける、この路線の風景をお楽しみください。
【ナレーター】「VOICEVOX:四国めたん」 

 スコットランドの主要路線のローカル列車を手軽に楽しめるこのマップは本当にお勧めです。
多くの人が興味を持ってくれるといいなと思います。


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