・「Sailaway」で世界ヨット旅行!


自分用のヨットを所有し世界の海へ…そんな夢もこのゲームなら可能だ

 本サイトでは私が楽しんでいるゲームのひとつして、船の操縦シミュレータである「Ship Simulator Extremes」を紹介したことがある。手漕ぎボートから大型タンカーまで様々な船の操縦体験を出来るゲームとして長らく楽しんできたが、2022年6月のPC買い換えを機に、他の船の操縦ゲームはないかとまた探し始めました。
 その流れで私が楽しむようになったのが、今回紹介する「Sailaway」だ。

 実はこのゲーム、正式な発売になった2018年夏に購入している。だがこの時はゲーム側に様々な問題があって、一度プレイしただけでアンインストールしてお蔵入りさせてしまっていたのだ。その最大の問題は、チュートリアルでゲームのやり方やヨット操作法を参照しながらプレイしようとしたら、画面に表示される文字が小さすぎて読めないというものだった。設定を調整してなんとかならないかと頑張ってはみたが、そうこうしているうちに「Steam」で返品できる条件を失ってしまったという経緯がある。でも海の画面描写や波浪の再現、何よりも世界中何処の海にも行けるというゲーム内容に驚き、「使い方が解れば面白そうなのに…」という感想を持ったのは事実だ。

 それから4年、実はこのゲームを購入してすぐお蔵入りさせたことはすっかり忘れていた。今回PCを買い換え、「操船モノのゲームで面白いのはないか」と「Steam」を検索してみたらこのゲームが出てきて、「おおっ!すごいゲームがあるんだ!」と思ってよく画面を見たら「購入済み」の表示があって「あれ?」と思って、「そうだった」と思い出したのだ。
 そして新しいPCにインストールして起動してみたら…私が不満だった点がちゃんと改善されていた。早速チュートリアルでプレイしてみたら、画面の文字表示もちゃんと読める大きさになっていて「これなら行ける」と操船方法を学び、とりあえず最小限の操縦(目的地を決め、そこへ向かって進む)ができるところにまでなった。

 このゲームの特徴は、なんといってもヨットの操縦という点にある。ヨットに乗り込んで、風を読んで帆の向きなどを調整しながらゲーム内の海を自由自在に動けるのだ。
 もちろん、ヨットの操船などが解らなくても舵を取るだけで自動的に帆を張ったり調整してくれる初心者モードもあるので、ヨットの事を何も知らなくてもゲーム内の海で航海することは可能だ。
 そして1人で航海するのみでなく、オンラインで他のゲームユーザーと一緒にプレイすることも可能だし、他のゲームユーザーとレースをできるモードもある。

 そしてもうひとつすごいのは、ゲーム内に再現された「海」だ。多くの操船シムは特定の海域のみでのプレイとなっており、前述の「Ship Simulator Extremes」も決まった港やその周辺での操船に限られている。ところがこの「Sailaway」では世界中の海が再現されているのだ…つまり日本から太平洋をひたすら東へ向かえばちゃんとアメリカに着く、ニューヨークからひたすら東へ向かえばヨーロッパやアフリカなどにたどり着くことができるということだ。
 この海が1/1スケールで再現されているので、航海するのもそれだけ時間が掛かる。本ゲームで太平洋横断は可能だが、それを実行すれば実物同様に何日も掛かるということだ。
 ただし弱点は、海から見た陸地の再現は…地形は上手く再現されているが、建物等の再現にき疑問符が付くところだ。悪く言えば都会かそうでないか程度の違いしかないし、海に架かる橋なども再現されているものはほとんどない。

 海の色や波の再現も申し分ない。波のうねり方などは他の操船ゲームとは一線を画したリアルさだと私は思っている。天候も再現されていて、アメリカ海洋大気庁(NOAA)のデータによりリアルタイムの天候が再現される。例えば実際に台風が近づいている海へ行けば、ゲーム内でもその海は時化ているということだ。
 それだけではない、夜になれば空には星空が拡がるが、この星を使って天測航法もできるという優れものだ。それとは別に灯台などもキチンと再現されている。

 このように操船シムとしての素晴らしい海が作られていて、私は正直言うとこのゲームの海にヨットだけでなく様々な船を走らせて見たいと思っているものだ。

 今回はそんな「Sailaway」について簡単に紹介したいと思う。


・ヨットの舷窓から
 
 まず、私がゲーム内で手に入れた船を紹介しよう。これは本ゲームで最も標準的な船である「38フィートクルーザー」だ。
 自分の船には塗装も自分で決められるし、名前を付けることもできるし、船籍港を表記することもできます。

 「俺が乗る船の名は『羊蹄丸』をおいて他にない」(富山敬さんの声で読もう)…青函連絡船が青春だった私としては、やっぱり「自分の船」の名前はどうしても「YOTEIMARU」になるわけです。

 次のキャプ画に出てきますが、船籍港は「東京」にしています。
 その私の「羊蹄丸」がやってきた海は、東京港の「お台場」です。背景はフジテレビやジョイポリスや自由の女神像がある辺りですが…やっぱり似ないですね。建物の配置自体は合っているようですが。

 今回のプレイでは、ここから横浜港へ向けて航海します。
 では出帆です。帆を拡げると早速南からの風を捕まえて、船は進み出します。
 ヨットは単純に帆に風を受けるのではなく、「帆」と船底にある「キール」のそれぞれが発する揚力を巧みに組み合わせて進む。詳細は…「ヨット 揚力」などのキーワードで検索してみて下さい。
 ポートサイド側から風を受け、船体が大きく傾く。これで帆が発する揚力と、船底のキールが発する揚力が釣り合ってまっすぐ進む状態です。

 お台場の由来になった江戸時代に作られた砲座用の島もちゃんと再現されています。
 お台場から東京湾に出たところ、実物なら背後にレインボーブリッヂが架かっているはずですが、このゲームでは海に架かる橋はほとんどありません。
 だけど東京湾の地形は上手く再現されています。
 背景のビル群は品川のベイエリアか? だとすればマンションを多く描いて欲しいが、それは贅沢ってやつだな。
 船の舳先から上がる飛沫の表現もなかなか良いですね。
 航跡の再現はこんな感じ…航跡は「Ship Simulator Extremes」の方がリアルですね。
 でもこの光景、ビルの形が違うだけで東京港の特徴は出ていると思います。
 羽田空港沖まで来た。羽田空港はいくつかビルが建っているだけで、空港としての再現はありません。
 ここでスターボード(面舵)で、進路を多摩川河口方面に向けなきゃならないけど…。
 ヨットの場合、風が吹いてくる方向へ進むことは出来ません。この時の風向ではここで旋回すると向かい風にぶち当たってしまい進めなくなるので、羽田空港を少し行き過ぎたところまで行ってから旋回し、向かい風を回避します。

 そういう判断をさせられるのもこのゲームの面白いところです。
 羽田空港を少し行き過ぎてスターボードに舵を切ったところ。これまでポートサイド側から風を受けていたのが、今度はスターボードサイドから風を受けるようになり、船の傾きが逆になります。
 それに応じて帆の張り方も変えないと、上手く進めなくなるのです。
 旋回を終えてすぐ、なぜか沖にビルが1棟だけ建っているところが…。
 ゲーム内の地図を参照してわかりました、あれは東京湾アクアラインの「風の塔」のつもりなんだ…。
 このゲームでは京浜運河は再現されていないので、ひたすら沖を進むことになります。右手に見えるはずの京浜工業地帯も、このゲームでは単なるビル街…。
 そして前方に三浦半島が見えてきました、横浜港はもうすぐです。
 ゲーム内の地図と照らし合わせ、横浜港の入り口にある灯台を探します。見つけたところでスターボードに舵を切り、彼方に見える市街地を目指して進みます。
 これが横浜港の入り口の灯台、左側が青灯で右側が赤灯です。
 実寸画像だと向こうに市街地がうっすらと見えているのですが…。
 横浜ベイブリッジの下をくぐります…って、橋ないじゃん。
 そしてベイブリッジをくぐった先で、ポート(取り舵)に舵を切ると…。
…横浜港の山下埠頭の辺りに無事に到着です。私の腕だと2時間弱の船旅でした。
 今度は別のタイプのヨットで航海してみたいけど、それより先にこのヨットであっちこっちの海で遊んでみたいな…。

 という訳で次に「ワープ機能」で行ったところは…。



函館港に来てみました。
なんじゃ? このビルだらけで大都会と化している函館の街は?
それに函館山の山頂にもビル街があるし…

さーて、私にとって「特別な海」である津軽海峡を渡る航海に出るぞ!
 前の画像は夕方でしたが、実際のプレイは翌日午後になったので、午後の日差しを沢山浴びた函館港を出帆します。
 この函館は本当に「大都会」だ、函館どっくの方までビルが林立してる…。
 函館湾に出ました。函館山がでーんと構えている函館湾の景色の特徴が上手く出ています。

 函館港の防波堤は再現されていませんでしたが、港口の灯台はありました。
 今回の目的地は津軽半島の北端である竜飛、まず陸地に沿って木古内方面を目指します。

 このスクショは函館山山頂のビル街が解りやすいですね(笑)。
 この日のプレイでは、上のキャプ画からはほとんどキャプを取らないまま航海し、2時間程度で木古内湾も通り過ぎ、知内町の小谷石という小さな漁港に到着しました。
 ここで日が暮れたのでプレイの続きは翌朝にします。

 このゲームの日時設定はリアルタイムのみ、つまりプレイしている日時がそのまんまゲームに反映されるということです。
 翌朝、小谷石の漁港を出帆です。早起きして日の出直後からプレイしたのよ。
 渡島半島の木古内町と福島町の間は険しい山岳に阻まれています。そこの険しい海岸線の再現がとても雰囲気が出ていて気に入りました。
 岬をひとつ越えると、スターボード前方にうっすらと北海道最南端である白神岬が見えてきました。
 本当に津軽海峡なんだな…。
 1時間ほど南下を続けると、いよいよ海峡の中央部に到達しました。
 スターボード側には白神岬と向かい合う、津軽半島の竜飛岬も見えるようになります。
 これぞ、私が見慣れた津軽海峡だ!
 向かい合う二つの岬、その地下深くには青函トンネルがあって今は新幹線が走っている。
 まるで快速「海峡」号のヘッドマークですね(鉄道ファンにしか解らないかも?)。
 振り返ると徐々に遠ざかる北海道の大地。こういうゆっくりと陸地が近づいたり遠ざかったりという、船ならでは情緒が味わえるゲームでもあります。
 前を見れば津軽半島が徐々に近づいてくるのが解ります。
 この時は西南西の風が10ノット前後で吹いていて、小谷石から竜飛へまっすぐ向かうと右70度方向から風を受ける形になり、スピードが出てとても気持ちよくヨットを走らせることが出来て楽しかったです。
 目的地まであと6マイルくらいまで来ると、急激に陸地が近づくように見えます。
 津軽半島の地形がハッキリしてきました、左には三厩湾も見えます。
 竜飛岬付近の独特の地形も判別できるようになりました。「あの辺が青函トンネルの基地で、あの辺が漁港で…」と行ったことがある人なら解る位に再現性はある。
 建物も見え始めたけど…やっぱりビルばっかり。
 でも函館と違って背の高い建物はなく、雰囲気は出ていると思う。
 という訳で、無事に竜飛の漁港に入港しました。船首を風に向けて帆を畳んで停船です。

 小谷石から約2時間程度の航海でした。
…建物の配置自体は竜飛まんまなので雰囲気は出ていますが、建物の形が…。
 でも世界中の海を全部再現しているんだから贅沢は言えません。

 シミュレータゲームとはいえ、津軽海峡を自分が操船する船で渡る経験が出来たのは嬉しい。

…という訳で、「Sailaway」のプレイを一通りお送りしました。私はレースとかよりものんびりと航海がしたい人なので、こういう「どこかからどこかへの単なる移動」というかたちの紹介にしました。
 最近はこのようなヨットのシミュレータゲームも多いですが、世界中の全ての海を再現というのはこのゲームだけの特徴ですし、何よりも日本語対応なのが嬉しいですね。

 最近は操船シミュレータゲームも色々出ているようです。スエズ運河を完全再現したゲームがあるとの事ですが…1/1スケールでしょ、プレイを始めたら10時間くらいPCの前から動けないってこと?という恐怖で手を出せずにいます。

 いずれにしても操船ゲームが色々と増えて楽しめるようになることを願い、今回は終わりにします。

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