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「Train Simulator」只見線の続きです。
ここ(会津川口駅)からの区間は、災害のため2020年夏現在は運休中です。
会津川口駅を出るとほどなく「第五只見川橋梁」です。
下路トラス橋とガーター橋の組み合わせで、広い川幅を渡る。

ここは2011年7月の豪雨で、画像向かって右側のガーター桁が流失した。
ダムを背景に只見川を渡る「第六只見川橋梁」。上路式トラス橋とガーター橋の組み合わせ。

背景のダムは「本名ダム」で、只見川に複数ある発電用ダムのひとつだ。
この「第六只見川橋梁」は、2011年7月の豪雨災害で流出して失われた。
ダムが放流したときは凄い光景が見られるとのことだったが…。

被災後の写真を見ると、画像手前側の橋脚が激流で倒れたと考えられる。
続いては「第七只見川橋梁」、カーブしたガーター橋に上路ガーターが繋がる独特の橋だ。
この「第七只見川橋梁」も、2011年7月の豪雨災害で流出して失われた。

起点側のカーブしたガーター橋部分は流出を免れた。被災後の写真を見ると、画像左側の橋脚が倒壊したであろうことが解る。
「第八只見川橋梁」は只見川を渡るのでなく、かすめるだけの「渡らずの橋」だ。

近くの国道からこんな写真が撮れるので、国道には駐車禁止の看板が立っているという。
このトラス橋は、静岡県の飯田線(ダム建設による水没区間)から転用した橋梁としても有名だ。

この「第八只見川橋梁」は2011年7月の豪雨災害で流出は免れたものの、両端のコンクリート橋部分が致命的なダメージを受けたという。
場所が悪く資材搬入が困難で、この橋梁の復旧に最も時間が掛かるという。
こうして列車は只見川を縫うように走り、会津若松発車から約2時間もの旅となりました。
列車は無事にこのゲームにおける終着駅、只見駅に到着です。
ゲーム内でも約2時間、本当にお疲れ様でした。

只見駅の全景、レールは背後の山々を越えて新潟県方面へ続く。
その道のりは鉄道は長大トンネル、道路は冬期通行止めの険しい峠道。
奥只見ダムも車窓に見える水源地帯、ダム関連施設については「くろよん」並の楽しい場所です。


これで本ゲームの只見線の旅は終わりで、次からはおまけです。
このゲームの中でひとつ夢みたことを、早速叶えました。



只見線マップに付録のキハ40系を、日高本線に持ってきました。
そうです、以前紹介したこのゲームの日高本線を、キハ40系で走るのです。


日高本線を紹介したとき、「ここをキハ40系やキハ22系で走ってみたいなぁ」と書きましたが、
今回の只見線マップのリリースで、はからずともこれが叶うことになってのです。
キハ40系が北海道仕様の100番台でないことは残念ですが、雰囲気は味わえます。

只見線の山中の光景とは一変して、海岸線を走る。
日高本線は高波による災害を受け、長期間にわたり不通が続いていたが、ついに鵡川駅から先の廃止が決定的になった。
これは本ゲームで再現されている、鵡川~日高門別間を含んでいる。
この区間を列車が走る風景は、もう見られない可能性が極めて高い。
車窓に広がる太平洋、この光景ももう過去のものに…。

鵡川橋梁を渡るキハ40系。
この美しい橋も見られなくなってしまうのか?
ここの橋梁はいろんな角度で列車を見ることができる。
ゲームならではだ。
鵡川駅到着。
ここから奥が廃線になるとすれば、棒線駅になってしまうのだろうか?
そうすると日高本線は、すれ違い不可能なローカル線になってしまう。
浜厚真駅に到着。
「首都圏色」のキハ40系と、車掌車改造の小さな駅舎。
この光景が私の青春時代の日本のローカル線の風景、国鉄分割民営前後の「過渡期」の風景だ。

厚真川橋梁を渡る。

厚真川橋梁は2018年9月6日の「北海道胆振東部地震」で桁がズレる被害が出た。
復旧には2ヶ月を要し、同年11月19日に運行を再開した。
勇払原野の海岸線を突っ走る。
ちなみに私が初めて日高本線に乗ったのは1988年3月、「首都圏色」のキハ40系で終点様似を目指した。
同じキハ40系でも仕様は違うが、その雰囲気は出せている。
苫小牧駅到着。ここにキハ40系を停めてみると「いつか何処かで見たような…」という景色のできあがり!
ホーム視点でキハ40系を眺めてみる。やはりこの苫小牧駅の出来が良いせいか、とても雰囲気が出ている。
でもキハ40系が東北仕様だから、苫小牧駅というより東北地方にも見えてしまうが。

でも、「首都圏色」のキハ40系で日高本線を走れたのは、ゲームとはいえとても嬉しかった。




…以上が今回発売された、本ゲームの只見線とキハ40系だ。

 これまで鉄道シミュレータゲームとして、本格的に日本のローカル線が再現されたことはなかったので、今回の内容はとても嬉しい限りだ。

 ただ、このマップを作ったメーカーさんに対しての批判になるか、もうちょっと完成度を上げて欲しかったとも思う。車両関係のおかしいところは指摘済みだが、他にも遠景の山の色を青にしたのは良いのだがそれが近付くときの色の変化や、変化する距離なども考えて欲しかった。青い山の斜面に木が生えている光景は見るに堪えない部分でもある。
 また本マップでゲームをプレイすると、2Dマップが使えないのも何とかして欲しい。2Dマップで路線を参照しようとしても、意味不明の景色が出てくるだけで肝心な地図が全く表示されないのだ。2Dマップを参照できないため、シナリオの自作も不可能でこのマップで楽しめる範囲がとても狭くなってしまっている。
 車両の不具合も含めたこれらの問題点については、今後のアップデートによる修正を是非ともお願いしたい。

 今回、DLC発売の翌日にサイトにアップというとても早いタイミングで、このゲームの只見線について紹介した。色々と問題はあるとはいえ、とても素晴らしいマップを作ってくれたとメーカーさんには感謝したい。
 同時に多くの日本人の鉄道ファンの方がこのマップを手に取り、本シミュレータゲームの魅力に気付いてくれるように願って、今回は終わりにしよう。
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