第24話「夏の終わりの日」 |
名台詞 |
「あのカンガルーだって、この広々とした草原にいるからあんなに落ち着いていられるのよ。もし、狭い囲いの中に入れられたら、きっとおかしくなっちゃうんじゃない? そう、そうよ。あんたが動物好きならなおさらそうでしょ? あんたに飼われるのが幸せか、自由に大地を跳び回るのが幸せか、わかる?」
(ケイト) |
名台詞度
★★★★ |
変わった動物を見れば何でも「飼うわ!」だってルーシーが、ケイトからこの言葉でもって「動物の幸せを考える」と言うことを教わる。確かにルーシーは動物好きだ、だからどんな動物とでも仲良く一緒に暮らしたいという気持ちは分かる。だがそれがその動物にとって本当に幸せなのだろうか? という疑問を初めて感じるのである。
この台詞の前段階にリトルを買い始めた事実を忘れてはならない。リトルの場合は事情が違う事を考慮しなければならないのだ。リトルの場合は親を失い、まだ幼くて狩りが出来ないからこのまま放っておいたら待っているのは「死」だけだったという事情がある。もちろんベンが捨てた場合もリトルに待っているのは「死」だけであった。リトルがこの世に生き続けるためには誰かが里親にならねばならない、そこいらでピンピン飛び回っている動物とは訳が違ったのだ。
この台詞でルーシーは野生動物を連れ帰ることに慎重になったか…といえばそうでも無いのが残念。最終回近くでウォンバットを捕まえて持ち帰るのだ。だがこのケイトの台詞をルーシーは重みを持って受け止めたのは事実で、ここまでのケイトでは一番の名台詞かも知れない。 |
(次点…というか)「おねえちゃん…私死にたくない。」(ルーシー)
…誰が死ぬんだ? この物語で…と言ったら天国のマックさんに失礼か。ケイトがハンマー使うのが素人目に見ても下手だって事だ、この台詞を吐く時のルーシーの恐怖に満ちた表情がいい。 |
名場面 |
デイトンが酒を捨てる。 |
名場面度
★★★★ |
デイトンはベンに「ラテン語を教えてくれ」とせがまれる。医者になる者は誰でもラテン語を習っているはずだからという訳だ。ところがデイトンの返事は「酒の呑み過ぎで忘れてしまった」というものであった。それでも「思い出してください」というベンをなんとか振り切ってテントに戻る。
デイトンはテントに戻るといつものようにウイスキーの瓶を取り出して開ける。瓶を口に付けようとしたところで思いとどまり、そのウイスキーを全部床に流してしまうのだ。そしてデイトンは再びベンの元へ行き、ラテン語の文法書を見せてくれたら少しは思い出すかも知れないと言うのだ。
これはデイトンの成長である。酒ばかり呑んでいてもここには頼って来る人がいるという事を思い知ったのだろう。それが今回ラテン語を教えてくれと言ってきたベンであるし、診療所にやってくる患者達である。さらにポップル一家の人々も「医者がいると安心」と自分を慕ってくれる。なのに自分は酒ばかり呑んで酔っぱらっている場合でないと知ったのだ、もっとしっかりしなきゃならない人間なんだと。
その決意の現れが酒を床に流すという行動に繋がったのだろう。以後デイトンが酒でべろんべろんになっている姿は出てこなくなり、自分のためだけでなく他人のためにキチンと働くようになる。
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(次点)ルーシー・ケイトVSウサギその2
…やっぱこの二人とウサギの戦いは面白い。理論抜きで面白い。いつもと違う服でも中身は変わらずってとこか。
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登場動物 |
飼われているもの→モッシュ・ステッキー・パンジー・リトル
野生のもの→ウサギ・カンガルー |
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感想 |
特に何が起こるで無い話だが、色々見どころはあって見ていて飽きない。いつもと違う服も出てくるし、今度はルーシーだけでなくケイトの着替えシーンまで出てきて、さすがに肌は晒さないが下着姿になる。
序盤のルーシーとケイトに勉強をさせるという話、ベンがそれをうらやましがるという話もそうだろう。それと干し煉瓦を作る課程もケイトが自然に作業を行うことで再現されている。その中の会話でルーシーが兄がなりたいものを知らなかったのは意外だった、でも兄妹が多いと二人上の兄妹のことは見えにくくなるのかも知れない。私は真ん中だったからよく分からないけど。
デイトンの人間的成長にはちょっと感動した。ベンにああ言われて何か変わると思っていたけど、まさか酒を捨てるとは…子供の頃もこのシーンは驚いた。酒好きな人間がそう簡単に酒を手放せるわけはないのを、私の父を通じて見ていたからである。ま、私の父は酒をやめる決心をしたわけじゃないが。
最後の方のルーシーとケイトが草原へ行った話は大笑いしながら見ていた。ラストのステッキーとパンジーの綱引きは大笑い、ケイトが打った杭は抜けたが、ルーシーが結んだロープはゆるまなかったのだ…ダメぢゃん、ケイト。 |
研究 |
・カンガルー
オーストラリア独特の動物と言えば、真っ先にカンガルーを思いつく人も多いだろう。ご存じの通りオーストラリア大陸とその周辺にのみ住むフクロネズミの仲間である。恐らく劇中に出てきたのは色々な種類がある中でも巨大な「アカカンガルー」と呼ばれるものだろう。発達した後ろ脚で高速移動するため、現在では自動車との衝突事故が問題となっていて、オーストラリアの道路標識には「カンガルー注意」というのも存在する。日本のRV車に取り付けられている「グリルガード」は元々カンガルー衝突対策としてオーストラリア向けの車に装備されたものである。
カンガルーの語源はオーストラリア先住民族の言葉で「跳ぶ動物」という意味だそうな。中学生の時に本で読んだ、欧米の探検隊が初めて見た時に先住民族に「あれはなんだ」と聞いたら、言葉が通じず現地語で「(あなたが何を言っているか)わからない」という意味となる「カンガルー」と言われた…という話はウソだったようだ。 |