第18話「浮かぶ要塞島! たった二人の決死隊!!」 |
名台詞 |
「俺は子供の頃絵が好きでな、大きくなったら画家になりたいと思っていた。それがどうだい、科学畑のプロだぜ。姉を交通事故で死なせてからだ。機械が人間を殺す、そんなことがあってよいものか? 科学は人間の幸せのためにこそあるものであり、人間は科学を超えたものだ。そう考え、それを実際に確かめるために俺は科学者になった。科学は俺にとって屈服させるべき敵なのだ。」
(真田) |
名台詞度
★★★★★ |
真田が本音をさらけ出す。科学技術の最先端であり、かつ科学が人間を楽しませるはずの「月の遊園地」で姉を喪った真田は、その事故以降科学を屈服させるべく科学者の道を選び、地球防衛軍の科学者となった経歴があかされる。
この真田の台詞、子供の頃にもずしーんと重みがあって強烈に印象に残っている。味方側クルーの暗い過去、戦争で家族を失った古代と対比として平和だった時代に家族を喪った真田の存在は重いし、それによって現在の真田があるという事をまざまざと見せつけられる。そして真田という真面目で頑固な人間性をまざまざと見せつけられる。そして視聴者に、人間と科学、科学と戦争というものについて考えさせるのだ。
この初代テレビシリーズから「完結編」まで続くヤマトシリーズの中で、真田が吐いた一番の名台詞といっても過言ではないと思う。 |
(次点)「いやぁ違うんだよ真田さん、俺は偵察機で部下を亡くしている。あなたを二人目にはしたくない。」(古代)
…この台詞は偵察機が破壊して戦死者を出してしまった悔しさが込められている。ただ古代よ、もしこの作戦で真田が死んだら、偵察機で二人戦死しているから三人目になっちゃうんだよ。 |
名場面 |
ガミラス要塞に残る真田と避難する古代の別れ |
名場面度
★★★ |
真田は義足と義手を切り離し、古代に背負われて何とか敵要塞の出口にたどり着く。そこで真田は切り札を出す、真田が切り離した義足と義手はいざって時のために爆薬がしこんであったと言うのだ。そして古代に、起爆スイッチの起動範囲内にいるために爆破させる必要があるからここに残ると告げる。これに古代は当然驚くが、頭の良い真田はちゃんと生き延びる手段も考えてある。要塞の防御シャッターが動くはずと睨んでいたのである。だがこの作戦も不確実であり、古代までも危ない橋を渡る必要はないから逃げて爆発の後に探してきてくれるように言う。
古代は「俺には何も言えない」と答え、真田をシャッターの外に連れ出す。そしてお互いに「さよならは言わない」と言い合って、古代は工作機にのって去る。
その後の無言の別れままお互いに見つめ合う、このシーンには決死の覚悟で敵を倒す者と、それを見送る者の哀惜が十分に込められている。昔見たときは真田さん死んじゃうの?と思ったものだ。
結果的に真田の目論み通り生還できるのだが、それが確約されない時点でのこのシーンは「これが最後かも」というお互いの思いが出ている。特に古代は、真田から色々と話を聞かされてその思いは強かっただろう。 |
人類滅亡まで |
あと 260日 |
感想 |
真田さんの話である。今回の真田が主人公のこの話は、小学生時代に見たときに一番印象に残った話である。真田の過去、古代の兄とのことや冥王星会戦に送り出した「ゆきかぜ」のこと、そして真田自身の成り立ちや心情までが紹介される。ハッキリ言って古代以外でここまで過去が暴かれるヤマトクルーは真田だけなのだ。
そして真田の決死の覚悟を決めた爆破作戦、さすがに手足が取れたときは「そんなんありかー」と当時は思ったが、最後まで見てみると納得、それが爆弾になっているとはよく考えたものだと感心して見た記憶もある。
でも真田死んだ、と思って悲しくなったりもした。本当、最後は生きててよかった。 |
研究 |
・宇宙要塞13号
今回のガミラスの防御は「宇宙要塞13号」と呼ばれる無人要塞である。巨大なラグビーボール状の物体で、表面には無数の穴が空いていてそこから「マグネトロンウェーブ」を発進している。この「マグネトロンウェーブ」を浴びた宇宙船は外板の継ぎ目を破られて破壊する、つまり様々な周波数帯の振動を何らかの形で送り、継ぎ目部分が共振することで継ぎ目を疲労破壊して敵を殲滅するというものだろう。ただしシームレスなら大丈夫とは思えないが、そこは深く追求しない事にする。いずれにしろ、この要塞のおかげでヤマトからは2名の戦死者を出してしまった。
「マグネトロンウェーブ」発射口は内外からの衝撃で自動的に閉じるシャッターで守られ、また接近した敵を追尾する機能がついている。論理はよく分からないがワープで避けるのも難しく、ヤマトはお手上げとなる。
しかし、ガミラスの武器は必ずどこかに隙がある。防御シャッターは衝撃には機能するが人間が潜り込むのは探知できない。ガミラスもそれに気付いていて、内部に自動制御の守備ロボットを配置している(しかしこいつはいとも簡単に真田に倒される)。中央にメインコンピュータがあり、さらに自由自在に動く触手状の防御装置を備えている。この防御装置は進入する人間の手足が義足や義手で外せるなんて都合のいい話には対応しておらず、結局真田による爆破攻撃を許してしまうのだ。
いろいろあったがこの要塞に対しては真田の一人勝ち、ヤマトは真田とアナライザーで持っているんだな、やっぱり。 |