・「American Truck Simulator」~テキサス州からワシントン州へ~

 2022年11月、「American Truck Simulator」にテキサス州のマップがDLCとして加わった。これによってこのゲームではいよいよ、大西洋の一部であるメキシコ湾岸から太平洋側への「大陸横断」が可能となった。
 またアメリカの州ではアラスカ州に次いで2番目に広い面積を持つエリアでもあるため、本ゲームでの走行範囲が大きく拡がり、ゲームの楽しみの幅が拡がったと言って良いだろう。

 今回は「American Truck Simulator」でテキサス州ウィチタフォールズからワシントン州ペリンハムまでプレイで、アメリカ大陸横断の旅情を味わってみよう。

・トラックの車窓から
 
 今回はテキサス州ウィチタフォールズから、ワシントン州ペリンハムまでのパレットの回送です。本当はメキシコ湾岸の街からスタートしたかったのですが、そこからは太平洋岸まで行く仕事が出なかったので…。

 トラックは以前にも紹介したKenworth社の「W900」、トレーラーは私のオリジナルトレーラーで、日本のフォークシンガー 村下孝蔵をテーマにしたもの(以前紹介したページはこちら)。
 出発しました。朝のハイウェイを走ります。

 テキサス州はアメリカ南部最大の州で、前述したようにその広さは全米第2位。人口は約2900人、州都はオースティン、最大都市はヒューストン。日本の姉妹提携自治体は愛知県。
 宇宙産業などの先端技術で知られるが、農地面積が全米で最大を誇っているほど農業も盛んだ。

 ウィチタフォールズはテキサス州中部の人口約10万人の街で、名前の由来は「ウィチタの滝」という滝。だがこの滝は1886年に洪水で失われて、現在は人工の滝が公園に設置されているという。
 前述したように、テキサスと言えばNASAのジョンソン宇宙センターなど宇宙開発の場としても知られるが、このような広大な農地や自然の景色も印象深い。

 それと、テキサスと言えばダラスの教科書倉庫ビルが思い浮かんでしまう…あ、陰謀論なんか信じてないですよ。
 ゲーム内時間で数時間、テキサス州からニューメキシコ州へ入ってゆく。

 ニューメキシコ州はアメリカでは5番目に広い州だが、人口密度が低く人口は約211万人でアメリカの州では36番目となる。
 州都はサンタフェ、最大都市はアルバカーキ。主な産業は石油と天然ガスの生産である。

 私はニューメキシコ州と言えば、原爆の開発が行われたロスアラモス研究所と、UFOが墜落したとされるロズウェル事件が思いつく…あ、陰謀論なんか信じてないですよ。
 ニューメキシコ州を走る頃には午後の柔らかな日差しに変わってくる。リアルの季節に合わせて日照時間が変わるMODと、秋の景色に変更する季節MODを導入して、今の季節の雰囲気を出している。

 荒れ地に廃屋が並ぶ光景、これも私のこの辺りに対する偏見か。
 ニューメキシコ州を走っている間に、最初の夕暮れが訪れた。
 黄昏を走る私のトラックを、追い越し車視線で見てみた。

 日没後にハイウェイから逸れ、コロラド州との州境を目指す一般道へ。その途中のトラックストップで夜明けまで休憩。
 夜を明かすとすぐにコロラド州に入る。

 コロラド州はアメリカ西部の州で、人口は約570万人。州都は最大都市でもあるデンバー、日本の姉妹提携自治体は山形県。
 主な産業は農業や牧畜、それにハイテク産業と観光業だ。

 私はコロラド州と言えば、まずコロラド川を思いつく。「コロラド」とはスペイン語で「赤みを帯びた」ということで、コロラド川は赤い土が印象的なのだという。
 堆積岩で形成される台地に、印象的なとがった山が見える。何か名前がある山なのか?
 今回のプレイでは、コロラド州は一般道のみの走行である。アメリカ大陸らしい大規模農業の農地もあったりして、雰囲気があるなぁと思う…リアルで行ったことはないけどね。
 下道をのんびりと走っていると、ユタ州へ入ってゆく。

 ユタ州はアメリカ西部の人口約327万人の州で、その人口の大半が州都で最大都市でもあるソルトレイクシティ都市圏に集中していることが特徴だ。
 そのソルトレイクシティの由来は先住民族の「ユテ族」。主要な産業は鉱業、牧畜、塩の生産である。

 私にとってユタ州と言えば、某アメリカ人タレントの影響で「田舎」っていうイメージが定着しちゃっている。
 荒野に続く一本道、これぞ「アメリカン」という光景からユタ州の旅が始まる。
 ユタ州でもしばらくは一般道をひた走ることになる。一般道とはいえ65mph=105km/hで走る、これは日本では高速道路での速度だ。
 しばらく走ると右側に変わった岩山が見えてくる。
 これはモアブ郊外にある「Hole in’ the Rock」という「家」で、1940年代にある夫婦が岩を掘って作った家なのだという。
 夫婦はここに住むだけでなくレストランを経営、その後夫婦が他界した後は岩の中の家を見学できる設備と、いろんなモニュメントが飾られるスペースとして観光地化された…というのは、様々なネット上の記事から読み取ったこと。
 モアブの市街地を過ぎると、こんな印象的な山がある。
 これは名前があるんだろうな…登るのが大変そう。
 モアブからしばらく走ると、道は山岳部に入ってゆく。
 この峠道は「ソルジャー峠」、当サイトでは「Train Simulator」で取り上げた峠だ。

 「Train Simulator」では1/1スケールなのでこの峠を越えるのに時間が掛かるが、本ゲームではデフォルメされているのであっという間に峠を越えてしまう。
 また本ゲームでは、シーナリーとしてこの峠を行くスーパーライナー列車が登場する。
 峠を越えるとハイウェイに入り、ユタ州の州都ソルトレイクシティを通過する。

 ソルトレイクシティは市の人口約20万人だが、郊外も含む都市圏人口は245万人を数える大都市だ。
 長野の次に冬季五輪が開かれた街として記憶に残っている日本人も多いことだろう。第二次大戦前後の歴史的経緯により、アメリカの都市の中でも日系人が多い街として知られる。
 日本の姉妹提携都市は長野県松本市。
 街の名前の由来は、文字通り塩湖があることによる。また冬期五連が行われたほどウインタースポーツが盛んな街でもある。
 ソルトレイクシティを過ぎると、2度目の夕暮れがやってきた。
 このままハイウェイを走り、次の州に入ってゆく。
 日没直後にアイダホ州に入る。

 アイダホ州はアメリカ西部の山岳部が多く占める州で、農業と林業と鉱業が盛んな州だ。
 人口は約184万人、州都は最大都市でもあるボイシ。アイダホの由来は先住民族の言葉で「敵」という説や、同じく「山から昇る太陽」という説など、諸説あるようだ。

 私はアイダホ州と言えば、やっぱりジャガイモを思いつく。実際にもアイダホ州は「ジャガイモの州」とも呼ばれ、ジャガイモの香りの香水が売られたこともあるとのことだ。
 サービスエリアで夜を明かし、夜明けのハイウェイを疾走する。
 この旅ももう3日目の朝、目的地到着はこの日の夜になる。アメリカって広いんだなー。
 夜が明けきった頃、オレゴン州に入る(州境を示す看板はない)。

 オレゴン州はアメリカ西海岸に位置し、人口は約423万人。州都はセイラム、最大都市はポートランド、日本の姉妹提携自治体は富山県。
 広大な森林を擁するこの州では、林業と製紙業が盛んであるとともに、ヘーゼルナッツやクランベリーといった農作物も州を支えている。

 私はオレゴンというと、かつての「オレゴンから愛」というテレビドラマを思い出す。自然豊かな風景がドラマで描かれていた。
 前述したようにオレゴン州は自然が豊かで、森林や湖、それに山や川もこのゲームでは「豊か」に描かれている。
 その合間を縫うように大規模な農場も垣間見える。

 今回は通らないが、このゲームのオレゴン州では太平洋の海岸風景も素晴らしい。ゲームとはいえ、太平洋に沈む夕日の再現は逸品だ。
 オレゴン州では高原のような標高が高いところをしばらく走るが、やがてハイウェイは九十九折りを描きながら急激に標高を落としてゆく。

 コロンビア川が作る低地を目指すこのコースは、本ゲームで出てくるハイウェイでは難所のひとつ。
 登るときは勾配が険しくて速度が出ないし、下りでは速度のコントロールを誤れば横転という惨事が待っている。
 急勾配を下りきり、低地をしばらく走るとコロンビア川を渡る。この川からがワシントン州だ。

 ワシントン州はアメリカ西海岸で最も北に位置する州で、人口は約770万人。州都はオリンピア、最大都市はシアトル。日本の姉妹提携自治体は兵庫県で、愛知県とも友好関係を結んでいる。
 名前の由来は言うまでもなくアメリカ初代大統領で、大統領の名を名乗る唯一の州でもある。
 自動車や航空機やコンピュータ関連の産業が栄えるとともに、山間部では林業や農業でも盛んだ。

 私にとってワシントン州と言えば、ボーイングとマイクロソフトという印象だ。
 ワシントン州は山岳部も多く、このゲームでも多くの峠道が再現されている。
 こんな遠くの山並みを眺めながらの旅なんて、リアルでもどんな乗り物でもサイコーじゃないですか。
 そしてハイウェイは、ワシントン州をふたつに隔てるカスケード山脈を越える。これを超えなきゃ今回の旅は終わらない。
 またワシントン州はアメリカ北西端に位置していることもあり、太平洋に注ぐ川をいくつも渡る。これはコロンビア川に合流して太平洋に注ぐ川の一つで、川を渡るたびに様々な形の橋が出てくるのが面白い。
 カスケード山脈の峠道で、今回の旅の3度目の夕暮れを迎えた。
 岩がちで背が高い山、そこに同居する豊かな針葉樹の森林。山がちな日本でもない山岳風景だ。
 カスケード山脈の峠を越えて平地に下ってくると、また大河を渡る。これはタコマへ流れるグリーン川かな?
 いよいよ日か沈むとともに、今回のラストコースとなる。
 日没直後にシアトルの街を通過。
 ボーイング、マイクロソフト、アマゾン、スターバックスコーヒーといった世界にも名をとどろかせている企業がこの街で生まれ、この街を活動拠点にしている(本社機能だけ他の街に移転した企業もあるが)。日本の姉妹提携都市は兵庫県神戸市だ。
 アメリカの経済を支えるこの街は、本ゲームでは高層ビルが多く建ち並び、夜も不夜城のように明るく再現されている。

 こうなると、このゲームでニューヨークの摩天楼をみたいなと思ってしまう。マップ拡張がニューヨークまで及ぶのにあとどれくらい掛かるのだろう?
 そしてシアトルからさらに北へ、闇夜のハイウェイをゲーム内時間で2時間強走るとペリンハムの街に到着する、ハイウェイを降りて、市街地を通過して、目的地企業へ向かう。

 ペリンハムはワシントン州最北の都市で、人口約9万人。日本の姉妹提携都市は千葉県館山市。
 カナダとの国境に近く、森林が豊富で林業などで栄えている。ここが今回の目的地だ。
 市街地を抜けて配送先企業に到着。テキサス州ウィチタフォールズから約3100キロメートル、2泊3日の長旅でした。

 このゲームにおいて、2泊3日で初日の朝から最終日の夜まで掛かるような旅は初めてだ。2泊に跨がるような行程でも、初日や最終日で丸々一日かかるようなのはなかったですからね。

 今度はテキサスのメキシコ湾岸の街からカリフォルニアまでの旅とかプレイしたいですね。
 という訳で、「American Truck Simulator」でのアメリカ大陸横断の旅をお送りしました。今回はアメリカ大陸を南東から北西へ向けて斜めに渡った形で、このような横断ルートを取ると大体こんなルートになるというかたちを紹介しました。
 このゲームでは続けてオクラホマ州のマップが発売予定されているとのことですし、北側ではノースダコタ州やサウスダコタ州、その間のネブラスカ州やカンザス州というエリアも期待してしまう。フロリダやニューヨークはまだ遠いけど、そろそろ五大湖が見えてくると…と期待してしまうところだ。

 また動きがあれば、このゲームについても紹介していきたい。

(備考)
 本サイトの「American Truck Simulator」のゲーム画像は、下記DLCやMODを導入済みのものです。
 ・「American Truck Simulator - Arizona」
 ・「American Truck Simulator - New Mexico」
 ・「American Truck Simulator - Oregon」
 ・「American Truck Simulator - Washington」
 ・「American Truck Simulator - Utah」
 ・「American Truck Simulator - Idaho」
 ・「American Truck Simulator - Colorado」
 ・「American Truck Simulator - Wyoming」
 ・「American Truck Simulator - Montana」
 ・「American Truck Simulator - Texas」
 ・「American Truck Simulator - Mack Anthem®」
 ・「American Truck Simulator - Western Star® 49X」
 ・「American Truck Simulator - Western Star® 57X」
 ・「American Truck Simulator - Freightliner Cascadia®」
 ・「American Truck Simulator - International LT®」
 ・「American Truck Simulator - International® 9900i」
 ・「American Truck Simulator - Heavy Cargo Pack」
 ・「American Truck Simulator - Forest Machinery」
 ・「American Truck Simulator - Special Transport」
 ・その他、個人製作のMOD(詳細省略)
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