・Bernina Line: Poschiavo to Tirano Route
 レーティッシュ鉄道(スイス/イラリア) ベルニナ線:Poschiavo(ポスキアーヴォ)~Tirano(ティラノ)

ポスキアーヴォ湖の湖畔を行く「ベルニナ急行」

・収録車両
 ABe 8/12 Electric Multiple Unit(一般型電車「アレグラ」号)
 Bernina Express coach(「ベルニナ急行」用パノラマ客車)

・購入済みアドオン車両
 (RhB Enhancement Pack 03も使用可)

・経由地
Poschiavo(ポスキアーヴォ)~Li Curt(リ・クルト)~Le Prese(レ・プレーゼ)~Miralago(ミララゴ)~(ブルージオ)~Campascio(カンパシオ)~Campocologno(カンポコローニョ)~Tirano(ティラノ)




 ヨーロッパの内陸部、アルプス山脈に抱かれたスイスには数多くの山岳鉄道がある。その中でもスイス東部に長大な路線網を持つレーティッシュ鉄道は日本でも有名で、本シミュレータゲームでも数々の路線や車両が再現されている。

 レーティッシュ鉄道でも最も急峻なベルニナ線のベルニナ峠区間を含むサンモリッツ~ポスキアーヴォ間は本ゲームのDLCとして再現されていて本サイトでも紹介済みだが、このたび本区間の続きで終着駅までの区間を再現したDLCがリリースされた。これでベルニナ線の峠区間以外の名所である、ポスキアーヴォ湖の湖畔を走る区間や、ブルージオのオープンループ橋、ティラノ市街の併用軌道も本ゲームで愉しめるようになった。

 ポスキアーヴォを出発した列車は、まずはベルニナ峠の麓に拡がる穏やかな盆地の中を走る。この盆地風景の中で併用軌道が現れ始め、次のベルニナ急行停車駅であるレ・プレーゼ駅はホームの一部が併用軌道に掛かっている。
 やがて右側車窓に大きな湖が拡がる、これが峠区間以外で本線随一の景観を見せるポスキアーヴォ湖だ。列車はこの湖畔をゆっくりと走り抜け、湖畔にある小駅であるミララゴ駅に達する。
 ミララゴ駅を出るとこれまでの盆地風景や湖畔風景が嘘のように、険しい渓谷コースとなる。同時に70パーミルの連続下り勾配となり、道路と一緒を細かいカーブをいくつも描きながら狭い谷間を落ちるように下ってゆく。ここをソロリソロリと下ってゆくと、山峡の小駅という感じのブルージオ駅を通過、その先に本区間のハイライトと言える世界的に有名な橋梁がある。これが「ブルージオ橋(Kreisviadukt von Brusio)」で、全長142メートルの石積みアーチ橋であるが、その最大の特徴は曲線半径70メートル(スイス政府観光局による)のループ線になっていることで、しかもトンネルで隠された場所がない「オープンループ橋」であることだ。
 オープンループで360度のカーブを描いた後も、列車はさらに70パーミルの急勾配で峡谷を下ってゆく。この辺りまで来ると沿線に建物が増え始め、街が近いことを感じさせてくれる。カンポコローニョ駅を過ぎると国境を越えてスイスからイタリアに入る。
 イタリアに入った辺りで勾配が緩みだすと、線路は併用軌道になってティラノの市街へと入ってゆく。やがて列車は市街中心部に出る、聖母教会前の広場をゆっくりと走り抜ける登山電車は、この街のシンボル的な景色と言って良いだろう。
 また線路が元の専用軌道になると、イタリア国鉄の線路が近付いてきて列車は広い構内の駅へと吸い込まれる、終着駅のティラノ駅だ。

 本マップに備わっている車両は、ベルニナ峠のマップに付属していたのと同じABe8/12 3501-3515形電車と「ベルニナ急行」用の客車だ。ABe8/12 3501-3515形電車は運転台の視点が増やされるなど、一部仕様が変更になったようだ。この電車と客車を使えば、「ベルニナ急行」が簡単に再現出来る。
 もちろんベルニナ峠の時と同様、EW i 形客車を使ってローカル列車を再現するのもよし、ABe 4/4 III 形電車にこれらの客車を牽かせて遊ぶことも良いだろう。もちろん、レーティシュ鉄道の他マップに付属の貨車を使って、貨物列車やミキストトレインも再現しても良いだろう。

 この路線も急勾配と急カーブが続くため速度制限も多く、殆どの区間で制限速度が30km/h以下となっているので、距離の割に時間が掛かる(ポスキアーヴォ駅からティラノ駅までプレイすると、20キロ足らずの区間に30分以上掛かる)。ティラノ市街の併用軌道は15km/hで、なかなか次の駅に近付かない印象が残る路線だ。だがこの区間も景色が良いので面白く、プレイしていて飽きないのは確かだ。

 では、以下に本マップのスクショをアルバム形式でごらん戴こう。

・プレイ動画

 レーティッシュ鉄道ベルニナ線・山峡を行く列車(約63分) ※ 2020年6月7日公開


・世界の車窓から
今回の各所は「ベルニナ急行」で終着駅のティラノを目指す。

今回も付属する車両はABe8/12 3501-3515形電車と「ベルニナ急行」客車だ。

やっぱり「前パン」萌え~。
ポスキアーヴォ駅を出ると、市街地を背景にしばらくは穏やかな盆地風景の中を行く。
背後にはベルニナ峠へ続く険しい山々が連なる。逆方向なら「これから挑む山」ということで緊張するシーンだ。
この盆地風景の中心を流れる川はポスキアーヴォ川だ。この路線はここから先、この川が作る峡谷へと進むことになる。
しばらく進むと線路は一度併用軌道に変わる。この併用軌道の終わりに、このマップで唯一の「ベルニナ急行」停車の途中駅、レ・プレーゼ駅がある。
レ・プレーゼ駅を出ると、列車は美しい湖の畔に出る。ポスキアーヴォ湖、水力発電所が作る人造湖だが、その景色はとても美しい。
地形に忠実にいくつものカーブを描きながら、湖畔をゆく。背景の山々と湖の景色の調和がとても良い。
山と湖に囲まれた鉄道、こういう路線は災害も多くて保守が大変なんだろうな。
ミララゴ駅を過ぎると、これまで続いていた穏やかな盆地風景や湖畔風景が嘘のように、険しい渓谷へと変化する。
勾配も70パーミルと急勾配で、併走する道路と一緒に「落ちる」ように谷間を下ってゆく。
峡谷にある小駅はブルージオ駅だ。ここを過ぎてしばらく行くと、渓谷の中に本区間のハイライトシーンが展開する。
それが「ブルージオ橋」だ。橋そのものは全長142メートルの石積みアーチで、本鉄道では珍しくないサイズだが、その線路はこのようにループ線になっている。
トンネルのない「オープンループ」は鉄道では世界的にも珍しく、山岳路線が多い日本の鉄道では皆無という稀少さだ。
このスクショは何故か山を登る列車だが、この模型的な景色がとても印象的だ。
オープンループを下ってもまだまだ急勾配が続く。
だが、下るにつれてだんだん「街」が近付いていることを感じさせてくれる。
やっと勾配が緩むと、国境を越えてイタリアに入る。そしてすぐにティラノの市街地となって、線路も併用軌道になる。
やがて列車は市街地中央の広場を横断する。
この聖母教会前の広場横断シーンは、この路線の併用軌道を象徴するシーンだ。もうちょっと活気があると楽しいのになぁ。
そして列車はティラノ駅に無事到着。ポスキアーヴォから「ベルニナ急行」で40~50分ほどの旅だ。
ホーム視点で列車を見る。今回は季節設定を「冬」にしてプレイ、車体裾部に付いた雪の雰囲気がいいね。
到着した客車を後部から見る。いくつもの山を越えてやってきた安堵感が漂うシーンだ。

本ゲームで待望のベルニナ線全線開通が実現。
またレーティシュ鉄道の気分を強く味わえるようになりました。
次はどの路線が出てくるのか、楽しみのような怖いような…
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