心象鉄道16.中央本線の仲間たち
「♪8時ちょうどの〜 スーパーあずさ3号で〜」(意味不明)

(KATO・トミックス Nゲージスケール)


貸しレで「あずさまつり」をやってみた!

本記事の模型車両撮影に使った貸しレイアウト
東京都西多摩郡瑞穂町「ファインクラフト」さんです。
(JR八高線箱根ヶ崎駅徒歩20分・駐車場完備)

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中央本線と私

 吉祥寺で生まれ、杉並で幼年時代を過ごし、以降は練馬の石神井で育ち、大人になっても多摩地域の立川に近いエリアを転々としながら生活している私にとって人生を通じて最寄りの国鉄(JR)主要幹線は中央本線だ。
 だから中央本線の列車たちは子供の頃からよく見ている。吉祥寺や西荻窪の高架上を行く列車、荻窪駅を通過して行く列車、中央線快速電車や緩行電車を利用しているときにすれ違ったり追い抜いて行く列車…小さい頃はその列車たちにいつかは乗りたいと思い続けていたものだ。

 そんな中央本線の列車も我が家の鉄道模型のラインナップに数多く揃えられている。今回はそんな列車たちをアルバム形式で紹介していきたい。ただし今回は「中央本線」ということで、通勤電車(中央快速線・中央緩行線)の電車は割愛する。また、115系新製冷房車は「中央夜行」として詳しく紹介済みなので今回は省略、「パノラマエクスプレスアルプス」「ホリデー快速ビューやまなし」は今回撮影しそびれたので省略とさせて頂く。

 まず最初の紹介は、この3月に新型特急に置き換えられて中央本線の檜舞台から降りたE351系「スーパーあずさ」だ。
 E351系は1993年に登場した、JR東日本初で結果的に唯一となる制御付き振り子車両だ。このE351系は2018年3月のダイヤ改正で、光景のE353系に道を譲って廃車となった。
 カーブで豪快に車体を傾かせて、中央本線をかっ飛ばしていたことはまだ記憶に新しいところだろう。
 JR東日本が最初に作った常磐線用の651系「スーパーひたち」のデザインが基本で、前面に大型のLED電光掲示板を備え、ここに列車名を表示するのが特徴だ。

 私はこのE351系に三度ほど乗っている。
 最初は1995年春、所用で名古屋へ行く際に八王子から「スーパーあずさ」と「しなの」の乗り継ぎという、当時はまだあまり体験出来なかった振り子車同士の乗り継ぎの旅を愉しんだ。
 二度目は2012年で、どちらも出張帰りに乗った「中央ライナー」で、東京〜立川間でグリーン車利用。
 そして三度目、私にとって最後のE351系乗車は2015年12月の大阪出張帰り、大阪始発の「しなの」とこの「スーパーあずさ」のどちらもグリーン車を乗り継いで立川まで帰ってきた。
 なんだかんだで思い出深い車両だ。
 模型はかなり以前からKATOのものが存在する。これはKATOで始めて模型にも振り子機能を導入して、カーブで車体が傾くようになったが、初モノだけあって初期不良か脱線が多く不評のモデルだったと聞く。
 このKATOのE351系は、実物の引退が迫った2018年2月に改良再生産となった。ライト類のLED化、前面電光掲示板カバーの再現、スカート形状を末期のものに変更、前面電光掲示の表示内容交換可能化…など改良内容は盛りだくさんだ。
 私が購入したのはこの改良再生産品である。この模型を走らせてみたところ、脱線は殆どなくスムースに走ってくれた。足回りの改良もされたのだろうか?
 続いての登場は2001年登場のE257系「あずさ」、この車両もE353系に置き換えられて中央本線から引退し他路線への転用が決まっている。
 私にとってこの車両は、やっぱり「あずさ」や「かいじ」ではなく、「中央ライナー」や「青梅ライナー」なんだよなー。この車両は何度も乗っているけど、一度を除いてみんな東京または新宿〜立川間の利用だし。
 模型はやっぱりKATOのもので、もちろん我が家では11両フル編成での運行が主だ。
 振り子で車体が傾くが故に「細面」に面構えのE351系とは対照的に、居住性を高めるため性能を犠牲にして車体を拡げた「ぽっちゃり」ボディが印象的。
 この車両が中央本線から引退し、どんな姿になるのか、何処でどんな列車に使われるのか、とても楽しみである。
 続いての登場は成田空港アクセス特急「成田エクスプレス」用のE259系だ。最近は朝晩1往復の高尾発着の「成田エクスプレス」だけでなく、休日昼間に外国人観光客向けとして成田空港から富士山麓の河口湖までの「成田エクスプレス」も運行されるようになったため、中央本線で見かける機会も増えた。
 我が家のE259系はトミックス製品、以前にも書いた記憶があるがKATOのE259系は前面がどうしても気に入らず購入を見送り、後から出たトミックスがその不満点を改善してくれたので購入したかたちだ。その不満点は先頭車前面の連結器の色、E259系は連結器を黒くすることで前面デザインが完成しているのだが、KATOはその点を無視して灰色の連結器で再現してしまっている。
 高運転台車同士のすれ違いは、迫力があって良い。
 続いては国鉄時代の車両、183系1000番台車を改造した「グレードアップあずさ」だ。
 国鉄分割民営しJR東日本になった翌年の1988年、JRは「あずさ」用の183系1000番台の一部編成について、指定席車(グリーン車含むについて、)座席の交換や内装の更新、デッキ扉の自動扉化等の改造工事を行い、該当車両はご覧のような塗装に変更された。これが「グレードアップあずさ」である。

 この車両の塗装、好きなんだ…だけど残念ながらこの塗装は、183系1000番台を長野支社統一カラーに変更した1993年頃に消えてしまった。その後、183系1000番台が「あずさ」から引退して臨時列車用として隠居したあと、この塗装が一部で復活する。
 もちろん我が家の「グレードアップあずさ」。色の183系1000番台は、現在の臨時列車用の6両編成ではない。「あずさ」として大活躍していた時代の9両フル編成だ。
 模型はもちろん1990年頃にKATOが発売したもので、指定席車と自由席車の窓の大きさの違いを再現した改良品の方だ。後に183系1000番台一般車からトレインマーク変換機能のみ移植して「あずさ」だけではなく他のトレインマークも掲出できるようにし、同時にライト類のLED化などの整備を行った。
 トレインマークはその後、ペンギンモデル社製のものに変更し、「あずさ」「かいじ」「新宿湘南ライナー」「急行アルプス」を表示できるようにした。
 続いて紹介するのは、183系1000番台の国鉄特急色なのだが…これは前に紹介した、我が家の183系1000番台「とき」編成。
 だけどこいつのトレインマーク変換機能でヘッドマークを変更すると…
…「とき」が「あずさ」に早変わり!
 次に紹介するのは、国鉄時代の「あずさ」だ。1982年11月に上越新幹線が開業すると、それまで上越特急「とき」に使用されていた183系1000番台車の一部は編成内容はそのままで中央本線にやってきて「あずさ」に転用された。だから模型でもそのまま「とき」から「あずさ」に転用して使うのはアリだ。
 これをやるために、ペンギンモデル社製のトレインマークを切り継いで、「とき」「新雪」「あずさ」の3種類を表示できるようにした。本当は「踊り子」も表示させたかった…。
 前述の「グレードアップあずさ」と並べてみる。
 この国鉄色の183系1000番台も、トレインマーク交換だけではなく、ヘッドライトLED化などの整備を行ったのは、「とき」として紹介したときにも書いた。
 国鉄色の183系1000番台の方は、列車無線アンテナを撤去するなどちゃんと国鉄時代の姿に加工している。
 「とき」から転用された183系1000番台によって、信越本線特急「あさま」用の189系による「あずさ」の運行はなくなって「あさま」の増発が可能となり、これが私にとって思い出深い信越本線の急行列車の削減(特急格上げ)へと繋がっている。
 183系1000番台の「あずさ」も遠い昔のことになろうとしている。
 私が183系1000番台の「あずさ」に乗ったのは、1992年に松本からの帰り(詳しくは中央夜行のページ参照)と、1993年の秋に塩尻から新宿に戻ってきた時だ。それとは別に夜行急行「アルプス」で3度ほど利用している。

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