「あにめの記憶」15

「スペースコブラ」

・「週刊少年ジャンプ」にアダルティ
 当サイトでは色々なジャンルのアニメを扱ってきた。名作アニメ、SF、ギャグ、スポーツ(野球)、魔法少女…まだまだ抜けているのは、以前「あまり興味が無いので見送る」としたアクションものだ。そのアクションものの中でもガンアクション漫画として名高い「週刊少年ジャンプ」連載の「コブラ」を原作に持つ、この作品を今回は取り上げたいと思う。

 我々の世代の人にとって子供の頃の思い出に欠かせないひとつの漫画雑誌は、誰がなんと言っても「週刊少年ジャンプ」だろう。考えられる様々なジャンルの漫画が連載され、少年時代の我々はこれに夢中になって発売日が楽しみだった記憶がある。
 当時大ヒットとなった「Dr.スランプ」を筆頭に、現在も連載が続く通称「こち亀」、強烈なギャグで我々を笑いの渦に巻き込んだ「ハイスクール!奇面組」や「ストップ!ひばりくん」、サッカー少年を虜にした「キャプテン翼」、格闘技なら「キン肉マン」、下ネタなら「シェイプアップ!乱」…キリが無いのでこの辺りにしておくが、思い付くだけでも多くの漫画のタイトルが思い付く。今回の作品決定はまずあの頃の「週刊少年ジャンプ」出身作を取り上げて少年時代の思い出に浸りたいと考えた。
 そしてその「週刊少年ジャンプ」に、ひとつだけこの漫画雑誌とは大きく路線が異なるアダルティな作品があったのを強く覚えている。それが今回取り上げる「スペースコブラ」の原作漫画、寺沢武一原作の「コブラ」だ。
 物語は一人の宇宙海賊の物語である。主人公「コブラ」は左腕に「サイコガン」と呼ばれる銃が仕込まれており、これを武器に宇宙を飛び回るというストーリーだ。連載が長期にわたっていて多くの物語が内包されているため、大まかなあらすじというとこの程度しか語れない。1978年に連載がスタートして、掲載誌を変えながらまだ完結していないと言うのだから、本当に息が長い漫画である。恐らく「SF」漫画では最長寿でないかと思われる。
 この漫画の特徴的なところは、少年誌掲載の漫画としては珍しく「大人」が主人公であることだろう。多くの男の子向けの漫画が読者層と同世代の主人公を「等身大」で描くことで、読者の支持を得てきた。だがこの「コブラ」ではそのセオリーを破り、少年達が「憧れ」の対象となるべく主人公を描いている。
 そしてなんと言っても作画の迫力と美しさだ。主人公コブラはストーリーの都合上、決してハンサムではないのだが逆にそこが上手く味を出していてカッコイイし、劇中に出てくる女性は魅力的に描かれ「週刊少年ジャンプ」の読者である少年達の心を掴んでいる。そしてストーリーも迫力に満ちていて、途中からでも興味深く読みいってしまう内容であることは、私の兄が夢中になっていたことからも容易に想像できる。こんな凄い漫画だからこそ、当時週刊連載が不能で断続的な連載に留まったのは、現在だからこそ理解できる。

 今回はそんな80年代を代表する漫画を原作に持ち、現在でも根強い人気を持つ漫画をアニメ化した「スペースコブラ」をこのサイト独自のフォーマットで考察し、この作品の人気の謎に迫りたい。

・「スペースコブラ」と私
 このアニメは私が小学6年の秋から、中学1年の春にかけて放映された。第一回を見た記憶はちゃんと残っているが、終わりはあまり記憶に無くて「いつの間にか終わった」という印象が強い。それでも特に中学校に上がってからは、短い期間であったとはいえ同級生達の間でこのアニメが話題になることが多かった記憶がある。
 前項で偉そうに語った私だが、実はこの漫画にいつ出逢ったか実は全く定かでない。恐らく映画化されたあと、テレビアニメが放映される前後にそれに合わせて読んでいたのだと思う。その時の記憶は正直言うと「わけわからん」というものであった。ストーリーが小学生から中学生に向けての世代にとっては少し難解なところを途中から読んだというのが最大の理由だろう。その上でこの漫画の連載スタイルが断続的だったことが拍車を掛けている。だから私はアニメでしか「コブラ」という物語を理解できなかったというのが正解だ。
 それに加え、当時連載していたストーリーとテレビアニメで放映されたストーリーが違ったことも私を混乱させていた理由だ。これは今回作品を取り上げるに当たっていろいろ調べてみて初めて知ったのだが、テレビアニメになったストーリーは1978〜1980年頃に「週刊少年ジャンプ」に連載されたもので、私が「週刊少年ジャンプ」を読んでいた頃には、その続きとなるストーリーが連載されていたのである。
 このような記憶もあってこのアニメは「全部見直したい」と考えていたアニメのひとつである。勿論当時見たストーリーなどはあまり覚えてなくて、実際に見てみると「あったあった!」ということになってくるのではないかと思う。この作品で私の目を引いたのは、「週刊少年ジャンプ」では他に見た記憶のない「SF」だったこと。作中に出てくる宇宙船などが細かく、カッコ良く描かれていてストーリーよりそっちばかり見ていた記憶がある。その上で前述の通り、アメリカンコミック風の迫力のある画にはストーリーが解らなくても引き込まれる魅力はあった。
 さて、いろいろ語ったが、今回この作品を取り上げたもう一つの理由は正直に語っておかねばならない。それは前回取り上げた「クレヨンしんちゃん(劇場版) アクション仮面VSハイグレ魔王」を見たら無性に「スペースコブラ」が見たくなったということだ。もちろん目当ては悪役ではなく主役でカッコイイ野沢那智さんの声を聞くこと。氏の声で私の印象に最も強く残っているのは、このテレビアニメ版の「コブラ」の声だったのだ。

・サブタイトルリスト

第1話 復活!サイコガン 第17話 ならず者チーム
第2話 奇怪!ジゴバ 第18話 デスゲーム!0078時
第3話 宿敵!クリスタルボーイ 第19話 なるか!?逆転ホームラン
第4話 脱走!!シド刑務所 第20話 死闘!砂の海の恐怖
第5話 謎!強敵スナイパーは? 第21話 二人のソード王
第6話 魔術師の正体!! 第22話 地底の客
第7話 ジェーンの仇! 第23話 海底の墓標
第8話 激闘!コブラ対ボーイ 第24話 ロボットはいかが?
第9話 出現!!海賊スノウ・ゴリラ 第25話 コブラが死んだ!?
第10話 イレズミの秘密 第26話 戦火の彼方に
第11話 砂の惑星ザドス 第27話 悪の帝王!サラマンダー
第12話 恐るべし最終兵器 第28話 コブラ怒りの報復へ
第13話 死のルーレット 第29話 極北の男・熱き血よ
第14話 大魔王ガルタン 第30話 サラマンダーを倒す法
第15話 竜水晶の友よ! 第31話 あばよ!おれのコブラ
第16話 地獄へ!ラグ・ボール  

・「スペースコブラ」主要登場人物

コプラ関係者
コブラ 主人公、左腕にサイコガンという銃を仕込まれた宇宙海賊。物語開始時点では海賊だった記憶を失い、普通のサラリーマンとして登場。
 …80年代を代表する三枚目ヒーロー。あの野沢那智さんがしがないサラリーマンからハードボイルドまで幅広く演じる。
レディ コブラの相棒で特殊金属で作られた女性アーマロイドで、コブラとは強い信頼関係を持つ。物語開始時点ではメイドロボットとして登場。
 …コプラと行動を共にしているが、個人的に最初に出てきた「メイドロボ・ベン」としての登場の方が印象に残ってる。
ボブ いつのまにかにタートル号に乗っていたコブラの助手的なロボット。外見は「ガンダム」出てくる「ボール」を小さくした感じ。
 …そしていつの間にかにいなくなっていた。
ロイヤル三姉妹
ジェーン・ロイヤル 三姉妹の次女、姉妹の中で最初に出てくる賞金稼ぎの女性。姿をくらましたコブラの死を疑っていた模様。
 …コブラにネルソン・ロイヤルの財宝の話を持ち込んだ張本人。彼女こそが物語のキーマンであろう。
キャサリン・ロイヤル 三姉妹の三女で、刑務所に監禁されていたところをコブラに助けられる。元小学校教師との設定。
 …出てきたと思ったらあっけなく殺されてしまう。しかし、お前は沖田艦長か!?
ドミニク・ロイヤル 三姉妹の長女で、海賊ギルドの下部組織の構成員として登場。だがこれは仮の姿であった。
 …どうでも良いけど、吹雪の中をあの姿でスキーで滑って寒くなかったか? 昔からこればかりが気になるキャラ。
ネルソン・ロイヤル 三姉妹の父で、かつて名を上げたいた宇宙海賊。莫大な遺産を遺していて、そのありかを地図にしてこの世を去ったらしい。
 …最終兵器を遺す辺り、この人は後日他の海賊達が盛り上がるために財宝を隠したとしか思えない。
その他コブラの仲間
ルシア・ロドック ギャンブルのための宇宙ステーション「ラスベガス・ステーション」にあるカジノに勤めるバニーガール。その素顔は…?
 …コブラに出てくる女性で珍しい「ボケキャラ」、この女性が13話で物語の雰囲気を大きく変えてしまう。声はハイジの人だ。
ベラミ 大魔王ガルタンの元にいた魔法を操れる女性。この娘がある日突然タートル号の中に現れ…。
 …まさか「コブラ」で「空飛ぶ絨毯」が出てくるとは思わなかった。
ベガ ウイング星人で星の警備兵だった男、過去にギルドに追われ絶体絶命のコブラを助けた事がある。声はヤマトの真田さん。
 …そしてその身体には思いがけない秘密がある。その秘密について研究してみると意外な実体が…?
ジンゴロウ コブラの知人の一人で、あのタートル号建造者。劇中での登場時は既に死去した後でビデオレター内でのみの登場。
 …タートル号を15年前に建造したと言うことは、コブラは40近いんだな…。
ユーコ ジンゴロウの娘で二十歳、劇中時点ではギルドに捕らえられていた。。
 …恐ろしい大魔王として画面に登場したかと思えば、最後はネタキャラとして退場。ドクロベェ様のご冥福をお祈りします。
ハービィ ジンゴロウのもとにいたお手伝いロボット、ジンゴロウからコブラへの遺言となるビデオレターを持って待っていた。
 …ビデオがいまだに「ビデオテープ」なのに笑った。
マゼラン博士 銀河に名を轟かせる天才科学者、コブラがその腕を見込んで瀕死の重傷のレディを担ぎ込んだ。
 …そうさのう、わしゃ1ダースのアーマロイドよりも、レディひと(以下略)
ドグ・サバラス コブラの旧友の一人で早撃ちが得意な一匹狼の宇宙海賊、何にでも変身出来るミラージュ星人の最後の生き残りで出べそらしい。
 …早撃ちの名人という設定は全く使われず、何にでも変身出来るという設定ばかりが目立ったなぁ。
パンプキン コブラの旧友の一人で巨漢の怪力男、傷害致死罪でデイブ刑務所にいた。巨体に似合わず乗り物の運転が専門。
 …「コブラ」に出てきたキャラの中で、私が最も憧れた人。やっぱ子供は「運転士」になりたいんだね。
バッド コブラの旧友の一人でコウモリのような羽根を持つ男。視覚・聴覚・臭覚が地球人の1万倍。
 …コブラに誘われて「平穏な暮らしをしたい」と訴えるも、コブラが現れた事でそうは行かなくなってしまう可哀想な人。
ラグ・ボール「レッドサクソンズ」
ザック・シモン チーム二軍「Zチーム」のキャプテン、コブラの旧友で彼の力でZチームがコブラに協力することに。
 …そして彼のせいで、正体を隠してチームに来たコブラを、Zチームの皆が「コブラ」と呼ぶことに。
ドナルド星人兄弟 ロン・ゲック・サンダ・ガイラの4兄弟らしい。ゲルドにロンが殺された事で一軍に恨みを持つ。ラグ・ボールでは俊足が武器。
 …二軍選手の悲しさと努力を見せてくれるのが彼らだ。そしてスポーツで兄弟は半減、なんつー物語だ。。
ダン 一軍のキャプテンで目が四つある。実力と人気を兼ね備えているが、最後はラグ・ボールの実力でコブラに屈する
 …しかし、彼の顔を見る度に思ったのだが、4つ目がある彼にはどのように物が見えるのだろう?
ゲルド 一軍で性格が悪く二軍選手に対し常に見下した態度を取る。試合中のコブラとのクロスプレーで死去したもよう。
 …彼が一軍の「悪」を全て引き受けたからこそ、ラグ・ボール編に様々な要素が生まれ盛り上がったと言っていい。
ミランダ チームのチアリーダーで何故か選手達の宿舎に寝泊まりしている模様、コブラに惚れ込んで競技場の図面を盗み出す。
 …だがコブラを殺そうとした一軍選手によって瀕死の大やけどを負う。その後出てこなかったところを見ると…。
海賊ギルド
バイケン かつてコブラを狙っていたギルドの幹部。彼がコブラの顔写真をばらまいたため、コブラは記憶を封印してサラリーマンとして身を隠すことに。
 …サラリーマンとして過ごしていたコブラの記憶を取り戻した張本人。カジノのオーナーという隠れた面も。
ジゴバ 海賊ギルドでもそれほど順位の高くない幹部。サイコガンの技術を盗んでコブラを倒すことで出世を試みるが…。
 …登場話をよく考えてみると、日本のSFアニメでこれほど頭の良い敵はいない。なのにあっけなく倒されてしまった悲劇の人。
ビビ ジゴバに姉を人質に取られ、コブラの元に転がり込みサイコガンの透視写真を撮影するよう命じられる。
 …声は「ガンダム」のララァでお馴染みのあの人。「本意ではないがやむなくやっている」という演技にしびれた。
クリスタル・ボーイ コブラ最大の宿敵で、特殊変更ガラスの肉体を持つサイボーグ。こんな肉体なのでサイコガンが効かない。
 …最初に出てくる「1話限り」ではない宿敵、コブラとは逆のハードボイルドを演じる小林清志さんがとてもカコイイ。
シュルツ 表向きはシド刑務所の所長、裏向きは海賊ギルドの幹部。ネルソンの財宝について知っていて同じ惑星にいたキャサリンを監禁する。
 …さらにもうひとつ、裏の裏の顔として海賊ギルドを裏切って自分勝手に振る舞う悪役という設定。そういう人は破滅するという典型。
ターページ シド刑務所がある惑星でコブラを捕獲すべきクリスタルボーイが雇った植物惑星形人間。全く役に立たず無駄に騒ぎを大きくした。
 …様々な必殺技があるので研究しがいのある悪役。彼について考えれば考えるほど、彼の存在が気持ち悪くなる。
サンドラ 女だけの海賊「スノウ・ゴリラ」の隊長で片目がない。声はあの女海賊の老舗、エメラルダスの人だ。
 …ネルソンの財宝を巡ってコブラと直接対決。しかしこいつ、ペットロボを何匹持っているんだ?
ハンマーボルト・ジョー ギャンブルのための宇宙ステーション「ラスベガス・スーション」にあるカジノの支配人。裏ではここでギルドの資金を集めている。
 …必殺技はコブラが使用済みの「ロケットパンチ」。おかげさまで最初から「機を逸した」キャラになってしまった。
ランド ラグ・ボールのプロチーム「レッドサクソンズ」のオーナー。だがそれは表の顔で、裏ではギルドの片棒で麻薬の密売に手を染めている。
 …選手よりチームの売り上げという冷徹なオーナーだが、麻薬密売について誰にも語れないという微妙な役どころの悪役だ。
アイアンヘッド リゾート地の海底に巨大な海底基地を築き、海面を行き交う船舶を襲撃する女海賊。頭部だけが本体のサイボーグ。
 …リゾート地の様々な要素を基地防衛に使うという頭の良さだが、他のギルド幹部と同じようにコブラに倒された。
エリス アイアンヘッド一味に襲われたコブラを助けた女だが、実はアイアンヘッドの部下でサイボーグ。
 …空飛ぶ絨毯の次はベッドに乗って空を飛ぶ(笑)。キューティクルがないからサイボーグとバレるのが笑えた。
ブライアン・リード 表向きは大会社社長、裏向きでは武器商人でギルドの手先。コブラに盗まれた宝石を奪還すべく、レディを人質に取る。
 …念のため言っておくがコブラを倒したのはこいつではなく、こいつの配下の雑魚キャラの独断行動による者だぞ。
サラマンダー ギルドの総司令で元帥という最高級幹部でコブラ最強の敵。銀河系の悪の組織の中枢だが、何故か和風だ。
 …3000年も闘争に生きた歴史上の有名人みたいな人、と思ったら本当に正体はそれだったのね。
ドーベル 銀河パトロールでドミニクの隣室にいた警官だが、実はギルドのスパイ。悪の捜査から交通違反検挙まで幅広く扱っている。
 …コブラと同じように右腕に連射プラスターが仕込まれているが、その武器ではなく自分の腕力を過信したことで倒される。
ベルガ ネプチューラ星で海賊活動を行う戦車隊の隊長、民間人の虐殺などやりたい放題でバットの恋人の生命を奪う。
 …戦車が敵の銃弾をはね除けるのと、強いかどうかは別問題と言うことを教えてくれた。声はあのギレン・ザビだ。
エル・ロデス 表の顔は税関職員だがその立場で麻薬密輸で儲けているギルドの幹部。ギルド幹部らしくない気弱なキャラだ。
 …彼が出たのは1話だけだが、気の弱さでそれ以上の存在感があった。声は当サイト登場作品数が最も多い村松康雄さん。
ラシッド エルラド教会の幹部で、実態はサマランダーの部下。ギルドの銀河征服のために女神像の打ち上げを指揮する。
 …彼が語る「シドの女神」のその内容は、とても銀河征服に役立つとは思えないんだけどなー。
ソフィア エルラド教会の幹部でラシッドと共に女神像打ち上げの指揮をとっている女性。
 …吉田理保子さんの怖い声ってああだったのね、本放映時はその人だと気付かなかったので。
その他
ガルタン 魔法を使い周囲の美しい女性を誘拐してハーレムを作る大魔王。コブラを手下にしようとして断られ戦うことに。
 …恐ろしい大魔王として画面に登場したかと思えば、最後はネタキャラとして退場。ドクロベェ様のご冥福をお祈りします。
バベル王 惑星バクーサの先住民族、ソード人の劇中時点での王。ソード人社会を乗っ取って入植者に危害を加える。
 …こいつ、実力じゃなくてセコさで権力の座を握ったのだろうなぁ。コブラが分するジーク王と反則対決。
ジーク王 惑星バクーサの先代の王で、バベル王に王の座を追われた。入植者達と共存共栄路線を取る。
 …ソード人の秘密がこの人によって語られる。生物としてはどうなんだが…。コブラに自分に化けさせる。
ラシック コブラが惑星バクーサで知り合った老人、ソード人の脅威を入植者達に知らせようとするが…。
 …このキャラ、「スペースコブラ」にナレーターが不在であることによる苦肉の策で存在していたんだろうなー。
ベルマR78 コブラが銀行強盗をしようとした惑星にあったロボット市で売りつけられた小型ロボット。本人は何かの使命があったと語る。
 …でもオチがあれはないよなぁ。
シエラ 26話でコブラとコロを捕獲した少尉、コブラと共に同行していた軍曹の誰かが敵兵が化けたスパイだと疑うが…。
 …戦場で水着姿はないだろーに。コブラをただの民間人ではないと見破る洞察力は天下一品だが…。
コロ 26話で仕事を終えたコブラが逃亡する際、戦災で瀕死の老人から託された子供。
 …そして、最も「コブラ」らしくないキャラで、物語にこれまで無かった独特の雰囲気を作る。

・「スペースコブラ」オープニング
「コブラ」
 作詞・冬杜花代子 作曲/編曲・大野雄二 歌・前野曜子
 最初のところは「あれー?こんなオープニングだったかな?」とちょっとだけ思ってしまったが、聴いているうち、見ているうちにだんだん私の記憶が蘇ってきた。そうそう、このオープニングのボーカルがとても色っぽくて、なんか恥ずかしかったのと大人の世界を垣間見たような気がして見ていた。前野曜子さんがそう歌ったのか、それともそういうメロディで作曲されたのかは解らないけど、とにかくメロディより色っぽさを前面に出した曲で「SFアニメ」の主題歌にしておくには勿体ないと当時は思ったものだ。まぁ、当時の小学6年生相手じゃ横文字が多い歌詞だけで「大人」を感じてしまうというのもあったと思うけど。
 その横文字が実は今回の視聴でも聞き取れていない。特に「♪コーブラー」の部分に出てくる横文字は、画面に歌詞表示もない上、流暢に歌われているので根っからの日本人の私には聞き取りにくいのだ。中学生時代の同級生はここを「♪振り向くーっ」と勝手に和訳して歌っていた記憶も、自分の中にハッキリ残っている。
 背景画像はコプラのキャラが上手く演出されている。ストーリーの都合上ハンサムにできない顔、それでもカッコイイその仕草、サイコガンを放つときの迫力、敵と対峙するときの緊張、この物語の要素の中で「美しい女」以外は全て詰まっているオープニングだ。そして相棒レディの存在も忘れず上手く描いていて、見た人を物語に引き込む力のある強烈なオープニングであると言いきっていい。
 それにしても、歌詞表示の「翳」という文字が手作り感が強くて、いま見ると「時代」を感じて笑ってしまうなぁ。

12月18日更新
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