「石神井急行旅客鉄道」・心象鉄道9
西武2000系を作りました!
2011年1月9日更新

ちょっと古い写真だけど、この写真のように90年代の2000系を再現したい。

・はじめに
 前々から欲しかったけど、色々あって手を出してこなかった来なかった模型車両はたくさんある。
 その中の一つに1992年にグリーンマックスが発売した西武新2000系がある。当時上石神井に住んでいたこともあるし、また私が高校時代から20代に差し掛かる頃に次々と量産されたこの電車は、私の青春の記憶の一つでもある。
 だがこんな車両でも模型に手を出さずにいた。理由は大きくふたつである。
 ひとつはこの車両を当時は知り尽くしてしまっていたこと、製造過程を毎日利用する乗客として見てきた私は、新車が出る度に前の車両との違いを探して区別していたものだ。前面の違いや側面の窓の大きさの違い等、細かい違いを見つけてはチェックをし、ものによっては車体を一目見ただけで車号がわかるものもいた。その車両に対しこれだけの知識があれば、模型として再現するときにどの使用で作るか悩んでしまい、結局あれもこれも欲しいと思って収拾がつかなくなるので封印し続けていた。
 そしてもうひとつ、「新2000系」と言うからには「新」がつかない2000系も存在するわけで、西武新宿線ではこの新旧の2000系を全く共通に運用していた。勿論新旧の2000系が連結されている列車も多数ある訳で、この車体デザインが別形式と思えるほど違う両形式が混用されている姿が再現できない点が問題であった。他形式の改造からでも作れないことはない旧2000系であるが、その改造方法で悩んでいたし、それよりもそれを作るだけの時間が取れないのも事実だった。
 このような理由で、西武新2000系のキットにはあれだけ思い入れがある電車なのに、いや西武2000系自体が私にとって日本のあらゆる鉄道車両の中で最も思い入れがある車両なのに、模型の発売から実に18年もの長い間手を出さないままであった。

 ところが2010年になって、突如としてグリーンマックスが西武鉄道の「旧」2000系の発売を発表した。完成品とキットという構成で、これによって私が新2000系製作に手を出すことを拒み続ける理由の一つが消滅することになった。
 そしてもう一つの理由も、私が西武鉄道を利用する機会がここ数年で極端に減ったこともあり、また90年代初頭という時代からかなりの時が過ぎたこともあって、印象に残ったもの以外の西武新2000系のキット2000系の詳細が記憶から薄れてきたことで問題が無くなってきていた。
 これによって私は2010年から2011年にかけて、我が家の模型で西武2000系を再現する計画を立て、これを実行に移すことになった。

・購入計画と仕様
新2000系
 新2000系は発売当初は未塗装の板キットであったが現在の主流は塗装済み板キットであり、通販などで入手しやすいのはこちらである。2010年夏に再版がメーカーから告知されたので、これを機に購入する。
 購入内容はトータルセット(4両編成分・動力込み)×2セット、中間車増結セット(中間車のみ2両分)×1セット。この3つのキットから6両編成×1本と、4両編成1本を製作する。
 基本的にはキットの巣組みとするが、時代設定を1990年頃とした内容とする。具体的にはPT42型パンタグラフを2個別途購入し、4両編成のMc車もパンタグラフが乗っている仕様にすること。先頭車のスカートを着脱可能として、スカート取り付け前後双方の姿を再現できるようにすること。行き先幕は製品付属のものを利用する。
 先頭車はボディマウント式のTNカプラーを装着する方法を検討し、ディティールアップと先頭車同志の連結性能の双方を確保すること。

 再現する編成は、6両編成は2053編成、4両編成は2521編成とした。これらは新2000系の中でも、下記写真にある前面貫通扉窓が大きくなった「顔」のトップナンバーである。特に2053編成は西武所沢工場で作られた最初の新2000系で、当初は運転台内装色が旧2000系と同じという異端の車両であった。
 なお我が家の基準により、我が家に入線した西武鉄道の通勤車両の模型は、行き先表示を「上石神井」にすることになっている。これによって「側面行き先を表示したくない」というここ数年の私の考えの例外になっていることを、前もって記しておく。

1.とりあえず完成
2.スカートをはきました


旧2000系
 こちらは2010年11月に完成品発売となり、一ヶ月後の12月に塗装済みキット発売された。
 私が購入したはトータルセット(4両編成分・動力込み)×1、中間増結セット(中間車のみ2両分)×1、先頭車2両セット×1をである。これから6両編成×1本と、2両編成×1本を製作する予定である。なお購入を完成品ではなくキットとするのは、後述の内容での製作を予定していることと、付属のパンタグラフの問題、ならびに先頭車のスカートを新2000系に転用したことによるものである。
 この模型はメーカーから「旧2000系更新車」とされている。つまり巣組みすると旧2000系の現在の姿になってしまうわけで、これでは1990年頃の仕様として完成させる新2000系と不釣り合いになってしまう。従ってこちらは1990年代前半頃の姿として製作することにする。購入したキットの車体を確認したところ、側面行き先表示の凹みが既にモールドされてしまっているので、模型もやむを得ず1990年以降の側面行き先表示取り付け改造後の姿とする。本来ならば新2000系の4連を4パン仕様で作ってしまったので、時代設定が合わなくなってしまうがこれは目を瞑ることにする。
 先頭部にはボディマウント式のTNカプラー取り付けを検討し新2000系との連結使用を考慮するとともに、キットに付属のスカートパーツは新2000系に転用してこちらの雰囲気を向上するために使用する。

 再現する編成は、6両編成が1980年代初頭の編成改変以降はラストナンバーとなった(田無事故代替車は除く)2029編成、2両編成はトップナンバーの2401編成とする。キットの設定や実物の製造年次の違いによる細かい差異が出るのは承知の上で、「雰囲気が出ればそれで良し」という割り切りを持って製作する(ただでさえ前述の新2000系と時代設定の辻褄が合っていないのだから)。
 当然、行き先表示は「上石神井」である。新2000系同様「我が家では側面行先表示ステッカーを使用しない」という私の考え方の例外となることは明記しておきたい。

旧2000系完成!(新作)

・その他
撮影会(新作)
私と西武2000系のこと(新作)

・実物写真展


新2000系初期車4両編成、1991年以降先頭車のパンタグラフが撤去されているが、私の模型ではこれが健在だった時代を再現したい。


1988年度以降に製造された新2000系は、初期車と比べると少し「顔」が違う。上の写真と比べて欲しい。


雪の小平駅に同時進入、このように新2000系は西武新宿線の主力でもある。


都心部でカーブと勾配が多い新宿線では、こういう光景が一番「らしい」かも知れない。


旧2000系の普通上石神井、もちろん我が家の模型でもこの写真と同じ行き先が入る。


こちらは新2000系の普通上石神井。

「心象鉄道」トップに戻る