「あにめの記憶」リアルタイム視聴3

世界名作劇場「こんにちはアン〜Before Green Gables

・「世界名作劇場」復活の鍵
 2007年に復活した「世界名作劇場」シリーズは、復活第2作「ポルフィの長い旅」でかつて「世界名作劇場」シリーズで活躍した声優をゲストとして起用するなど、新作ながらも懐古路線で勝負した。その結果原作ではキャラクター数が少なかった「ポルフィの長い旅」はほぼオリジナルと言った様相の物語として展開するが、かつての「世界名作劇場」ファンを呼び戻すだけの力はあったと思う。
 そんな作品で復活を強くアピールした次というのは、今後復活作品を作り続けていけるかどうかの鍵となるだろう。これが上手く行けば戻って来たファンだけでなく、多くの人々に見てもらえるかも知れない。そのために必要なことは、声優などのマニアックな部分で勝負するのでなく、誰もが知っているような物語を分かり易く再現することであろう。

 その「ポルフィの長い旅」が放映されていた2008年は「赤毛のアン」という小説が生まれてから100周年ということで、この小説がまたいろいろな意味で話題となった。それに連動して「世界名作劇場」シリーズのアニメ「赤毛のアン」も思い出したかのように製品展開され、DVDボックスが発売されるなどアニメ制作側も力を入れることとなった。そして翌2009年はアニメ「赤毛のアン」が制作されてちょうど30年という節目の年ということもあって、主人公アンの幼少時代を描いた「Before Green Gables(訳名・こんにちはアン)」を「世界名作劇場」シリーズとして放映することとなった。これがここで紹介する「こんにちはアン」である。
 当サイトでも「赤毛のアン」概要でも紹介した通り、「赤毛のアン」はカナダの作家 ルーシー・M・モンゴメリが書いた一人の孤児であった女性の半生を描く「アンシリーズ」の最初の作品である。孤児の少女が年老いた兄妹に引き取られ、その少女が思春期を過ぎるまでを描いたものが「赤毛のアン」で、以後シリーズものとして少女が大人になって53歳になるまでの物語が綴られている。

 だがこの「こんにちはアン」は、別の作家によって描かれたアンの幼少時代の物語である。「赤毛のアン」100周年ということで、作者モンゴメリの資産を引き継いでいる「モンゴメリ財団」が児童文学作家のバッジ・ウィルソンに依頼して創られた物語である。私はまだこの原作を読んでいないのでアニメのことしか語れないが、事前に気を付けなければ行けないのは「赤毛のアン」とは作者が違うという点で、どう頑張ってもモンゴメリが描いたアンとは違ってしまうのはやむを得ないと言う事だ。どうしてもウィルソンが持っているアン像が物語に現れてしまうのは仕方ないだろうし、ウィルソンの解釈によるアンの過去というものが前面に出てきて「赤毛のアン」設定とズレを生じるのはやむを得ないのだ。従ってこのサイトの考察では「赤毛のアン」設定とのズレは、完全に無視して考察を行ってゆくこととする。

 アニメ「こんにちはアン」では、アンが6歳になってから11歳になるまでの5年間の物語が描かれた。その中でアンが接した人々との出会いや、人々から受けた愛情、それに人に与えた影響を通じて「愛」というテーマを視聴者に訴えているように感じた。人と人とが接することで人生が交錯し、そこから愛が生まれるというたったそれだけの物語を、丁寧に時間を掛けて放映するという現在のテレビ番組では信じられない内容だ。だからこそBSぐらいでしか放映させてくれないのだろうけど…いい加減日本の民間テレビ局は目を覚まして欲しい。バカバカしい「芸能人」同士のなれ合いを放映している暇があるなら、こういう良質な物語のひとつでも放映して欲しい。余計なこと言った。

 この考察は、「こんにちはアン」のBSフジでの本放送(2009年4~12月)を放映時刻30分後にビデオ録画によって視聴(個人的な理由で日曜19時台は家にいないことが多かった…日によっては放映時刻にみられたが)し、その感想や考察をその日のうちに書き上げて毎週日曜日夜にサイトにアップしていたものである。

・サブタイトルリスト

第1話 「赤毛のアン」 第21話 「さよならの雪」
第2話 「アンという名前」 第22話 「素晴らしいお客様」
第3話 「小さな黄色い家」 第23話 「小さな命」
第4話 「金色の泉」 第24話 「クリスマスの魔法」
第5話 「エリーザの恋」 第25話 「雪よりも冷たく」
第6話 「希望は生まれる」 第26話 「さようならトーマス家」
第7話 「木枯らしのバラの花」 第27話 「あの丘の向こうに」
第8話 「遠い調べ」 第28話 「一人きりの授業」
第9話 「メアリズビルへ」 第29話 「ハガティさんの秘密」
第10話 「不思議なタマゴ売り」 第30話 「そよ風荘の思い出」
第11話 「冬のひまわり」 第31話 「ただひとつの希望」
第12話 「はじめての学校」 第32話 「最悪の始まり」
第13話 「サディという友達」 第33話 「恐ろしい一夜」
第14話 「ランドルフの夢」 第34話 「遠い町へ」
第15話 「ピクニックに行こう!」 第35話 「テッサの涙」
第16話 「もっと書物を!」 第36話 「希望の手紙」
第17話 「私たちの舞台」 第37話 「ひだまりに抱かれて」
第18話 「恋のゆくえ」 第38話 「花咲ける朝へ」
第19話 「悲しいお茶会」 第39話 「プリンスエドワード島へ」
第20話 「危険な罠」  

・「こんにちはアン」主要登場人物

主人公
アン・シャーリー 物語の主人公、様々な困難を豊かな想像力で乗り切り、周囲の人々にも影響を与える。
 …おしゃべりな性格は途中で少し影に隠れ、「これが本当にあのアンなのか?」と思ったこともしばしば。
トマス家の人々
バート トマス家の主、思ったように生きていけずにいつももがいているが、根はいい父親。
 …この父親の人間くささが、この物語の魅力でもあっただろう。
ジョアンナ 最初にアンを引き取った女性、夫のせいで惨めな暮らしをしているという被害者意識が強い。
 …私としては良い意味でも悪い意味でもあの夫にしてこの妻ありと思った、根は優しいはずなんだが…。
エリーザ トマス家の長女、すぐに恋人が出来てロンドンへ嫁いでしまうが、そこへアンを連れて行けると思い込む甘さが印象的。
 …子供から見たら大人で、大人から見たら子供という難しい年頃を上手く表現した。最後にそんな自分に気付き成長していることが分かる。
フォーレス トマス家の長男、すぐにアンを「赤毛」とからかう。
 …どう見てもただのDQNなガキだったが、父親の存在をハッキリ意識すると一気に成長する。
エドワード トマス家の次男、フォーレスと一緒にアンをからかう。
 …フォーレスほどではないがやはり憎まれっ子から始まるキャラ、彼の成長は弟を思ってのことだ。
ハリー トマス家の三男、最初は赤ん坊だったが大きくなるとやっぱり憎まれっ子キャラに。
 …トマス家の男子で一番目立たなかったのは間違いなくこの子。
ノア トマス家の四男、アンが取り上げたこの子は兄弟の中で最も優しく穏やかな子。
 …声が野原ひまわりまんまなので、笑う必要のないところで何度笑わされたか…。
ボーリンブロークの人々
ミントン 人付き合いが悪く、町一番の嫌われ者と呼ばれるおばさんだが、アンと出会って…。
 …「世界名作劇場」名物、第一印象がとてつもなく悪いが実はいい人というおばさん。
ジェシー ジョアンナやアンの母親の古くからの友達で、アンの事をとても心配している。
 …この人がアンを引き取ろうとした理由が、いまいちよくわからないまま気が付くと劇中から消えていた。
メアリズビルの人々
エッグマン
(ロバート・ジョンソン)
メアリズビルの町外れでタマゴを売る謎の男、定期的にタマゴを買いに来るアンに言葉を教える。
 …この物語で、最も幸せになったのはこいつに違いない。
ヘンダーソン先生 病気の先生に代わり町にやってきた若い女性教師、アンと意気投合する。
 …こういう真っ直ぐで純粋な性格だからこそ、子供達がついてくるんだよな。
サディ 学校でアンに出来た最初の友達、家が貧しく母親が病弱なのでなかなか学校に来られない。
 …アンの親友として存在感を増すのかと思ったら、あまり出てこなかったので拍子抜けしたキャラ。
ミルドレッド 学校でいつも自分が目立ってないと気が済まない市長の娘、アンが現れるとその人望に嫉妬するが…。
 …アン以上に誰にも愛されておらず、アン以上に愛に飢えていたのはこの娘。アンによって心の支えを手にする。
ランドルフ 学校でリーダー格の男子、牧場主の息子だが弁護士になるように父親に押しつけられている。
 …典型的な憎まれっ子からいい奴へと転換するキャラ、父の背中を見て真っ直ぐ育っている男の子だ。
ジェフリー バートの同僚、紅茶の仲買の会社を興そうとバートに持ちかけるが…。
 …こいつ、結構バートが気に入っていたのは確かだろう。じゃなきゃ仲間になるよう声かけるはずがない。
スコット ある日トマス家にやってきた客人、といっても家の前で馬車が立ち往生しただけだが。
 …「波間に揺れるゆりかご」というキーワードをアンに最初に与えたのは彼だが、覚えている人少ないだろうな。
ハモンド家とその周囲の人々
ケンドリック ハモンド家の主で小さな製材所の社長(自称)、気も弱いし身体も弱い。
 …アンを「金の掛からない子守」程度の考えで連れてきたが、結局アンのペースに呑まれてやんの。
シャーロット ケンドリックの妻、いつも文句垂れてばかり。8人姉弟(うち双子3組)の母親である。
 …人がやることは何もかも気に入らないって感じの嫌な女、更生することなく画面から去ったのには驚いた。
ハガティ ハモンド家の近くにある丘の上に住む産婆、結婚もせずに一人で暮らしているが寂しくないようだ。
 …この人も第一印象が悪かったが実は良い人というおばはんキャラ、人を覚えるのが得意なのは羨ましいぞ。
マクドゥガル先生 学校の先生で、アンの事を知って同情すると共に、その生き様を見て挫折していた自分を恥じて立ち直る。
 …「波間の揺れるゆりかご」というキーワードから鍵を開いた張本人、恐らくヘンダーソン先生を男にしたらこんな感じ。
孤児院の人々他
カーライル院長
(エイミー・トンプソン)
孤児院の院長で孤児院で恐怖政治を運用する、正直で素直であることを何よりも尊ぶ。
 …この学院の意外な秘密を握っている。根は優しくて愛情に溢れた人なのだが、性格的にそれを素直に示せない。
ケール先生 孤児院の女性教諭、わざとやっているようにしか見えない信じられないボケを見せてくれるが、子供のことをよく見ている。
 …ミンチン院長にはアメリア先生、という関係を彷彿とさせてくれるキャラだった。
ジョセフ先生 孤児院の男性教諭、直情的なとこがあって簡単に院長に意見しては「慎重に」と窘められる役。
 …直情的に子供を叱るが、それが当たっているからまた凄いと思う。子供達に最も嫌われるタイプだろう。
サイラス 孤児院の用務員(?)、孤児院の運営について陰で支える存在。
 …当サイトの考察では全く出てこない人だが、この人の活躍は「水戸黄門」の弥七に匹敵していると思う。
テッサ 孤児院の生徒で、アンより少し年下。泣き虫で出しゃばりで嫌われ者だった彼女だったが…。
 …テッサの視点で「孤児院編」を見てみるのも面白いかも知れない、アンより成長した主人公以外では最も印象に残ったキャラだ。
エドナ 孤児院の生徒で、アンと「楽しいプリンスエドワード島行き」のたった一枚の切符を巡って争う。
 …主人公の敵となるべく悪女キャラ、だがアンと和解しても変身せず、最後まで悪女という役を貫き通したのは好印象。
リリー 孤児院の生徒でまだ幼児、アンと一緒にプリンスエドワード島へ行く事となる。
 …「赤毛のアン」キャラで最初に劇中に現れるのはこの子、やっぱタラちゃんに声やって欲しかったなー。
デラ ある晩、孤児院の玄関前に捨てられていた赤ん坊、アンとテッサが面倒見の担当となる。
 …すぐ大きくなったなー。
スペンサー夫人 孤児院にリリーとアンを迎えに来た夫人、この人の登場が物語の終わりを告げたと言っていいだろう。
 …この人も「赤毛のアン」キャラ、「赤毛のアン」時と全く同じ服装で出てきたのは感心した。
その他
ナレーター 物語の要所で的確に、落ち着いた口調で解説を入れてくれた名ナレーションと言っていいだろう。
 …メーテルっ!!


・「こんにちはアン」オープニング
「ヒカリの種」
 作詞・森由里子 作曲・吉野ユウヤ 編曲・山下康介 歌・井上あずみ
 ちょっとアレンジは大袈裟だけど、テンポが良くて結構気に入った。CD発売と同時に買っちゃったし。落ち込んでいるときに聞くと元気になれる良い曲だ。。
 歌うは「となりのトトロ」「さんぽ」でお馴染みの井上あずみさん、何処かにも書いてあるが「世界名作劇場」シリーズで主題歌を歌った歌手の中で、さだまさしに次いで生のステージを見たことある人だ。私はこの人の伸びがあって太めの歌声が大好きである、なんかいつも楽しそうに歌っているようにも聞こえるし。
 書いていることは少ないけど、本当にこの曲好きだ。内容に圧倒されていて、何書けばいいのか…


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